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SDAM-11防空戦闘車
要目
全長7.5m
全幅2.7m
全高3m
重量19.2t(輸送時重量)
21.5t(最大戦闘重量)
速度100km/h(整地)
(最大戦闘重量時)
乗員3名
搭載兵装70口径40mm機関砲2門
エンジン直列6気筒4ストロークディーゼルエンジン(最大出力500馬力)

概要

SDAM-11防空戦闘車は、第四インターナショナル連邦共和国地上軍で運用されている装輪自走高射機関砲。2011年に正式に採用された。BCI-97の車体シャーシをベースに、モジュール化された自走高射機関砲砲塔を搭載している。即応機動部隊に指定された機動歩兵旅団に配備されており、舗装路上を時速100kmで数百km以上走行できる高い戦略機動能力を有する。ユニットコストは1両当たりおよそ200万ドルと見積もられており、(2000年代の第四インターナショナル連邦共和国の経済成長による通貨価値の変動があるとはいえ)これは第3世代主力戦車であるT-96の前期型に匹敵するほどの価格である。しかし、従来のジェット機や攻撃ヘリに加えて、近年地上部隊に対する著しい脅威となりつつあるUAVなどの脅威に対する有効かつ経済的な対抗手段として、重点的に生産配備が進められている。

能力

兵装

主武装としては「CA-11」40mm機関砲が2門搭載されている。「CA-11」は仮想敵国における装甲車両全般の重武装化に対応するために歩兵戦闘車向けに開発された比較的大口径の機関砲であるが、SDAM-11では対空機関砲として採用されている。最大の特徴は、使用する弾薬がテレスコープ弾となっていることである。テレスコープ弾とは、弾丸部を薬莢の底まで埋め込むことで全長を抑えた弾薬のことである。高初速の弾薬では弾丸部の直径が薬莢部より小さくなり、その分収納時のデッドスペースが大きくなる傾向があり、大口径の機関砲などではこの問題が特に顕著となる。「CA-11」では、テレスコープ弾を採用したことによって弾薬の全長を他国の25mm機関砲弾とさほど変わらないレベルにまで短縮することに成功している。全ての弾薬は、砲塔下の巨大なドラム型弾倉に収納されており、その装弾数は600発程度とされている。発射速度は最大500発/分と非常に高く、セミオートモード、低レートバーストモード(250発/分、15発)、高レートバーストモード(500発/分、30発)の3モードで射撃することが可能である。

「CA-11」40mm機関砲には、装甲戦闘車両との交戦用にAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)が、その他の目標との交戦用に多目的破片効果榴弾がそれぞれ開発されているが、もっぱら対空戦闘のみを考慮しているSDAM-11では、ドラム型弾倉内の600発全てが多目的破片効果榴弾「APE-11」となっている。

「APE-11」多目的破片効果榴弾は、装甲車両を除く地上目標及び空中目標を破壊することを目的に設計された多目的弾である。弾丸部には約250個のタングステン製のペレットが内蔵されており、目標に応じた最適な爆発パターンで爆発することで、高い致死効果を提供する。ソフトスキンへの曳火射撃や空中目標への射撃など、様々な爆発パターンが用意されており、発射時に砲手によって選択されることになっている。信管は、着発、遅延、時限の3モードで動作することができるマルチモード信管で、射撃管制レーダーないしはレーザー測距装置で計測した目標までの距離と砲口初速から自動で最適なタイミングを計算して炸裂することができるため、前述した爆発パターンの調整機能と合わせることで、様々な目標に対し効果的に攻撃を行える。高速・高機動の空中目標に対する有効射程は4000mで、無人機や巡航ミサイルのような低機動目標に対してはより遠距離からも撃破を見込むことができ、既存のMANPADSを安価に代替することが可能である。

