最終更新: kingzeputozeta 2024年06月25日(火) 14:44:55履歴
T-96主力戦車は、第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍地上軍が運用している主力戦車。1996年に、T-84主力戦車の後継として開発・採用された。第四インターナショナル連邦共和国が初めて開発した第3.5世代主力戦車であり、その設計はソビエト連邦のT-80Uやドイツのレオパルト2などを多分に参考にしているとされる。開発に際しては、従来のT-84が攻防性能確保のために重量が増大していき走破性能や整備性に悪影響を及ぼしたことを反省し、第四インターナショナル連邦共和国の比較的貧弱なインフラでも運用できるよう、輸送時重量40t以下、最大戦闘重量48t以下という厳しい重量制限が課され、なおかつ90年代の仮想敵国最新主力戦車に対抗可能な攻防性能(つまりT-84B型を上回る攻防性能)、ソビエト連邦のT-80Uと同程度の走破性能を実現することが要求された。
T-96主力戦車の開発開始は、T-84主力戦車の量産が開始された1985年に遡る。この時期、第四インターナショナル連邦共和国では諜報活動の成果として、仮想敵の主力戦車が予想を上回る水準の戦闘能力であり、さらにその改良型の開発が継続されていることを認識、T-84主力戦車の大幅な改良を継続することでこれに対処する方針を固めていた。T-84主力戦車の開発に際しては、当初は第四インターナショナル連邦共和国の貧弱なインフラやジャングル・湿地・山地などの悪地形を考慮して重量を48t、可能であれば45t以内に抑えることが要求されていたが、当時対米関係の改善による経済発展に伴い各地でのインフラ整備が進みつつあったこと、共和国北部地域の大部分には地面が固い砂漠が広がっていることなどを踏まえ、北部地域に配備される戦車に関しては55t程度まで重量が増大しても運用が可能であるとの見方が広がっていた。これにより、1989年に生産開始されたT-84B3以降の改良型では装甲材にタングステンが導入され、仮想敵の改良型第三世代主力戦車に比肩する攻防性能が確保された。
一方、アメリカとの関係改善と同時に、第四インターナショナル連邦共和国ではガルマニア帝国との関係の悪化が進行していた。特に1987年の人民解放軍によるパナマ侵攻は、ガルマニアとの間に大きな軍事的緊張をもたらすこととなった。ガルマニアでは当時軍の大規模な近代化が進行中であり、アメリカに匹敵する外洋海軍の建設が進められていたことから、従来軽視されてきた第四インターナショナル連邦共和国中南部ないしは東部の島嶼部への大規模着上陸というシナリオが現実味を帯びてきていた。しかしながら、タングステン装甲材の採用で重量が肥大化する見込みであったT-84主力戦車を中南部や島嶼部の湿地、ジャングル、山地等で運用することは非常に困難であり、前述した48tという重量制限を守りつつ、ガルマニア軍の改良型第三世代主力戦車に対抗可能な主力戦車の開発が必要となった。
開発は1987年に、各種試験は1989年に開始され、1994年に完了する計画であった。スピーディな開発の実現のため、各種コンポーネントについてはT-84など既存の主力戦車で採用されていたものを流用し、継戦能力を犠牲に車体を小型化しつつT-80などで採用されていた拘束セラミック式の複合装甲を採用することで大幅な軽量化を達成することが目指された。計画は概ね当初の予定通り進み、1993年には試作車の射撃試験が国営テレビで放送されるなど順調な開発がアピールされていたものの、経験の不足などから車間情報システムの開発に難航、結果として開発完了は1996年にずれ込んだ。1996年12月、ようやく各種の試験に合格した車両はT-96Aとして制式採用され、以降量産が開始された。
一方、アメリカとの関係改善と同時に、第四インターナショナル連邦共和国ではガルマニア帝国との関係の悪化が進行していた。特に1987年の人民解放軍によるパナマ侵攻は、ガルマニアとの間に大きな軍事的緊張をもたらすこととなった。ガルマニアでは当時軍の大規模な近代化が進行中であり、アメリカに匹敵する外洋海軍の建設が進められていたことから、従来軽視されてきた第四インターナショナル連邦共和国中南部ないしは東部の島嶼部への大規模着上陸というシナリオが現実味を帯びてきていた。しかしながら、タングステン装甲材の採用で重量が肥大化する見込みであったT-84主力戦車を中南部や島嶼部の湿地、ジャングル、山地等で運用することは非常に困難であり、前述した48tという重量制限を守りつつ、ガルマニア軍の改良型第三世代主力戦車に対抗可能な主力戦車の開発が必要となった。
開発は1987年に、各種試験は1989年に開始され、1994年に完了する計画であった。スピーディな開発の実現のため、各種コンポーネントについてはT-84など既存の主力戦車で採用されていたものを流用し、継戦能力を犠牲に車体を小型化しつつT-80などで採用されていた拘束セラミック式の複合装甲を採用することで大幅な軽量化を達成することが目指された。計画は概ね当初の予定通り進み、1993年には試作車の射撃試験が国営テレビで放送されるなど順調な開発がアピールされていたものの、経験の不足などから車間情報システムの開発に難航、結果として開発完了は1996年にずれ込んだ。1996年12月、ようやく各種の試験に合格した車両はT-96Aとして制式採用され、以降量産が開始された。
T-96の搭載する主砲「CT-96」は、T-76やT-84に搭載されていた「CT-80」をベースに改良を施した戦車砲である。徹甲弾、成形炸薬弾、榴弾、さらには対戦車ミサイルなどの多種多様な弾薬の発射に対応しており、口径が同じであるため、「CT-80」の砲弾を使用することもできる。
「CT-80」はソビエト連邦の2A26滑腔砲の欠陥を解決した傑作戦車砲であり、T-96開発当時の仮想敵国の戦車砲と比較しても遜色のない性能であった。しかし、48口径長の125mm滑腔砲である「CT-80」の砲身の長さは6mに達しており、このことはメキシコ北部の広大な砂漠や高原での機甲戦を主眼に置いたT-84では特に問題とされなかったものの、国土南部の熱帯雨林での戦闘をも想定したT-96の開発に際しては、主砲の長さを少しでも縮めて取り回しを改善することが要望された。また、T-96ではT-84B以上の攻防性能を確保しつつ5t以上軽量化することが要求されたことから、主砲そのものの軽量化や低反動化も必要と判断された。そこで「CT-96」の開発方針としては、新型マズルブレーキにより反動を軽減し、合わせて駐退復座機の最適化と小型化を図る方向性が採用された。
マズルブレーキについては、「CT-96」用に新型の多孔式マズルブレーキが開発され、これにより30~40%程度反動を軽減することに成功した。新型マズルブレーキによって駐退復座機が受け止めるべき反動が小さくなったこともあり、開発された新型駐退復座機では小型化と軽量化を実現できた他、砲身の搭載位置の工夫によって砲身の長さはそのまま、砲システム全体の長さを数十cm程度短縮することに成功した。この他の改善点としては、レーザー式の砲口照合装置が追加された。これは、砲基部からレーザーを照射し、主砲先端部側面に取り付けられたミラーに反射させ、砲身の歪みを検出する装置で、T-96ではFCSが熱などによる砲身の歪みを補正して射撃諸元を計算することが可能となった。
主砲は上下左右ともに電気式2軸安定化を受けているため、目標を追尾し続けることができる。後述する射撃管制システムと組み合わさって、従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦車と比較すると、遠距離の目標に対する射撃能力や、走行間射撃能力などの点で大幅に優越している。シルエットを小さくし、被発見率を下げる設計思想のため、砲塔の高さは低減されている。このため、砲の仰俯角は15~-5度までに制限されている。ただし、T-84では通常のトーションバー式サスペンションを採用していたのに対し、T-96では能動的な姿勢制御機能を備えたハイドロニューマチックサスペンションを採用しており、これを利用することで射撃可能な仰俯角を20~-10度に拡張することができる。
「CT-80」はソビエト連邦の2A26滑腔砲の欠陥を解決した傑作戦車砲であり、T-96開発当時の仮想敵国の戦車砲と比較しても遜色のない性能であった。しかし、48口径長の125mm滑腔砲である「CT-80」の砲身の長さは6mに達しており、このことはメキシコ北部の広大な砂漠や高原での機甲戦を主眼に置いたT-84では特に問題とされなかったものの、国土南部の熱帯雨林での戦闘をも想定したT-96の開発に際しては、主砲の長さを少しでも縮めて取り回しを改善することが要望された。また、T-96ではT-84B以上の攻防性能を確保しつつ5t以上軽量化することが要求されたことから、主砲そのものの軽量化や低反動化も必要と判断された。そこで「CT-96」の開発方針としては、新型マズルブレーキにより反動を軽減し、合わせて駐退復座機の最適化と小型化を図る方向性が採用された。
