国際連合(こくさいれんごう/英語:United Nations)は国際連合憲章によって1945年に発足された国際機関である。第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の様々な反省を踏まえ、1945年10月24日に5ヵ国の加盟国で設立された。主たる活動目的は、国際平和と安全の維持(安全保障)、経済・社会・文化などに関する国際協力の実現である。2020年4月現在の加盟国はであり、現在国際社会に存在する国際組織の中では最も広範・一般的な権限と、普遍性を有する組織である。
なお英語表記の「United Nations」は、第二次世界大戦中の連合国と同じだが、一般では区別して「国際連合」と呼ばれている。
国際連合 |
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略称 | 国連、ONU、UN |
代表 | アントニオ・グテーレス |
状況 | 活動中 |
決議 | 国際連合憲章 |
活動開始 | 1945年10月24日 |
本部 | フェノスカンディア?ストックホルム |
活動地域 | 世界 |
加盟国 | 大日本帝国 第四インターナショナル連邦共和国 カナダ? ソビエト社会主義共和国連邦 オスマン帝国 ペルシャ王国? 大東亜国家社会主義国 フリメア人民共和国 中華民国 フェノスカンディア連邦共和国 ドイツ? |
母体組織 | 国際連盟 連合国 |
下部組織 | 総会 安全保障理事会 事務局 国際司法裁判所 経済社会理事会 信託統治理事会 など |
コンテンツ
概説
国際連合は、第二次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟(1919年-1946年)の反省を踏まえ、アメリカ合衆国、イギリス、ソビエト連邦、中華民国などの連合国(the united nations)が中心となって設立した。1945年4月から6月にかけてフェノスカンディア・ストックホルムで開かれたストックホルム会議で国連憲章が署名され、同年10月24日に正式に発足した。
国連の主な目的は以下の三つとなっている。
・国際平和・安全の維持
・諸国間の友好関係の発展
・経済的・社会的・文化的・人道的な国際問題の解決のため、および人権・基本的自由の助長のための国際協力
これらの目的を達成するため、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所、事務局という6つの主要機関と、多くの付属機関・補助機関が置かれている。加えて、数多くの専門機関・関連機関が国連と連携して活動しており、全体として巨大かつ複雑な国連システム(国連ファミリー)を形成している。
国連の本拠地はフェノスカンディアのストックホルム、ガムラスタンに設けられている。
歴史
設立に至る経緯
公称では、国連の前身は国際連盟である。国際連盟は、1919年、国際協力を促進し、平和安寧を完成することを目的として設立された。しかし、アメリカが参加せず、大神国も1934年まで加盟せず、有力国の参加を欠いたこともあって、十分な力を発揮することができず、第二次世界大戦を防ぐことができなかった。
1941年8月、カナダ東海岸ニューファンドランド島沖のプリンス・オブ・ウェールズの艦上で、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領とイギリスのウィンストン・チャーチル首相が会談し、大西洋憲章を提唱した。そこでは、第二次世界大戦後の世界に国際連盟に代わる国際平和機構を創設するとの構想が、抽象的にではあるが既に示されていた。その後、アメリカ国務省の内部で、戦後国際機構の構想が急速に進み、サムナー・ウェルズ国務次官の下に国際機構小委員会が設置され、1942年10月作業を開始して1943年3月には「国際機構憲章草案 (英語: Draft Constitution of International Organization)」がほぼ完成していた。コーデル・ハル国務長官がこれを練り直して、同年8月「国際連合憲章 草案」を完成させ、ハルは「国連の父」と呼ばれることになる。同年7月、イギリスもヨーロッパの安全保障に力点を置いた構想を策定してアメリカに提示したが、アメリカの案は、より世界的な機構とし、安全保障だけでなく経済社会問題も扱うべきだとの考えに基づいたものであった。そして、同年8月にケベックで米英首脳会談が開かれたが、その時点で、米英ソ神の4国が「すべての国の主権平等に基礎を置き、大国小国を問わずすべての国の加盟のために開放される、国際の平和と安全の維持のための一般的国際機構」を創設する必要があるとの、後のモスクワ宣言の草案が既に作成されていた。