べトロニクス

索敵能力
SDAM-11のセンサーとしては、砲塔上面後部には捜索レーダーが、砲塔正面には射撃管制レーダーが、砲塔上面中央部には全周旋回可能な電子光学照準システムが搭載されている。

砲塔上面後部に搭載されている捜索レーダーは、Xバンドを利用するアクティブフェーズドアレイレーダーである。毎分60回の速度で回転しながら全周を捜索し、RCS1屬量槁犬15km先から発見することが可能である。同時追尾可能な目標数は最大で16目標であり、さらに追尾している全ての目標について形状や速度や経路から脅威度を分析することが可能である。

砲塔正面に搭載されている射撃管制レーダーは、Kaバンドを利用するアクティブフェーズドアレイレーダーである。迎撃対象と自車との間の距離など、射撃に必要な各種諸元の測定に使用される。目標の追尾距離は最大で10kmである。

これらを補助する目的で搭載されているのが、砲塔上面中央部の電子光学照準システムである。これは10km先から攻撃ヘリコプターや無人機を探知・追尾することが可能な熱線映像装置及び10km圏内の目標に対して正確に距離を測定可能なレーザー測距装置などから構成されるシステムであり、全周旋回も可能である。捜索、追尾、測距までの全ての段階を単独で行うことができるため、電波放射源を探知されるリスクを低減するために、このシステムのみを用いて敵と交戦することも可能である(もちろん、同時対処可能な目標数は減少する)。

ディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイ上では、後述するデータリンクシステムを含めたあらゆるシステムで取得した目標の情報についてエキスパートシステムが3段階で脅威度を判定し、脅威度・撃破優先度順に並べることができる。小隊長車や中隊長車が優先的に撃破するように指示した目標については撃破優先度が上書きされる。
データリンクシステム
SDAM-11はネットワーク中心の戦いを実現する防空システムとして開発されたため、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」と呼ばれるソフトウェア無線機を搭載している。「SRTC(統合戦術無線システム)」は、地上軍が従来利用してきた戦略階梯、作戦階梯、戦術階梯のあらゆる無線機をまとめて代替するために開発されたもので、HF、VHF、UHFでの通信に対応している。また「SRTC-PV」は音声通信とデータ通信の両方の機能を同時に使用することも可能となっている。「SRTC-PV」を搭載したSDAM-11では、防空戦闘指揮システム、旅団戦闘指揮統制システムなどの各種サービスにアクセスできる。

防空戦闘指揮システムは、各階梯において効果的な対空戦闘を実現することを目的としたC4I・データリンクシステムである。SDAM-11は主に大隊隷下の防空中隊に配備される防空戦闘車であるが、この場合、各防空中隊の中隊長車がシステムの中核となる。中隊の防空システムが探知した全ての目標は車間データリンクによって共有され、これを元に中隊長車がエキスパートシステムの支援を受けつつ各車に迎撃すべき目標を割り当てる。さらに、上位階梯の防空部隊から送信されてきた情報を元に迎撃戦闘を行うことも可能である。

旅団戦闘指揮システムは、旅団以下の階梯で利用される共通戦術状況図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。索敵システムと連接され、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の司令部に配備されるラップトップ端末、大隊司令部及び旅団司令部に配備される大型スクリーン及び情報処理装置を用い、敵味方の各部隊や車両などの位置を共通戦術状況図でニア・リアルタイムに共有することができる。基本的には自動車化狙撃部隊と戦車部隊で運用され、友軍車両や部隊の位置、判明している敵の種別と位置と脅威度、判明していない敵に関する警戒情報などについて、秒単位で情報が更新されて表示される。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。指揮官は共通戦術状況図に表示された各部隊の情報および彼我の位置関係や戦力差に基づき、エキスパートシステムの支援を受けて戦闘計画を立案し、このシステムを通じて隷下の部隊に企図を伝達する。
射撃管制システム
SDAM-11の射撃管制システムは、デジタル式の高性能弾道コンピュータを中核に構成されている。弾道コンピュータには、レーザー測距装置、光ファイバージャイロを利用した傾斜測定装置、砲口照合装置、風向・風速計、気温・気圧計、装薬温度計、「SRTC-PV」データリンク端末など各種センサーが接続されており、これらの入力諸元から弾道計算コンピュータが目標に命中させるのに必要な各種要素を計算し、照準装置に入力する。弾道計算のソフトウェアはプログラマブルなものを採用しているため、将来的に性能向上を図ることが容易である。