マズルブレーキについては、「CT-96」用に新型の多孔式マズルブレーキが開発され、これにより30~40%程度反動を軽減することに成功した。新型マズルブレーキによって駐退復座機が受け止めるべき反動が小さくなったこともあり、開発された新型駐退復座機では小型化と軽量化を実現できた他、砲身の搭載位置の工夫によって砲身の長さはそのまま、砲システム全体の長さを数十cm程度短縮することに成功した。この他の改善点としては、レーザー式の砲口照合装置が追加された。これは、砲基部からレーザーを照射し、主砲先端部側面に取り付けられたミラーに反射させ、砲身の歪みを検出する装置で、T-96ではFCSが熱などによる砲身の歪みを補正して射撃諸元を計算することが可能となった。
主砲は上下左右ともに電気式2軸安定化を受けているため、目標を追尾し続けることができる。後述する射撃管制システムと組み合わさって、従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦車と比較すると、遠距離の目標に対する射撃能力や、走行間射撃能力などの点で大幅に優越している。シルエットを小さくし、被発見率を下げる設計思想のため、砲塔の高さは低減されている。このため、砲の仰俯角は15~-5度までに制限されている。ただし、T-84では通常のトーションバー式サスペンションを採用していたのに対し、T-96では能動的な姿勢制御機能を備えたハイドロニューマチックサスペンションを採用しており、これを利用することで射撃可能な仰俯角を20~-10度に拡張することができる。
上述した通り、T-96の主砲の攻撃性能はT-84のそれと設計上はほぼ同等である。しかしながら、T-96では自動装填装置のレイアウトが変更されたことにより、特に徹甲弾について従来のものよりも弾芯が長いものを利用できるようになったため、実質的な攻撃性能は向上していると言える。T-96向けに新規開発された徹甲弾として、1996年から「PB-96」劣化ウラン合金製APFSDSが配備され始めた。
当初T-96の仮想敵とされた某国第3世代主力戦車は、砲塔正面において徹甲弾に対し均質圧延装甲換算650mmの防御力を発揮すると目されていた。T-96向け新型徹甲弾「PB-96」の開発に際しては、この仮想敵国第3世代主力戦車の砲塔正面装甲を貫通する能力が要求され、これに基づき「PB-96」の弾芯は重量4.9kg、直径24mm、全長735mm(L:D比は約31)の劣化ウラン弾芯とされた。弾芯は約3.1kgのケブラー製サボットと共に、7.6kgの装薬によって毎秒1690m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲680mmを貫通することができた。砲弾全体の重量は約20kgであった。
「PB-96」の開発に際しては、仮想敵国がコンタークト5のような徹甲弾に対しても有効な爆発反応装甲を導入しつつある状況を踏まえ、これを無効化するギミックが搭載されることとなった。APFSDSに対抗可能な爆発反応装甲は、APFSDSの侵徹体と同等の口径である20~40mm機関砲等の重金属製の徹甲弾などが直撃した際に誤って起爆することを防ぐため、衝撃波に対し相当低感度に設計されている。そこで、「PB-96」では、弾芯先端部に直径5mm程度の「ピン」を設け、着弾時にはこの「ピン」の部分から爆発反応装甲に触れることで、衝撃波の大きさを重金属製の弾芯を持つ機関砲向け徹甲弾と誤認させ、爆発反応装甲を起爆させずに貫徹することを目論んでいた。しかしながら、このギミックは確実性に欠けることが判明したため、改良型APFSDSの開発が進められた。
その後、仮想敵国の第3世代主力戦車の改修が進み、爆発反応装甲を装備する車両も増えたことから、2004年より「PB-96」に代わる新しい徹甲弾として「PB-04」劣化ウラン合金製APFSDSが配備され始めた。侵徹体は長さ870mm、直径26mm、重さ6.7kgで、アルミ合金製の風防・トレーサー、高強度鋼製の鞘、そして全長約790mmの劣化ウラン合金製のコアからなるハイブリッド方式となっている。「PB-04」では、従来の「ピン」による方法とは異なるアプローチで爆発反応装甲の無力化を図っており、まず劣化ウランに比べて低密度なアルミ合金製の風防と高強度鋼製の鞘が目標に着弾することで、衝撃波の大きさを重金属製の弾芯を持つ機関砲向け徹甲弾と誤認させ、爆発反応装甲を起爆させずに貫徹することを目論んでいる。侵徹体は約3kgのケブラー製サボットと共に、9.1kgの装薬によって毎秒1650m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲810mmを貫通することができた。砲弾全体の重量は約23kgであった。
その他の目標との交戦に備えて支給されていた弾薬としては、「APEA-91」多目的対戦車榴弾や、「APE-93」破片効果榴弾が挙げられる。なお、2010年代よりT-10向けの「APE-10」の大量配備が始まったことで、「APEA-91」や「APE-93」は徐々に代替されつつある。
「APEA-91」は、タンデム成形炸薬弾頭を備えた多目的成形炸薬弾である。タンデム成形炸薬弾とは、主弾頭の前に比較的小さな先駆弾頭を備えた形式の成形炸薬弾であり、まず先駆弾頭が敵の装甲に着弾することで、敵の一重の空間装甲や爆発反応装甲を無力化、その後主弾頭の突入により敵の主装甲を貫通することができる。これにより「APEA-91」を使用すれば距離に関わらず垂直な均質圧延装甲約600mmを貫通することができた。そして「APEA-91」では多目的の名の通り、メタルジェット形成を阻害しない位置にペレット等を配置、爆発と同時に周囲に破片を飛散させることで、ソフトスキンに対してもある程度の殺傷効果を期待できた。
「APE-93」は、ソフトスキンとの交戦を想定した破片効果榴弾である。主に歩兵支援や対戦車班の排除を目的としていた。着発信管のみならず時限信管も備えるのが特徴で、この時限信管はレーザー測距装置と連動しており、目標までの距離を測定するとその地点に到達するまでかかる時間が自動で計算・入力され、これにより目標上空で自爆して曳火射撃を行うことができる機能を備えていた。さらには、レーザー近接信管をも内蔵しており、ヘリコプターや無人機などに対し対空砲のように自衛の範囲で射撃することも可能であった。
「APE-10」は、従来の多目的対戦車榴弾および破片効果榴弾を代替する多目的榴弾である。敵の対戦車班のような軟目標から、装甲車やコンクリートトーチカのような硬目標まであらゆる目標と交戦し撃破する能力を有する砲弾であり、低感度爆薬・プログラマブル&マルチモード信管を備えることでこの特性を実現している。「APE-10」は炸薬に「EAPI(低感度高威力爆薬)」を使用している。この炸薬は、爆轟の威力は従来の炸薬と同等以上としながら、弾頭部分を12.7mm弾で射撃しても起爆しないほど感度を低下させている。「APE-10」に装着される「FPM(プログラマブル&マルチモード信管)」は、この炸薬の特性を最大限に活かすことができる。この信管は、「マルチモード」の名の通り、着発の他、遅延、時限、近接の計4モードで動作することができる。信管の動作モードや詳細設定は砲手席のディスプレイで変更可能で、入力情報は発射前に電気信号で伝達され、信管が調整される。
遅延信管モードは、装甲車やトーチカなどの硬目標に対して射撃する際に使用される。着弾からわずかに遅延して起爆することで、目標内部に致命的なダメージを与える。
時限信管モードは、いわゆる「蛸壺」の中に隠れたソフトスキンなどに対する曳火射撃を行う際に使用される。このモードを選択した状態でレーザー測距装置で目標までの距離を測定すると、砲手がボタンを押すだけで自動で起爆までの時間が設定される。
近接信管モードは、ヘリコプターやドローンなどの空中目標に対して射撃する際に使用される。レーザーによって空中目標への接近を検知し、一定距離内に接近すると自動で起爆する。
「APE-10」は、1400m/sという榴弾としてはかなりの高初速で発射されるため、炸薬の炸裂で生成される破片の速度よりも砲弾自体の速度が上回り、見かけ上全ての破片が前方に飛翔するため、キャニスター弾のような運用も可能である。
当初T-96の仮想敵とされた某国第3世代主力戦車は、砲塔正面において徹甲弾に対し均質圧延装甲換算650mmの防御力を発揮すると目されていた。T-96向け新型徹甲弾「PB-96」の開発に際しては、この仮想敵国第3世代主力戦車の砲塔正面装甲を貫通する能力が要求され、これに基づき「PB-96」の弾芯は重量4.9kg、直径24mm、全長735mm(L:D比は約31)の劣化ウラン弾芯とされた。弾芯は約3.1kgのケブラー製サボットと共に、7.6kgの装薬によって毎秒1690m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲680mmを貫通することができた。砲弾全体の重量は約20kgであった。
