架空国家を作ろう　第1.1世界線

オクラホマ連邦は、北米大陸の五大湖周辺から、大西洋方面にかけての地域を領土とする、北米先住民の国家である。オクラホマは、okla(赤) と humma(人々)を組み合わせた、北米先住民全体を指す先住民諸語の一つである。

北米先住民の多くは、耕作をしつつも狩猟中心の生活を行い、広大な大陸に諸部族がばらばらに居住していたが、11世紀に北米へ入植したノルマン人との接触が変化をもたらした。彼らとの接触は、新たな文物の習得と、外敵に対して諸部族が結束する経験を得る機会であった。この経験は、コロンブスによる新大陸の再発見以後の、ヨーロッパ諸国による侵略でも活かされた。強引な入植に対して諸部族が久しぶりに結束して抵抗し、インディアン戦争と呼ばれる無数の抵抗を行った。そして、アメリカ独立戦争後に、五大湖沿岸からイロコイ連邦までを領土とする、北米インディアン保護領が成立した。

イギリスの支配から逃れて独立を勝ち取ったアメリカ合衆国であったが、インディアン保護領は目の上のたんこぶであった。そんな折に始まったナポレオン戦争で、イギリスは新大陸へ戦力を回す余裕が無くなってしまった。そこで、合衆国は火事場泥棒的にインディアン自治領と、あわよくばカナダも奪おうと考え、イギリスに宣戦布告した。楽観的に戦争を始めた合衆国だったが、カナダとインディアン保護領の激しい抵抗により、侵攻は失敗してしまう。そして、本国と保護領からの増援を得たイギリス軍は反撃としてニューヨークへ侵攻した。南部諸州の戦いや大西洋での英雄的な活躍などもあったが、首都を焼き討ちされるなど合衆国は終始劣勢であり、1814年のガン条約でニューイングランド地域などをイギリスに割譲する事になってしまった。割譲された地域は、本来の持ち主に返すとしてインディアン保護領に編入された。*1

2度の大戦を経てからインディアン保護領の独立が決定され、オクラホマ連邦として独立した。

オクラホマ連邦の政治は、伝統的合議制と直接民主制が組み合わされた体制であり、諸部族の共同体からなる連邦国家である。連邦議会が政府も兼ねており、分類上は議会統治制とされている。

オクラホマ連邦憲法では連邦政府に委任されるべき事項が規定されており、それ以外は各州の裁量となる。

• 立法(連邦議会)

連邦議会は、比例代表制によって選出された議員で構成される、一院制議会である。ただし、少数政党の分立による混乱を防ぐため、議席獲得の最低得票数が定められている。

• 連邦議会の議席を保有する政党

名称	議席	主義、主張
オクラホマ自由党		小さな政府、リバタリアン、国際協調
民主党		中道左派、リベラル
労働党		大きな政府、社会民主主義、福祉国家
オクラホマ緑の党		穏健な環境保護主義、国際協調
独立党		民族主義、過激な環境保護主義、孤立主義

• 行政(連邦政府)

連邦議会から、政府閣僚に当たる首長を選出する合議体の組織である。首長が各省の長を兼任したまま、任期一年の連邦政府議長を務める。政府の首長は獲得議席に応じて割り振られるため、意図しない限り全ての政党が連立与党となる。

政党名簿比例代表制度(阻止条項あり)

沿岸警備隊、国境警備隊など

オクラホマ連邦の税制は、最低限の税率、最低限のサービスと言われている。税負担は少ないが、行政サービスや公的保障も最低限のものに限定されている。そのため、民間保険会社や互助会への加入が必須とされ、共同体による相互扶助組織も無数に存在する。これは、中央政府による過干渉を嫌う国民性が影響しているとされている。

保護領時代は英軍が駐留し、自治政府の軍備は必要最低限だったが、独立後は自由主義国の一つとして相応の負担が求められている。歴史的経緯から当初険悪だった合衆国との関係は、外交努力と両大戦時の共闘によって改善され、冷戦期には極めて良好なものとなった。しかし、合衆国の崩壊や近年の国際情勢が悪化していることを受け、軍の規模は一定量を確保している。また、国連中心の協調外交を重視しているため、平和維持活動へ積極的に参加している。

詳細はオクラホマ連邦の軍事へ

• 国防軍

総員90,000人

保護領成立時の領土は、ほぼヨーロッパ人による開拓が行われていなかっため、先住民との毛皮交易以外にめぼしい産業も無かった。米英戦争後に併合された地域は、合衆国でも商工業が発達した地域であったが、多くのアメリカ人が脱出した事で、それまでの蓄積が失われてしまった。そのため、保護領時代初期はヨーロッパ向けの農林水産物やその加工品の輸出が主産業だったが、広く肥沃な土地のおかげで生産性は良好だった。19世紀中頃には領内で鉄鉱石や石油が確認され、英国資本による開発でゆっくりと工業化が進展した。
独立後は、安い賃金とヨーロッパへの近さを利用した企業誘致で経済成長を達成した。さらに、環境保護の意識が高まった近年は、乱開発を免れた自然環境を目当てにした観光客も多い。

国土の大半が農業に適する気候である為、農業と畜産を組み合わせた混合農業は長らく基幹産業であった。工業化によって就業人口が減少した現在も、小麦、トウモロコシ、食肉などの食糧輸出国である。その他の作物としては、カボチャや豆類、果実、テンサイ、ジャガイモ、タバコも多く生産されている。西部の平原では、伝統的なバッファローの放牧も行われている。
オクラホマ連邦の企業も参照

19世紀中頃に領内で豊富な鉱山資源が見つかってから、工業化が進展した。独立後は輸出加工区を設置して外資導入による産業振興を図り、得られた利益でさらに工業の多角化を進める事に成功した。現在は自動車や航空機部品、半導体などの先端産業も発展している。

国内の資源では、石炭、鉄鉱石が主要な生産物である。石炭は現在も大規模な採掘が続き、国内のエネルギー需要を賄っているが、最近は環境対策に追われている。石油もオハイオからアパラチアにかけて採掘され、20世紀初頭は世界有数の産油地だったが、現在は自給出来るほどではない。

英国保護領となった事で極端な開発が行われず、合衆国では失われた自然環境や野生動物が残された。乱獲を免れたバッファローやリョコウバトは特に有名である。独立後は、これらを活かした観光業を展開している。

名称	該当
国鳥	ハクトウワシ
国花

精霊信仰の様な伝統宗教が多数。それ以外では、英国国教会などプロテスタントが多い。

国民の8割が先住民諸部族で、イギリス系、保護領編入後も残った元合衆国系、その他と続く。保護領成立後は、先住民が元の居住地に帰還した以外にも、合衆国による迫害から逃れて移住する場合もあった。

主要部では英国植民地らしい地名がつけられているが、先住民由来の地名の方が多く、改名された地名もある。