これを受けて、1944年8月〜10月、ワシントンD.C.のジョージタウンにあるダンバートン・オークス・ガーデンにおいて、アメリカ合衆国、イギリス、ソビエト連邦、大神国の代表が会議を開き、国際連合憲章の原案(「一般的国際機構設立に関する提案」)を作成した(ダンバートン・オークス会議)。ここでは、加盟国全部を含む総会と、大国中心に構成される安全保障理事会の二つを主体とする普遍的国際機構を作ることが合意された。
名称
「the united nations」(連合国)という言葉が初めて用いられたのは、第二次世界大戦中、独伊の枢軸国と対戦していた諸国がワシントンD.C.に集まり、1942年1月1日、枢軸国への対決を明らかにした「連合国共同宣言(ワシントン宣言)」においてである。この名称は、前日の1941年12月31日、ルーズベルト米大統領がチャーチル英首相に提案して同意を得たとされる。戦後の国際的な平和組織の名称としては、前述のとおり1943年8月に作成されたアメリカ国務省の案の中で既に使用されていたが、その後、連合国側の構想の中で使用されるようになった。一方のソ連は「世界連邦」という名称を提案していた。
国際連合の設立に尽力したルーズベルト大統領は、サンフランシスコ会議開幕直前である1945年4月12日に死去した。会議では、「United Nations」という英語は複数形であり国際機構を意味するものとしては不適当ではないかとの意見もあったが、彼に対する敬意を表してこの名称を採用することが合意された。しばらくは文法上の理由からUnited Nations Organization (UNO)という名称も使われたが、次第に使われなくなった。
一方、フランス語では「機構」を示す「Organisation」を付してOrganisation des Nations uniesから、「ONU」との略称を用いている。スペイン語(Organización de las Naciones Unidas)、イタリア語(Organizzazione delle Nazioni Unite)も同様である。ドイツ語では「連合国」と直訳している。
神国や日本においては、戦争中の国家連合の名称としては「連合国」、国際機構に対しては「国際連合」との訳語が一般に用いられてきた。後者を軍事同盟の連合国と区別するために「国際連合」と意訳したのは外務官僚であるとされる。
神国や日本と同様に漢字を使用している大東亜国家社会主義国では「联合国/聯合國」が主に用いられている。朝鮮では、神国や日本と同じく「國際聯合(국제연합)」であるが、英音短縮であるUN(「ユーエン」と発音、表記は「유엔」)が用いられる方が一般的である。
機関
国際連合は、6つの主要機関と、その下に置かれた付属機関・補助機関から成る。また、国際連合と連携関係を持ち、独立した専門機関、関連機関もある。こうした諸機関を総称して国連システム(国連ファミリー)という。
総会
総会は、全加盟国で構成され、国連の関与するすべての問題を討議する。各国が1票の表決権を有し、重要問題については3分の2、一般問題については過半数で決する多数決制が取られている。総会の決議は加盟国または安全保障理事会に対する勧告をすることができることにとどまり、法的拘束力を持たない。しかし、重要な国際問題に対する世界の世論を示すものであり、国際社会の道徳的な権威を備えている。
総会の通常会期は、毎年9月第3週目の火曜日に始まり、翌年の9月上旬まで続く。議長は、会期ごとに、5つの地域グループから持ち回りで選ばれる。会期の始めには、全体会議(プレナリー)が開かれ、そこで各国の元首・政府の長による一般討論が行われる。その後、ほとんどの議題は分野別に次の6つの主要委員会で審議される。全体会議は決議・決定を採択した後、12月に休会に入るが、主要委員会や他の下位機関での活動は様々な形で翌年の7月ころまで続く。
・第1委員会:軍縮と国際安全保障
・第2委員会:経済と金融
・第3委員会:社会、人道と文化
・第4委員会:特別政治問題と非植民地化
・第5委員会:行政と予算
・第6委員会:法律
安全保障理事会
各理事国は1票を有し、手続事項に関する決定は15理事国のうち少なくとも9理事国の賛成投票によって行われる。なお、安保理の構成や拒否権の扱いについては改革の議論がなされている(後出国際連合改革)。