「PB-96」の開発に際しては、仮想敵国がコンタークト5のような徹甲弾に対しても有効な爆発反応装甲を導入しつつある状況を踏まえ、これを無効化するギミックが搭載されることとなった。APFSDSに対抗可能な爆発反応装甲は、APFSDSの侵徹体と同等の口径である20~40mm機関砲等の重金属製の徹甲弾などが直撃した際に誤って起爆することを防ぐため、衝撃波に対し相当低感度に設計されている。そこで、「PB-96」では、弾芯先端部に直径5mm程度の「ピン」を設け、着弾時にはこの「ピン」の部分から爆発反応装甲に触れることで、衝撃波の大きさを重金属製の弾芯を持つ機関砲向け徹甲弾と誤認させ、爆発反応装甲を起爆させずに貫徹することを目論んでいた。しかしながら、このギミックは確実性に欠けることが判明したため、改良型APFSDSの開発が進められた。
その後、仮想敵国の第3世代主力戦車の改修が進み、爆発反応装甲を装備する車両も増えたことから、2004年より「PB-96」に代わる新しい徹甲弾として「PB-04」劣化ウラン合金製APFSDSが配備され始めた。侵徹体は長さ870mm、直径26mm、重さ6.7kgで、アルミ合金製の風防・トレーサー、高強度鋼製の鞘、そして全長約790mmの劣化ウラン合金製のコアからなるハイブリッド方式となっている。「PB-04」では、従来の「ピン」による方法とは異なるアプローチで爆発反応装甲の無力化を図っており、まず劣化ウランに比べて低密度なアルミ合金製の風防と高強度鋼製の鞘が目標に着弾することで、衝撃波の大きさを重金属製の弾芯を持つ機関砲向け徹甲弾と誤認させ、爆発反応装甲を起爆させずに貫徹することを目論んでいる。侵徹体は約3kgのケブラー製サボットと共に、9.1kgの装薬によって毎秒1650m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲810mmを貫通することができた。砲弾全体の重量は約23kgであった。
その他の目標との交戦に備えて支給されていた弾薬としては、「APEA-91」多目的対戦車榴弾や、「APE-93」破片効果榴弾が挙げられる。なお、2010年代よりT-10向けの「APE-10」の大量配備が始まったことで、「APEA-91」や「APE-93」は徐々に代替されつつある。
「APEA-91」は、タンデム成形炸薬弾頭を備えた多目的成形炸薬弾である。タンデム成形炸薬弾とは、主弾頭の前に比較的小さな先駆弾頭を備えた形式の成形炸薬弾であり、まず先駆弾頭が敵の装甲に着弾することで、敵の一重の空間装甲や爆発反応装甲を無力化、その後主弾頭の突入により敵の主装甲を貫通することができる。これにより「APEA-91」を使用すれば距離に関わらず垂直な均質圧延装甲約600mmを貫通することができた。そして「APEA-91」では多目的の名の通り、メタルジェット形成を阻害しない位置にペレット等を配置、爆発と同時に周囲に破片を飛散させることで、ソフトスキンに対してもある程度の殺傷効果を期待できた。
「APE-93」は、ソフトスキンとの交戦を想定した破片効果榴弾である。主に歩兵支援や対戦車班の排除を目的としていた。着発信管のみならず時限信管も備えるのが特徴で、この時限信管はレーザー測距装置と連動しており、目標までの距離を測定するとその地点に到達するまでかかる時間が自動で計算・入力され、これにより目標上空で自爆して曳火射撃を行うことができる機能を備えていた。さらには、レーザー近接信管をも内蔵しており、ヘリコプターや無人機などに対し対空砲のように自衛の範囲で射撃することも可能であった。
「APE-10」は、従来の多目的対戦車榴弾および破片効果榴弾を代替する多目的榴弾である。敵の対戦車班のような軟目標から、装甲車やコンクリートトーチカのような硬目標まであらゆる目標と交戦し撃破する能力を有する砲弾であり、低感度爆薬・プログラマブル&マルチモード信管を備えることでこの特性を実現している。「APE-10」は炸薬に「EAPI(低感度高威力爆薬)」を使用している。この炸薬は、爆轟の威力は従来の炸薬と同等以上としながら、弾頭部分を12.7mm弾で射撃しても起爆しないほど感度を低下させている。「APE-10」に装着される「FPM(プログラマブル&マルチモード信管)」は、この炸薬の特性を最大限に活かすことができる。この信管は、「マルチモード」の名の通り、着発の他、遅延、時限、近接の計4モードで動作することができる。信管の動作モードや詳細設定は砲手席のディスプレイで変更可能で、入力情報は発射前に電気信号で伝達され、信管が調整される。
遅延信管モードは、装甲車やトーチカなどの硬目標に対して射撃する際に使用される。着弾からわずかに遅延して起爆することで、目標内部に致命的なダメージを与える。
時限信管モードは、いわゆる「蛸壺」の中に隠れたソフトスキンなどに対する曳火射撃を行う際に使用される。このモードを選択した状態でレーザー測距装置で目標までの距離を測定すると、砲手がボタンを押すだけで自動で起爆までの時間が設定される。
近接信管モードは、ヘリコプターやドローンなどの空中目標に対して射撃する際に使用される。レーザーによって空中目標への接近を検知し、一定距離内に接近すると自動で起爆する。
「APE-10」は、1400m/sという榴弾としてはかなりの高初速で発射されるため、炸薬の炸裂で生成される破片の速度よりも砲弾自体の速度が上回り、見かけ上全ての破片が前方に飛翔するため、キャニスター弾のような運用も可能である。
T-96の自動装填装置は、ベルトコンベアによる次弾装填方式を採用している。自動装填装置のマガジンは砲塔後部にあり、ここには14発が搭載可能である。この他、車体に砲弾16発分を搭載するスペースが設けられている。自動装填装置は5秒で次弾を装填する能力があり、毎分最大12発という高い速度で砲弾を発射することができる。自動装填装置のマガジンと弾薬搭載スペースは誘爆を防ぐため、弾片防止ライナーを装備している他、引火を防ぐため、高感度火災検知器と自動消火装置が装備されている。特に、乗員の生存性向上のために自動装填装置のマガジンにはブローオフパネルが設けられており、誘爆時に爆風を外側に逃がすことで乗員に被害が及ばないように設計されている。これは第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍地上軍の主力戦車としては初めての取り組みであり、同国軍が「量から質へ」の転換を図っていることの証左でもある。
T-76やT-84では125mm砲弾を最大42発携行することが出来たのに対し、T-96では最大でも30発しか携行することができず、このような継戦能力の低さはT-96のカタログスペック上の弱点の1つである。T-96では軽量化のため車体の小型化が行われており、これによる車内容積の低下が弾薬の搭載スペースの減少を招いている。しかし、車体を小型化することでT-96は、T-84後期型と同等水準以上の攻防性能を確保しつつ数トン以上も軽量化することに成功しており、結果としてT-84後期型と比較して第四インターナショナル連邦共和国の中南部や島嶼部などインフラが貧弱な地域においても運用が容易となっている。そもそも運用できない戦車にいくら弾薬が積んであっても仕方のないことであり、T-96の継戦能力の相対的な低さは、想定戦域における運用の容易さと必要な攻防性能を確保するためのトレードオフという側面が強い。さらに言えば、T-96では従来と異なるベルトコンベア式自動装填装置が採用され、徹甲弾の弾芯長を従来よりも長く取ることが可能になっており、T-84以前の戦車と比較すると搭載される弾薬の「質」を高めることができる。
T-76やT-84では125mm砲弾を最大42発携行することが出来たのに対し、T-96では最大でも30発しか携行することができず、このような継戦能力の低さはT-96のカタログスペック上の弱点の1つである。T-96では軽量化のため車体の小型化が行われており、これによる車内容積の低下が弾薬の搭載スペースの減少を招いている。しかし、車体を小型化することでT-96は、T-84後期型と同等水準以上の攻防性能を確保しつつ数トン以上も軽量化することに成功しており、結果としてT-84後期型と比較して第四インターナショナル連邦共和国の中南部や島嶼部などインフラが貧弱な地域においても運用が容易となっている。そもそも運用できない戦車にいくら弾薬が積んであっても仕方のないことであり、T-96の継戦能力の相対的な低さは、想定戦域における運用の容易さと必要な攻防性能を確保するためのトレードオフという側面が強い。さらに言えば、T-96では従来と異なるベルトコンベア式自動装填装置が採用され、徹甲弾の弾芯長を従来よりも長く取ることが可能になっており、T-84以前の戦車と比較すると搭載される弾薬の「質」を高めることができる。
