概要
月美ウイルス症候群(Tukimi Viuls Syndrome)は、2021年に大神国植ナイジェリアの月美川流域で次々に発症者が確認された感染症である。
視床部及び基底核に対して病変を発症するため、当初は日本脳炎ではないかと疑われていたが脊髄脳炎を発症する患者がいたため、新種のウイルスであることが強く疑われた。
結局患者の髄液検査より、既存のウイルスに当てはまらないRNA情報を持った一本鎖プラス鎖RNAウイルスである月美ウイルスが検出され、このウイルスに起因するものだと言う見方が強くなった。
病理
月美ウイルスは、主に空気感染で感染するが多くが不顕性感染であり発病しないため発症率は6%だが、発症しなくても当然他の人へ感染させる。
不顕性感染の場合は、3〜4週間でウイルスは駆逐されると考えられている。しかし、高齢者や免疫機能低下者といった一部の人々に感染したウイルスは顕性感染となり感染する。
このときの潜伏期間は、2〜3週間である。前駆症状として、発熱や悪心等の髄膜刺激症状、強烈な頭痛が発現する。このときのMRI像を確認すると、視床部に脳炎が発現しているため上記の症状に加えて視床部への脳炎が疑われる場合は、月美ウイルス感染症であると考えるのが妥当である。確定診断は、主に髄液PCRによって確定させることが望ましい。
症状が進むと、顕著な血球減少と共に髄膜刺激症状や麻痺、けいれん、言語障害といった精神/神経症状が出現する。また、三割の患者には髄膜脳炎が発現することがある。
顕著な血球の減少が発現してから48時間以内に、前駆症状が発現してから72時間以内に死に至るのが一般的である。
ごく稀に生存例があるが、殆どの場合生存しない。生存しても、弛緩性麻痺や言語障がいなどといった後遺症が必ず複数組み合わさって発現する。
発症した場合、有効な治療法はなく対症療法となる。けいれん防止のために暗室に入れ、予防的に抗けいれん剤を投与することが第一選択である。