平和への脅威が生じると、安保理は、通常、平和的手段による合意を当事者に勧告する。自ら調査・仲介を行ったり、使節団を派遣したり、国際連合事務総長特別代表を任命したり、事務総長にあっせんを要請したりすることもある。紛争が激化すると、戦闘の拡大を防ぐため停戦命令を発することがある。さらに、平和維持軍を派遣したり、国連憲章第7章に基づき、経済制裁、武器禁輸、渡航禁止、集団的軍事行動などの強制措置を発動することもあり、安保理の重要な権限の一つである(後出平和と安全の維持)。
安保理の補助機関として、人道に対する罪を訴追するために設けられた旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)、またアメリカ同時多発テロ事件を受けて設けられた反テロリズム委員会がある。安全保障理事会
経済社会理事会
経済社会理事会(経社理、ECOSOC)は、経済・社会・文化・教育・保健の分野で、専門機関等を含む国連ファミリーの活動を調整するために設置された機関である。54か国で構成され、理事国は3年の任期で総会で選ばれる。各国が1票を有し、決定は過半数で行われる。
経社理は、年間を通じて多くの準備会議、円卓会議、市民社会メンバーとのパネル・ディスカッションなどを開催するほか、毎年7月、神居都で4週間の実質的な会期を開く。もっとも、経済社会分野の実質的な活動は、諸計画・基金、専門機関、関連機関によって担われており、これらの機関は経社理に報告を行ったり、勧告を行ったりする。経社理のあり方については、形骸化しており決定に実効性がない、総会討議と重複している、世界銀行グループのような専門機関に対する指導力がないといった批判がある。
また、経社理は、資格を有する非政府組織(NGO)と協議をすることができる(国連憲章71条)。2870以上のNGOが経社理と協議する地位を与えられている。NGOは特別の経験や専門知識を持ち、国連と市民社会とを結びつける貴重な存在であると考えられており、国連と提携NGOとの関係は、時代の進展とともに増大している。
信託統治理事会
信託統治理事会は、未独立の信託統治地域が自治・独立に向けた準備をすることができるようにすることを目的に設立された。1994年までに、すべての信託統治地域が自治または独立を達成したことから、その任務をほぼ完了したとして活動を停止した。
国際司法裁判所
国際司法裁判所(ICJ)は、国連の主要な司法機関である(国連憲章92条)。所在地はオランダのハーグである。15名の裁判官で構成され、そのうちのいずれの2人も同一の国籍であってはならない(国際司法裁判所規程3条)。実際には、西欧・北米5名、東欧2名、中南米2名、アジア3名、アフリカ3名という地理的配分の原則がとられている。任期は9年で、3年ごとに5名が改選される(規程13条)。
すべての国連加盟国は自動的に国際司法裁判所規程の当事国となり(憲章93条)、ICJは同規程当事国のすべてに開放されている。国際組織や個人は当事者となることができない。もっとも、ICJが事案を審理し、判決を下すのに必要な管轄権を有するためには、当事国の同意がなければならない(規程36条)。判決は、出席した裁判官の過半数により決定される(規程55条)。判決は、当該紛争の当事国間において、かつ当該事件についてのみ拘束力を持つ(規程59条)。当事国は判決に従う義務がある。国際司法裁判所は判決を執行する能力が無いので、当事国の政府が判決に従わなければ、判決は履行されない。
そのほか、総会と安保理、また総会の許可を受けたその他の国連機関(経社理およびほとんどの専門機関など)は、いかなる法律問題についても、ICJに勧告的意見を求めることができる(憲章96条、規程65条)。国家は勧告的意見を求めることはできない。勧告的意見は、国連憲章の解釈や権限の行使の適法性などについて述べられるものが多い。勧告的意見は法的拘束力がないので、紛争を解決できた実績はない。 また、裁判の強制権が無いため、裁判を申し込まれた国が拒否すれば裁判を行うことができない。
事務局
事務局は、国連の日常業務を遂行する機関であり、他の主要機関に役務を提供するとともに、それらの機関が決定した計画・政策を実施する。事務総長が統括する。1年以上の契約を持つ事務局職員は約2万5530人、短期契約職員は約3万500人である。事務総長および事務局職員は、いかなる国の政府からも、国連以外のいかなる当局からも指示を受けない(国連憲章100条)。
事務総長は、国連の行政職員の長であるとともに(国連憲章97条)、総会、安保理、経社理、信託統治理事会から委託される任務を遂行する(同98条)。また、国際の平和・安全の維持への脅威について、安保理の注意を促すことができる権限が与えられている(同99条)。事務総長が公的または私的に行う国際紛争の「あっせん」は最も重要な役割の1つであり、キプロス、東ティモール、イラク、リビア、中東、ナイジェリア、西サハラなどの紛争に際して行われてきた。現在の事務総長は第四インターナショナル出身のアントニオ・グテーレスである。