当初T-96では、砲塔上部には12.7x99mm弾を使用するAme-98重機関銃、主砲同軸には6.98x57mm弾を使用するAme-73汎用機関銃を搭載していた。それぞれ装弾数は300発と1500発だった。
その後近代化改修を受けたT-96では、砲塔上部にユニバーサルタレットシステムという名称で開発されたRWS(リモートウェポンステーション)を搭載した。通常、ここには12.7×99mm弾を使用するAme-98重機関銃または40×55mm弾を使用するLGA-96グレネードランチャーが搭載されることとなっていた。近代化改修を受けたT-96のRWSは車長用サイトと統合されていたため、照準には後述する高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置を利用できた。
その後近代化改修を受けたT-96では、砲塔上部にユニバーサルタレットシステムという名称で開発されたRWS(リモートウェポンステーション)を搭載した。通常、ここには12.7×99mm弾を使用するAme-98重機関銃または40×55mm弾を使用するLGA-96グレネードランチャーが搭載されることとなっていた。近代化改修を受けたT-96のRWSは車長用サイトと統合されていたため、照準には後述する高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置を利用できた。
敵車両に対する直接的な索敵のためのセンサーとしては、車長用サイト及び砲手用サイトが使用される。
車長用パノラマサイトと砲手用サイトはどちらも砲塔上部に取り付けられており、高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置が統合されていた。車長用サイト及び砲手用サイトの熱線映像装置の戦車大サイズの目標に対する検出範囲は3500m、識別範囲は2500m程度だった。車長用サイトの熱線映像装置は倍率2倍と8倍を、砲手用サイトの熱線映像装置は倍率4倍と16倍を切り替えることができた。これにより、T-96では全天候下においてハンターキラー能力を発揮することが可能となった。車長用サイトにはオーバーライド照準機能も用意されており、砲手が目標を照準している間に、車長がより排除の優先度が高い別の目標を発見した場合などに、車長用サイトで捉えた目標を照準させることが可能となった。さらには、熱線映像装置上の熱源集中部の角速度から目標の未来位置を予測し自動追尾を行うことで、ボタン1つで目標を自動ロックオンする機能も用意されていた。
2007年から配備が始まった改修型T-96Bでは、砲手用サイトと車長用サイトが換装され、レーザー測距装置と熱線映像装置が大幅に改良された。これにより、レーザー測距装置は最大10000mまでの測距に対応、熱線映像装置も装甲戦闘車両に対する検出範囲は5000m、識別範囲は3500mまで拡大するなど、大幅な性能向上が達成された。さらに、自動ロックオン機能についても性能向上が行われた。追尾目標として熱源集中部のみならず、可視光カメラによる車両形状の識別を併用、その上で追尾点のばらつきが小さい方を適宜選択し続けることで、従来よりも高い追尾能力を確保した。さらに、新たに操縦手用に車体前後に熱線映像装置が追加され、夜間においても安全な操縦が可能となった。
T-96Bでは、車長席と砲手席のディスプレイ上で、後述するデータリンクシステムを含めたあらゆるシステムで取得した目標の情報についてエキスパートシステムが3段階で脅威度を判定し、脅威度・撃破優先度順に並べる機能が追加された。脅威度の判定基準としては、脅威度Aが「自車を撃破しうる火力を有し、なおかつ戦闘準備を整えている目標」、脅威度Bが「自車を撃破しうる火力を有するが、戦闘準備を整えていない目標」、脅威度Cがその他の目標とされている。なお、敵の指揮車両、通信車両など戦術上重要な目標については、脅威度Aの目標と同等の撃破優先度を与えられている他、小隊長車や中隊長車が優先的に撃破するように指示した目標については撃破優先度が上書きされる。
車長用パノラマサイトと砲手用サイトはどちらも砲塔上部に取り付けられており、高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置が統合されていた。車長用サイト及び砲手用サイトの熱線映像装置の戦車大サイズの目標に対する検出範囲は3500m、識別範囲は2500m程度だった。車長用サイトの熱線映像装置は倍率2倍と8倍を、砲手用サイトの熱線映像装置は倍率4倍と16倍を切り替えることができた。これにより、T-96では全天候下においてハンターキラー能力を発揮することが可能となった。車長用サイトにはオーバーライド照準機能も用意されており、砲手が目標を照準している間に、車長がより排除の優先度が高い別の目標を発見した場合などに、車長用サイトで捉えた目標を照準させることが可能となった。さらには、熱線映像装置上の熱源集中部の角速度から目標の未来位置を予測し自動追尾を行うことで、ボタン1つで目標を自動ロックオンする機能も用意されていた。
2007年から配備が始まった改修型T-96Bでは、砲手用サイトと車長用サイトが換装され、レーザー測距装置と熱線映像装置が大幅に改良された。これにより、レーザー測距装置は最大10000mまでの測距に対応、熱線映像装置も装甲戦闘車両に対する検出範囲は5000m、識別範囲は3500mまで拡大するなど、大幅な性能向上が達成された。さらに、自動ロックオン機能についても性能向上が行われた。追尾目標として熱源集中部のみならず、可視光カメラによる車両形状の識別を併用、その上で追尾点のばらつきが小さい方を適宜選択し続けることで、従来よりも高い追尾能力を確保した。さらに、新たに操縦手用に車体前後に熱線映像装置が追加され、夜間においても安全な操縦が可能となった。
T-96Bでは、車長席と砲手席のディスプレイ上で、後述するデータリンクシステムを含めたあらゆるシステムで取得した目標の情報についてエキスパートシステムが3段階で脅威度を判定し、脅威度・撃破優先度順に並べる機能が追加された。脅威度の判定基準としては、脅威度Aが「自車を撃破しうる火力を有し、なおかつ戦闘準備を整えている目標」、脅威度Bが「自車を撃破しうる火力を有するが、戦闘準備を整えていない目標」、脅威度Cがその他の目標とされている。なお、敵の指揮車両、通信車両など戦術上重要な目標については、脅威度Aの目標と同等の撃破優先度を与えられている他、小隊長車や中隊長車が優先的に撃破するように指示した目標については撃破優先度が上書きされる。
T-96では、「SIIV」というC4I・データリンクシステムが導入された。「SIIV」は、「"S"istema de "I"nformación "I"nter"v"ehicular」を縮めたもので、これはスペイン語で「車両間情報システム」を意味する。「SIIV」の運用のため、T-96は専用の無線機、衛星測位端末、大型のカラーディスプレイを搭載しており、これらベトロニクスによる発電所要に対応できるようにするためにAPU(補助動力装置)も砲塔後部に設置された。「SIIV」は大隊以下の階梯で利用されるシステムであり、大隊に所属する全ての車両は自己位置と敵の位置を共通戦術状況図上で共有することが可能となった。
2007年から配備が始まった改修型のT-96Bは、より発展的なC4I・データリンクシステムを装備した車両となった。T-96Bでは、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」と呼ばれるソフトウェア無線機を搭載している。「SRTC(統合戦術無線システム)」は、地上軍が従来利用してきた戦略階梯、作戦階梯、戦術階梯のあらゆる無線機をまとめて代替するために開発されたもので、HF、VHF、UHFでの通信に対応している。また「SRTC-PV」は音声通信とデータ通信の両方の機能を同時に使用することも可能となっている。「SRTC-PV」を搭載したT-96では、近距離射撃指揮システム、火力戦闘指揮システム、旅団戦闘指揮統制システムなどの各種サービスにアクセスできる。従来のT-96が搭載していた「SIIV」では、データリンクシステムで目標情報などを共有するには車長が戦術共通状況図に手動で位置情報や種別を入力する必要があったが、「SRTC-PV」を搭載し、またFCSを対応する機種に換装したT-96Bでは、敵車両の発見と同時にボタンを押すだけでその位置が自動で入力されるようになっている。