防御力

装甲
SDAM-11はモジュール装甲システムを採用しており、任務の性質や輸送時の重量制限に応じ、装甲を着脱して重量を調節することが可能となっている。車体シャーシは抗堪性を考慮して防弾鋼製とされている。全てのモジュール装甲を取り外した状態の重量はおよそ19.2tで、全周で7.62x54mm徹甲弾の直撃に抗堪する程度の防御力となっている。

通常、車体正面と車体側面には、グラスファイバーとケブラー繊維などからなる簡易的な複合装甲モジュールが挿入される。これにより、100m先から発射された14.5mm重機関銃の硬芯徹甲焼夷弾や、25m以遠で爆発した15cm級榴弾の破片などに対して抗堪する程度の防御力を有する。また、成形炸薬弾に対し十分なスタンドオフ距離を確保するため、車体側面には柵状装甲が、砲塔にはチェーン装甲が追加可能である。

砲塔上面には、素の装甲の上側から、耐火ゴムなどからなる簡易的な防護モジュールが装着されている。これは、対車両クラスター子弾の成形炸薬弾頭に対し、十分なスタンドオフ距離を確保することを目的としたものであり、トップアタック式対戦車ミサイルの直撃に抗堪可能な性能ではないとされている。
乗員配置・乗員防護
車体に操縦手、砲塔に車長と砲手が搭乗するオーソドックスな乗員配置を採用している。車体内部の構造としては、前方から順に、エンジン区画、操縦手席、砲塔、弾薬区画が設けられている。乗員区画は完全な与圧式CBRNE防護装置を備え、NBC兵器によって汚染された環境下でも行動可能である。

機動力

エンジン・変速機
SDAM-11は「MD-97」直列6気筒400馬力多燃料対応ディーゼルエンジンとオートマチックトランスミッションを一体化したパワーパックを車体前方に搭載している。「MD-97」エンジンは「中型車両向け高燃費汎用ディーゼルエンジン」として開発されたもので、2000年代に採用された第四インターナショナル連邦共和国地上軍の装輪装甲戦闘車両や大型トラックにおいて広範に使用されており、シンプルな構造で整備性や信頼性に優れている。パワーパックは20分間で交換することができる。このパワーパックによって、SDAM-11は舗装道路を時速100km以上の速度で走行することが可能である。装軌式の装甲戦闘車両と比較すると、燃費面で圧倒的に優れているのが特徴的で、燃料搭載量はおよそ500L程度であるのにも関わらず、航続距離は1000kmを超える。これにより、トレーラーや鉄道を利用せずとも迅速に戦域間を機動することが可能となっている。
サスペンション・タイヤ等
SDAM-11は8x8輪の装輪式装甲戦闘車両である。その足回りは、8x8輪の軍用オフロードトラックのコンポーネントを流用したものであり、部品の共通性は非常に高いものとなっている。駆動方式としては8輪駆動方式を採用しており、1~2個のタイヤが敵の攻撃で破損した場合でも問題なく走行することができる。操舵は前方の2軸4輪で行う。全車輪に装備されるランフラット・タイヤは、中央タイヤ圧制御装置によって空気圧を制御することができる。サスペンションとしては全輪でダブルウィッシュボーン式を採用し、各サスペンションは油圧式ショックアブソーバーも備えている。これにより、装輪装甲車特有の舗装路上での優れた走行性能に加え、ある程度の路外機動性能をも有している。
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