近距離射撃指揮システムは、中隊以下の階梯で利用される共通射撃指揮図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。主力戦車や歩兵戦闘車を装備した中隊において、中隊内の全ての他の車両との間で、各車両のセンサー情報等を射撃管制に使用可能なサブ秒単位での精度を保ったまま共有することができる。共有できる情報には、友軍車両の位置、判明している敵の種別、敵の位置・移動方向・移動速度、各車両の視認している範囲、詳細が判明していない敵に関する警戒情報、敵に対して使用した弾種と射撃の効果判定などの様々な情報が含まれている。このシステムを利用することで、エキスパートシステムの補助に基づく部隊指揮官による個々の目標の脅威度評価と部隊内への認識の共有、部隊内の各車両への自動での攻撃目標割り当て、部隊指揮官によるオーバーライド照準やオーバーライド射撃、部隊内の僚車同士で援護しながらの戦闘機動などに利用することが可能である。これにより無線連絡等による従来方式よりも格段に高速で交戦中の部隊内における意思の統一と認識の共有を可能とし、また効率的な索敵と目標撃破を可能とする。
火力戦闘指揮システムは、各階梯において効果的な火力支援を実現することを目的としたC4I・データリンクシステムである。各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯が存在)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の観測班、無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(センサー)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、対戦車ミサイルなどの各種攻撃手段(シューター)を結合する。高い防御力による優れた生存性に加え、高度なベトロニクスによる非常に優れた索敵能力および通信能力を持つT-96は、当該システムにおいて優秀なセンサーとして働くことができる。「SRTC-PV」が導入された戦車中隊、装甲歩兵中隊、機動歩兵中隊などにおいては、全ての車両で当該システムにアクセスすることが可能となったため、従来各中隊に1両配属されていた専任の前進観測車は廃止された。
旅団戦闘指揮システムは、旅団以下の階梯で利用される共通戦術状況図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。索敵システムと連接され、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の司令部に配備されるラップトップ端末、大隊司令部及び旅団司令部に配備される大型スクリーン及び情報処理装置を用い、敵味方の各部隊や車両などの位置を共通戦術状況図でニア・リアルタイムに共有することができる。基本的には自動車化狙撃部隊と戦車部隊で運用され、友軍車両や部隊の位置、判明している敵の種別と位置と脅威度、判明していない敵に関する警戒情報などについて、秒単位で情報が更新されて表示される。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。指揮官は共通戦術状況図に表示された各部隊の情報および彼我の位置関係や戦力差に基づき、エキスパートシステムの支援を受けて戦闘計画を立案し、このシステムを通じて隷下の部隊に企図を伝達する。
2007年から配備が始まった改修型のT-96Bは、より発展的なC4I・データリンクシステムを装備した車両となった。T-96Bでは、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」と呼ばれるソフトウェア無線機を搭載している。「SRTC(統合戦術無線システム)」は、地上軍が従来利用してきた戦略階梯、作戦階梯、戦術階梯のあらゆる無線機をまとめて代替するために開発されたもので、HF、VHF、UHFでの通信に対応している。また「SRTC-PV」は音声通信とデータ通信の両方の機能を同時に使用することも可能となっている。「SRTC-PV」を搭載したT-96では、近距離射撃指揮システム、火力戦闘指揮システム、旅団戦闘指揮統制システムなどの各種サービスにアクセスできる。従来のT-96が搭載していた「SIIV」では、データリンクシステムで目標情報などを共有するには車長が戦術共通状況図に手動で位置情報や種別を入力する必要があったが、「SRTC-PV」を搭載し、またFCSを対応する機種に換装したT-96Bでは、敵車両の発見と同時にボタンを押すだけでその位置が自動で入力されるようになっている。
近距離射撃指揮システムは、中隊以下の階梯で利用される共通射撃指揮図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。主力戦車や歩兵戦闘車を装備した中隊において、中隊内の全ての他の車両との間で、各車両のセンサー情報等を射撃管制に使用可能なサブ秒単位での精度を保ったまま共有することができる。共有できる情報には、友軍車両の位置、判明している敵の種別、敵の位置・移動方向・移動速度、各車両の視認している範囲、詳細が判明していない敵に関する警戒情報、敵に対して使用した弾種と射撃の効果判定などの様々な情報が含まれている。このシステムを利用することで、エキスパートシステムの補助に基づく部隊指揮官による個々の目標の脅威度評価と部隊内への認識の共有、部隊内の各車両への自動での攻撃目標割り当て、部隊指揮官によるオーバーライド照準やオーバーライド射撃、部隊内の僚車同士で援護しながらの戦闘機動などに利用することが可能である。これにより無線連絡等による従来方式よりも格段に高速で交戦中の部隊内における意思の統一と認識の共有を可能とし、また効率的な索敵と目標撃破を可能とする。
火力戦闘指揮システムは、各階梯において効果的な火力支援を実現することを目的としたC4I・データリンクシステムである。各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯が存在)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の観測班、無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(センサー)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、対戦車ミサイルなどの各種攻撃手段(シューター)を結合する。高い防御力による優れた生存性に加え、高度なベトロニクスによる非常に優れた索敵能力および通信能力を持つT-96は、当該システムにおいて優秀なセンサーとして働くことができる。「SRTC-PV」が導入された戦車中隊、装甲歩兵中隊、機動歩兵中隊などにおいては、全ての車両で当該システムにアクセスすることが可能となったため、従来各中隊に1両配属されていた専任の前進観測車は廃止された。
旅団戦闘指揮システムは、旅団以下の階梯で利用される共通戦術状況図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。索敵システムと連接され、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の司令部に配備されるラップトップ端末、大隊司令部及び旅団司令部に配備される大型スクリーン及び情報処理装置を用い、敵味方の各部隊や車両などの位置を共通戦術状況図でニア・リアルタイムに共有することができる。基本的には自動車化狙撃部隊と戦車部隊で運用され、友軍車両や部隊の位置、判明している敵の種別と位置と脅威度、判明していない敵に関する警戒情報などについて、秒単位で情報が更新されて表示される。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。指揮官は共通戦術状況図に表示された各部隊の情報および彼我の位置関係や戦力差に基づき、エキスパートシステムの支援を受けて戦闘計画を立案し、このシステムを通じて隷下の部隊に企図を伝達する。
T-96の射撃管制システムは、32ビットの弾道コンピュータに各種センサーを連接させた形で構成される。射撃管制システムはプログラムとして実装されているため、将来の能力向上が容易で、弾道性能の異なる弾薬を導入する場合でもスムーズに対応させることができる。弾道コンピュータには、レーザー測距装置、光ファイバージャイロを利用した傾斜測定装置、砲口照合装置、風向・風速計、気温・気圧計、装薬温度計、T-96Bではこれらに加えて「SRTC-PV」データリンク端末など、各種のセンサーが接続されており、これらの入力諸元から弾道計算コンピュータが目標に命中させるのに必要な各種要素を計算し、照準装置に入力する。照準の際は、高解像度カメラによる目標のイメージングと、データベースを組み合わせ、正確に目標の弱点部位を狙う。また、射撃後は弾薬データリンクなども用いて、砲弾の正確な着弾位置を計測し、効果判定を行う。前述した砲安定化装置と合わせることで、T-96は走行間射撃などが可能である。試験では、2000m先の移動目標に対し走行間射撃を行い、次弾命中率ほぼ100%を記録している。
T-96でも砲塔正面と車体正面においてT-84と同様のモジュール装甲システムが採用されている。しかし、T-84のモジュール装甲の内部が複数層の高強度鋼などからなる多層式中空装甲(T-84B3以降ではタングステン装甲板を含む)方式であったのに対し、T-96ではより重量当たりの防御効率に優れた拘束セラミック方式を採用しており、これにより軽量化と防御力向上を両立させることに成功している。車体がT-84と比較して小型化されたこともあり、全てのモジュール装甲を取り外した時の重量は40t、モジュール装甲を全て装着した場合の最大戦闘重量は48tに収まっており、これにより第四インターナショナル連邦共和国の中南部や島嶼部のインフラにおいても運用が容易となっている。
T-96の複合装甲モジュールは、ソビエト連邦から試験用に輸入したT-80Uの複合装甲を参考に開発したものであり、セラミックとしては炭化ケイ素(SiC)系が利用されている。各モジュール内にはチタン製の「セル」が蜂の巣状に並んでおり、このセルの中に圧縮応力をかけた状態の炭化ケイ素が封入されている。APFSDSの侵徹体やHEATのメタルジェットが侵入してきた場合、非常に硬く高温にも強いセラミックが割れることにより衝撃を受け止め、装甲の貫通に利用されるエネルギーを減衰させる。単なる一枚板のセラミック装甲板の場合、どこかの部分に被弾して装甲板が割れると次弾以降への防御力が急速に下がるのに対し、チタン製のセルによって各々のセラミックを区切る形式のT-96の複合装甲では、もちろん侵徹体の貫通力にもよるが、複数回の被弾に抗堪しうる。T-96の砲塔正面と車体正面装甲に搭載されたモジュール装甲は、同等防御力の均質圧延装甲の三分の一程度の重量、同程度の体積となっており、運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で700~750mm相当の防御力を発揮することができる。
側面装甲については、至近距離から発射された30mm機関砲のAPFSDSやRPG-7に貫通されない程度の防御力を有しており、運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で100mm以上、化学エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で500mm以上の防御力を有する。砲塔上面装甲は、152mm榴弾の直撃や、対戦車ロケット弾がまき散らす直径数十mmの対戦車クラスター子弾の直撃に抗堪可能とされている。ただし、本格的なトップアタック能力を備えた対戦車ミサイルの攻撃に抗堪するだけの性能は有していない。トップアタック能力を備えた対戦車ミサイルに対しては、後述する爆発反応装甲やアクティブ防御システムで対抗することとされている。
T-96の複合装甲モジュールは、ソビエト連邦から試験用に輸入したT-80Uの複合装甲を参考に開発したものであり、セラミックとしては炭化ケイ素(SiC)系が利用されている。各モジュール内にはチタン製の「セル」が蜂の巣状に並んでおり、このセルの中に圧縮応力をかけた状態の炭化ケイ素が封入されている。APFSDSの侵徹体やHEATのメタルジェットが侵入してきた場合、非常に硬く高温にも強いセラミックが割れることにより衝撃を受け止め、装甲の貫通に利用されるエネルギーを減衰させる。単なる一枚板のセラミック装甲板の場合、どこかの部分に被弾して装甲板が割れると次弾以降への防御力が急速に下がるのに対し、チタン製のセルによって各々のセラミックを区切る形式のT-96の複合装甲では、もちろん侵徹体の貫通力にもよるが、複数回の被弾に抗堪しうる。T-96の砲塔正面と車体正面装甲に搭載されたモジュール装甲は、同等防御力の均質圧延装甲の三分の一程度の重量、同程度の体積となっており、運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で700~750mm相当の防御力を発揮することができる。
側面装甲については、至近距離から発射された30mm機関砲のAPFSDSやRPG-7に貫通されない程度の防御力を有しており、運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で100mm以上、化学エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で500mm以上の防御力を有する。砲塔上面装甲は、152mm榴弾の直撃や、対戦車ロケット弾がまき散らす直径数十mmの対戦車クラスター子弾の直撃に抗堪可能とされている。ただし、本格的なトップアタック能力を備えた対戦車ミサイルの攻撃に抗堪するだけの性能は有していない。トップアタック能力を備えた対戦車ミサイルに対しては、後述する爆発反応装甲やアクティブ防御システムで対抗することとされている。
追加装甲としては、砲塔正面に楔形の空間装甲が、車体正面、車体側面、砲塔正面、砲塔側面、砲塔上面、サイドスカートを対象に、爆発反応装甲が用意されている。楔形空間装甲は主装甲の防御性能を補完しさらに高める役割を持つ。爆発反応装甲は、対戦車擲弾や対戦車ミサイルといった非対称な兵器に対する経済的な防御手段として用意されている。爆発反応装甲としては、比較的軽量で成形炸薬弾対策を主眼に置いた「BR-09」と、運動エネルギー弾に対しても効果を発揮できる「BR-10」の2種類が用意されている。これらの爆発反応装甲は、素の装甲および増加装甲両方の上側に取り付けることができ、またタンデム弾頭に対応するため積層構造とすることもできる。この他、旧式の「BR-92」などについても装着自体は可能とされているが、「BR-92」を搭載していることが視覚的に確認されたT-96は1両もない。
T-96の砲塔正面に追加される楔形空間装甲は、2層の高強度鋼板で構成されている。これは、成形炸薬弾のみならず、徹甲弾に対しても効果的な装甲となっている。現代の戦車から発射されるAPFSDSは貫通力を高めるために長大な弾芯を採用しているが、これにより外部から物理的力によって干渉を受けやすくなっている。そこでこの楔形空間装甲は、1層目で弾芯に僅かな離軸角を生じさせ、2層目でその離軸角をさらに増大させることで、主装甲に対し最適な角度で弾芯が着弾できないよう妨害する効果を有する。主装甲に対し垂直ではなく斜めに進入した弾芯は、最大の貫通力を発揮できないばかりか、着弾時の衝撃により破砕されやすくなる。主装甲と組み合わせることで、T-96の砲塔正面は運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で850~900mm相当の防御力を発揮することができる。
この楔形空間装甲の上から「BR-09」や「BR-10」といった爆発反応装甲を装着することも可能である。T-96の砲塔正面の主装甲は垂直に切り立っている一方で、爆発反応装甲は飛翔体の進行方向と30度程度の鋭角で衝突した場合に最大の効果を発揮することができる。このため、この楔形空間装甲の上からさらに爆発反応装甲を装備することで、敵の攻撃に対し最大の防御効果を発揮できる。
「BR-09」は歩兵戦闘車などの比較的軽量な車両から、主力戦車まで、あらゆる装甲車両に搭載することを目的とした成形炸薬弾対策用の爆発反応装甲であり、簡易な構造で、軽量であることが特徴である。成形炸薬弾に対してはモジュール1つにつき均質圧延装甲換算で250~300mmの防御力を発揮でき、また複数のモジュールを重ねることでタンデム弾頭に対しても対抗できるとされる。従来の爆発反応装甲と比較すると、爆発体が完全に密閉されているためメンテナンスフリーとなっているのが特徴で、設計寿命も2倍となっている。
「BR-10」は主力戦車に搭載することを目的とした成形炸薬弾および運動エネルギー弾対策用の爆発反応装甲であり、自己鍛造弾が内蔵されている。着弾を検知すると、自己鍛造弾が打ち出され、APFSDSに対しては細長い弾芯を切断、また化学エネルギー弾に対してはメタルジェットの収束を妨害する。これにより化学エネルギー弾に対しては90%以上、運動エネルギー弾に対しても50%以上貫徹力を減衰させられる。また、「BR-10」は複数層重ねて配置できるため、タンデム弾頭の化学エネルギー弾に対しても対抗可能で、また、従来の爆発反応装甲よりも角度による不発のリスクなどが低いとされている。「BR-09」と同様、爆発体が完全に密閉されているため、メンテナンス性にも優れている。
これらの追加装甲を全て装備した場合、重量はおよそ3t増加する。
T-96の砲塔正面に追加される楔形空間装甲は、2層の高強度鋼板で構成されている。これは、成形炸薬弾のみならず、徹甲弾に対しても効果的な装甲となっている。現代の戦車から発射されるAPFSDSは貫通力を高めるために長大な弾芯を採用しているが、これにより外部から物理的力によって干渉を受けやすくなっている。そこでこの楔形空間装甲は、1層目で弾芯に僅かな離軸角を生じさせ、2層目でその離軸角をさらに増大させることで、主装甲に対し最適な角度で弾芯が着弾できないよう妨害する効果を有する。主装甲に対し垂直ではなく斜めに進入した弾芯は、最大の貫通力を発揮できないばかりか、着弾時の衝撃により破砕されやすくなる。主装甲と組み合わせることで、T-96の砲塔正面は運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で850~900mm相当の防御力を発揮することができる。
この楔形空間装甲の上から「BR-09」や「BR-10」といった爆発反応装甲を装着することも可能である。T-96の砲塔正面の主装甲は垂直に切り立っている一方で、爆発反応装甲は飛翔体の進行方向と30度程度の鋭角で衝突した場合に最大の効果を発揮することができる。このため、この楔形空間装甲の上からさらに爆発反応装甲を装備することで、敵の攻撃に対し最大の防御効果を発揮できる。
「BR-09」は歩兵戦闘車などの比較的軽量な車両から、主力戦車まで、あらゆる装甲車両に搭載することを目的とした成形炸薬弾対策用の爆発反応装甲であり、簡易な構造で、軽量であることが特徴である。成形炸薬弾に対してはモジュール1つにつき均質圧延装甲換算で250~300mmの防御力を発揮でき、また複数のモジュールを重ねることでタンデム弾頭に対しても対抗できるとされる。従来の爆発反応装甲と比較すると、爆発体が完全に密閉されているためメンテナンスフリーとなっているのが特徴で、設計寿命も2倍となっている。
「BR-10」は主力戦車に搭載することを目的とした成形炸薬弾および運動エネルギー弾対策用の爆発反応装甲であり、自己鍛造弾が内蔵されている。着弾を検知すると、自己鍛造弾が打ち出され、APFSDSに対しては細長い弾芯を切断、また化学エネルギー弾に対してはメタルジェットの収束を妨害する。これにより化学エネルギー弾に対しては90%以上、運動エネルギー弾に対しても50%以上貫徹力を減衰させられる。また、「BR-10」は複数層重ねて配置できるため、タンデム弾頭の化学エネルギー弾に対しても対抗可能で、また、従来の爆発反応装甲よりも角度による不発のリスクなどが低いとされている。「BR-09」と同様、爆発体が完全に密閉されているため、メンテナンス性にも優れている。
これらの追加装甲を全て装備した場合、重量はおよそ3t増加する。
T-96B2以降では、対戦車擲弾や対戦車ミサイルといった非対称な兵器に対する経済的な防御手段として、アクティブ防護システムである「SPA-10」が装備されている。「SPA-10」は、中央防御管制装置と呼ばれる制御用のコンピューターを中核として、可視光/赤外線監視カメラ、紫外線監視カメラ、レーザー警報装置、レーダー警報装置、ミリ波レーダーの5種類のセンサーと、煙幕弾発射機、指向性妨害レーザー装置、迎撃体発射機の3種類の迎撃装置から構成される。
可視光/赤外線監視カメラと紫外線監視カメラは、車体側面上部の6か所に埋め込まれており、数km圏内の対戦車ロケット弾や対戦車ミサイルのロケットモーターの噴射炎、発射時のバックブラストを検知することができる。
レーザー警報装置は、敵の車両や航空機などが測距に使用するレーザーを検知して警告する装置であり、主に敵のレーザー測距装置が使用する測距用のレーザー光線を検知する。センサーは砲塔の4面に埋め込まれており、レーザー光線の照射を検知するとすぐに照射源の方向を非常に高い精度で特定し、続いて、データリンクを通じ僚車の取得した情報と照合して三角測量を行い、照射源までの距離を特定する。探知した照射源の位置は速やかにデータリンクで共有することができる。
レーダー警報装置は、敵の対戦車ミサイルや攻撃ヘリなどが射撃時に使用するレーダー波を検知して警告する装置であり、主にミリメートル波を検知する。逆探用のアンテナは車体各部の6か所に埋め込まれており、レーダー波を検知するとすぐに発信源の方向を非常に高い精度で特定し、続いて、データリンクを通じ僚車の取得した情報と照合して三角測量を行い、発信源までの距離を特定する。探知した発信源の位置は速やかにデータリンクで共有することができる。
これらのパッシブなセンサーによって、敵の攻撃が差し迫っていることを検知すると、指向性妨害レーザー装置や迎撃体発射機を脅威の大まかな方向に指向すると共に、ミリ波レーダーが起動される。
ミリ波レーダーシステムは、波長が短く解像度に優れたミリメートル波を利用して敵の対戦車ミサイルやドローンなどを探知・追尾する装置であり、最大でマッハ6で飛翔する目標を追尾できる。従来型の対戦車ロケット弾や対戦車ミサイルを検出する目的で砲塔両側面の前後に固定式アンテナが計4基設置されている他、砲塔上部には主にトップアタック対戦車ミサイルや上空の無人機を検出する目的で球形のアンテナが1基設置されており、全周を索敵することが可能となっている。
煙幕弾発射機としては、砲塔両側面に6連装のものが1基ずつ設置されている。煙幕弾の散布する黒色の微粒子は、可視光のみならず赤外線についても遮蔽でき、なおかつレーザー光線を吸収し減衰させる効果をも兼ね備えている。
指向性妨害レーザー装置は、ヘリコプターや輸送機が携行式地対空ミサイル対策に装備しているものと同様のシステムであり、主に光学センサーの感光部の光量を飽和させて機能を喪失させることを目的としている。敵のレーザー測距装置によって照準を受けている場合に逆にレーザー光線を照射し返して敵のレーザー測距装置の機能を喪失させたり、敵の対戦車ミサイルが接近している場合にシーカー部にレーザー光線を照射して誘導を狂わせて正常な機能を喪失させることができる。
迎撃体発射装置は砲塔の両側面に1基ずつ、砲塔上部に1基の計3基が設置されている。ミリ波レーダーによる追尾情報を元に、脅威度が高く迎撃の必要があると判断された目標に対して、散弾銃のような弾幕を発射し、撃墜することができる。各発射機の装弾数は6発で、デコイ発射式の対戦車ロケット弾などに対抗するため、最短0.1秒間隔で次弾を発射することが可能となっている。試験においては、対戦車ミサイル、対戦車ロケット、さらにはAPFSDSのような高速の運動エネルギー弾に対しても迎撃を成功させている。
可視光/赤外線監視カメラと紫外線監視カメラは、車体側面上部の6か所に埋め込まれており、数km圏内の対戦車ロケット弾や対戦車ミサイルのロケットモーターの噴射炎、発射時のバックブラストを検知することができる。
レーザー警報装置は、敵の車両や航空機などが測距に使用するレーザーを検知して警告する装置であり、主に敵のレーザー測距装置が使用する測距用のレーザー光線を検知する。センサーは砲塔の4面に埋め込まれており、レーザー光線の照射を検知するとすぐに照射源の方向を非常に高い精度で特定し、続いて、データリンクを通じ僚車の取得した情報と照合して三角測量を行い、照射源までの距離を特定する。探知した照射源の位置は速やかにデータリンクで共有することができる。
レーダー警報装置は、敵の対戦車ミサイルや攻撃ヘリなどが射撃時に使用するレーダー波を検知して警告する装置であり、主にミリメートル波を検知する。逆探用のアンテナは車体各部の6か所に埋め込まれており、レーダー波を検知するとすぐに発信源の方向を非常に高い精度で特定し、続いて、データリンクを通じ僚車の取得した情報と照合して三角測量を行い、発信源までの距離を特定する。探知した発信源の位置は速やかにデータリンクで共有することができる。
これらのパッシブなセンサーによって、敵の攻撃が差し迫っていることを検知すると、指向性妨害レーザー装置や迎撃体発射機を脅威の大まかな方向に指向すると共に、ミリ波レーダーが起動される。
ミリ波レーダーシステムは、波長が短く解像度に優れたミリメートル波を利用して敵の対戦車ミサイルやドローンなどを探知・追尾する装置であり、最大でマッハ6で飛翔する目標を追尾できる。従来型の対戦車ロケット弾や対戦車ミサイルを検出する目的で砲塔両側面の前後に固定式アンテナが計4基設置されている他、砲塔上部には主にトップアタック対戦車ミサイルや上空の無人機を検出する目的で球形のアンテナが1基設置されており、全周を索敵することが可能となっている。
煙幕弾発射機としては、砲塔両側面に6連装のものが1基ずつ設置されている。煙幕弾の散布する黒色の微粒子は、可視光のみならず赤外線についても遮蔽でき、なおかつレーザー光線を吸収し減衰させる効果をも兼ね備えている。
指向性妨害レーザー装置は、ヘリコプターや輸送機が携行式地対空ミサイル対策に装備しているものと同様のシステムであり、主に光学センサーの感光部の光量を飽和させて機能を喪失させることを目的としている。敵のレーザー測距装置によって照準を受けている場合に逆にレーザー光線を照射し返して敵のレーザー測距装置の機能を喪失させたり、敵の対戦車ミサイルが接近している場合にシーカー部にレーザー光線を照射して誘導を狂わせて正常な機能を喪失させることができる。
迎撃体発射装置は砲塔の両側面に1基ずつ、砲塔上部に1基の計3基が設置されている。ミリ波レーダーによる追尾情報を元に、脅威度が高く迎撃の必要があると判断された目標に対して、散弾銃のような弾幕を発射し、撃墜することができる。各発射機の装弾数は6発で、デコイ発射式の対戦車ロケット弾などに対抗するため、最短0.1秒間隔で次弾を発射することが可能となっている。試験においては、対戦車ミサイル、対戦車ロケット、さらにはAPFSDSのような高速の運動エネルギー弾に対しても迎撃を成功させている。
T-96では従来の戦車と同様、車長、砲手、操縦手の3名の乗員を有している。乗員配置も従来の戦車と同様で、砲塔に車長と砲手が、車体に操縦手が搭乗する。車体および砲塔は完全な与圧式CBRNE防護装置を備え、NBC兵器によって汚染された環境下でも行動可能である。
エンジンとしては「MD-96」多燃料対応ディーゼルエンジンが搭載された。これはソビエト連邦の6TDエンジンに着想を得て開発された第四インターナショナル連邦共和国の国産水平対向型12気筒4ストローク液冷ディーゼルエンジンで、従来のT-76やT-84で搭載されていたV-2ディーゼルエンジンの系譜から決別し、コンパクトさと大出力を両立している。メキシコの高原などでも運用可能とするためにツインターボチャージャーを備え、通常は最大で1250馬力の出力を発揮可能である。「MD-96」エンジンは、-50度から+60度までのあらゆる温度範囲で正常に動作し、3重のエアフィルターにより99%を超える粒子を除去することが出来るため、寒暖差が大きく砂塵の多いメキシコ北部の砂漠でも問題なく使用可能である。最大戦闘重量48t時でも出力重量比は26に達し、整地であれば時速70km、不整地でも時速50kmで走行できる。
車内に燃料は900Lまで搭載でき、航続距離はおよそ350kmとされる。また、車体後部に外装式の増槽タンクを搭載すれば、燃料搭載量は1300Lに増加し、航続距離は500kmとなる。軽量化のために車体を小型化したことで燃料タンクの容量が減少しており、結果としてT-84やT-76と比較して航続距離が短くなっていることは、本車のカタログスペック上の弱点となっている。先述の通り、T-96は燃料や弾薬の搭載量といった継戦能力を犠牲にし、その引き換えに軽量化とT-84後期型と同等以上の攻防性能の確保を両立させた車両であり、これは致し方のないことと言える。そもそもT-96は第四インターナショナル連邦共和国の中南部や島嶼部における敵着上陸橋頭堡に対する逆襲などを念頭に置いて開発された戦車であるため、想定される任務の性質上、長大な航続距離は必要とされていない。
この他、停車中にも各種ベトロニクスを使用できるようにするため、小型のガスタービンエンジンを補助発電装置として搭載している。エンジンを停止している場合でも、補助発電装置が動作していれば、全てのベトロニクスの使用と、砲塔の旋回や俯仰角の変更といった基本的な砲塔操作が可能である。
T-96では前進5段、後進5段の新型オートマチックトランスミッションを搭載している。これにより、後退速度も前進速度と同じだけ出すことができる。従来のT-76やT-84でも同様の機能が実現されていたが、T-96の開発に際しては機関部をできるだけコンパクトにすることが要求されたため、このような新しいトランスミッションが搭載されることとなった。最大戦闘重量においても、0~200mまで21秒という非常に優れた加速性能を有する一方、制動能力も非常に高く、時速50kmで走行中から2m以内で停止することができる。
エンジンと変速機はパワーパックとして一体化されており、熟練した作業員ならば前線の整備場において30分程度でパワーパックを交換することができる。
車内に燃料は900Lまで搭載でき、航続距離はおよそ350kmとされる。また、車体後部に外装式の増槽タンクを搭載すれば、燃料搭載量は1300Lに増加し、航続距離は500kmとなる。軽量化のために車体を小型化したことで燃料タンクの容量が減少しており、結果としてT-84やT-76と比較して航続距離が短くなっていることは、本車のカタログスペック上の弱点となっている。先述の通り、T-96は燃料や弾薬の搭載量といった継戦能力を犠牲にし、その引き換えに軽量化とT-84後期型と同等以上の攻防性能の確保を両立させた車両であり、これは致し方のないことと言える。そもそもT-96は第四インターナショナル連邦共和国の中南部や島嶼部における敵着上陸橋頭堡に対する逆襲などを念頭に置いて開発された戦車であるため、想定される任務の性質上、長大な航続距離は必要とされていない。
この他、停車中にも各種ベトロニクスを使用できるようにするため、小型のガスタービンエンジンを補助発電装置として搭載している。エンジンを停止している場合でも、補助発電装置が動作していれば、全てのベトロニクスの使用と、砲塔の旋回や俯仰角の変更といった基本的な砲塔操作が可能である。
T-96では前進5段、後進5段の新型オートマチックトランスミッションを搭載している。これにより、後退速度も前進速度と同じだけ出すことができる。従来のT-76やT-84でも同様の機能が実現されていたが、T-96の開発に際しては機関部をできるだけコンパクトにすることが要求されたため、このような新しいトランスミッションが搭載されることとなった。最大戦闘重量においても、0~200mまで21秒という非常に優れた加速性能を有する一方、制動能力も非常に高く、時速50kmで走行中から2m以内で停止することができる。
エンジンと変速機はパワーパックとして一体化されており、熟練した作業員ならば前線の整備場において30分程度でパワーパックを交換することができる。
足回りは、起動輪1輪、誘導輪1輪、走行転輪6輪、上部支持輪4輪から構成されている。T-96は従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦車と同様、リアドライブ式を採用しているため、起動輪が車体後方、誘導輪が車体前方に配置されている。起動輪、誘導輪、走行転輪、上部支持輪は全てアルミ合金製で、焼結によって製造されており、軽量ながら高い耐久性を誇る。起動輪、誘導輪、走行転輪、上部支持輪は全て、摩耗や騒音を防ぐ目的で外周にゴムが装着されている。
懸架装置としては、全転輪でハイドロニューマチックサスペンションが採用されている。サスペンションのトラベル長は上限360mm、下限180mmの合計540mmと非常に大きく、またエンジンから油圧の供給を受けて高さを調節できる。優れたハイドロニューマチックサスペンションと全転輪のサスペンションに装備されているショックアブソーバーにより、非常に高い悪路走破性を発揮できる。さらに、サスペンションの高さを調整することで、上下方向に射角を広げ、低車高・低砲塔高に起因する俯仰角の不足を補うことができる。
履帯は鋼製で、片側64枚、両側で合計128枚となっている。履帯の構造自体は従来の戦車と比べてさほど変化しておらず、柔軟で路上追従性に優れたダブルピン方式の接続、長寿命化を目的としたピン内部へのゴムブッシュの圧入、摩擦と騒音を低減するためのゴムパッドの装着など、現代の標準的な装軌式軍用車両と同様の構造となっている。
懸架装置としては、全転輪でハイドロニューマチックサスペンションが採用されている。サスペンションのトラベル長は上限360mm、下限180mmの合計540mmと非常に大きく、またエンジンから油圧の供給を受けて高さを調節できる。優れたハイドロニューマチックサスペンションと全転輪のサスペンションに装備されているショックアブソーバーにより、非常に高い悪路走破性を発揮できる。さらに、サスペンションの高さを調整することで、上下方向に射角を広げ、低車高・低砲塔高に起因する俯仰角の不足を補うことができる。
履帯は鋼製で、片側64枚、両側で合計128枚となっている。履帯の構造自体は従来の戦車と比べてさほど変化しておらず、柔軟で路上追従性に優れたダブルピン方式の接続、長寿命化を目的としたピン内部へのゴムブッシュの圧入、摩擦と騒音を低減するためのゴムパッドの装着など、現代の標準的な装軌式軍用車両と同様の構造となっている。
T-96系列の主力戦車は、1996年から2009年までの14年間で合計1100両あまりが生産された。第四インターナショナル連邦共和国の第3世代主力戦車の数的中心である本車は、2023年現在も、ほぼ全ての車両が近代化改修を受けて現役として運用継続されている。
T-96Bは、2007年から2009年に生産された後期生産型で、T-96Aの改良型にあたる。新規生産とT-96Aからの改修合わせておよそ1100両が配備される計画である。砲手用サイトや車長用サイトへの新しい熱線映像装置の導入、操縦手用暗視装置の追加、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」の搭載による発展的なC4I・データリンクシステムへの対応、新型爆発反応装甲の装備など、その改修項目は多岐にわたる。
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