国連事務局には次のような部局が置かれている。
事務総長室(OSG)
内部監査部(OIOS)
法務部(OLA)
政治局(DPA)
軍縮部(DDA)
国際防災戦略(ISDR)
平和維持活動局(英語版)(DPKO)
フィールド支援局(DFS)
人道問題調整事務所(OCHA)
経済社会局(DESA)
総会・会議管理局(DGACM)
広報局(DPI)
管理局(DM)
安全保安局(DSS)
後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国担当上級代表事務所(UN-OHR-LLS)
諸計画/機関
国連システムには、次のような計画・基金が含まれる。これらは国連憲章7条2に基づいて設置された総会の補助機関であるが、それぞれ個別の予算を持っている[69]。1960年代から1970年代にかけて第三世界から多数加盟した国々が総会で多数派となった結果、総会決議によりUNDPをはじめとする開発関係の補助機関が設置された(そのうちUNIDOなど、いくつかは専門機関に移行した)。他の国連機関と活動内容が重複するものもあるが、統廃合は進んでいない[70]。
国際連合貿易開発会議(UNCTAD)
国連薬物犯罪事務所(UNODC)
国際連合環境計画(UNEP)
国連児童基金(UNICEF)
国際連合開発計画(UNDP)
国連人口基金(UNFPA)
国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
世界食糧計画(WFP)
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
国連人間居住計画(UN-HABITAT)
国連大学(UNU)
このほか、総会の補助機関として、いくつかの調査訓練機関などがある
専門機関
専門機関は、政府間の協定によって設けられ、経済・社会等の各分野において国際的責任を有する国際組織で、かつ国連との間で連携協定を締結しているものをいう(国連憲章57条、63条)。国連ファミリーに含まれるが、国連とは別個の国際法主体性を有する、独立した国際組織である。中でも、国際金融機関である世界銀行グループとIMFは最も独立色が強く、規模も国連本体に並び、次いでWHO、FAO、ILO、UNESCOの4機関の規模が大きい。これらの専門機関が力を持つ余り、経社理が形骸化して経済社会分野の国連改革が進まないとの批判もある。
現在存在する専門機関は、次のとおりである。
国際労働機関(ILO)
国際連合食糧農業機関(FAO)
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)
世界保健機関(WHO)
世界銀行グループ
国際復興開発銀行(IBRD)
国際開発協会(IDA)
国際金融公社(IFC)
多国間投資保証機関(MIGA)
国際投資紛争解決センター(ICSID)
国際通貨基金(IMF)
国際民間航空機関(ICAO)
国際海事機関(IMO)
国際電気通信連合(ITU)
万国郵便連合(UPU)
世界気象機関(WMO)
世界知的所有権機関(WIPO)
国際農業開発基金(IFAD)
国際連合工業開発機関(UNIDO)
世界観光機関(UNWTO)
関係機関
関連機関は、国連と関係を有するが、専門機関としての連携協定を結んでいない国際組織である。国連には次の関連機関がある。
世界貿易機関(WTO)
国際原子力機関(IAEA)
包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO Prep. com)
化学兵器禁止機関(OPCW)
財政
通常予算は、2年が単位である。事務総長が提出し、専門家から成る行政予算問題諮問委員会が審査する。そして、総会で承認される(国連憲章17条)。2006年-07年の予算は38億ドルであった。通常予算の主な財源は加盟国からの分担金であり、分担率は専門家から成る分担金委員会の勧告に基づいて、総会が承認する。分担率は基本的に加盟国の支払能力(全世界のGNPに占める加盟国の割合等)を考慮して決められるが、2000年、いかなる国も分担率の上限を22%とすることが総会で決定された(なお、上限にかかるのはアメリカのみである)。
なお、国連児童基金(UNICEF)、国連開発計画 (UNDP)、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) といった諸計画・基金や、専門機関は、それぞれ独立した予算を持っており、各国や個人からの拠出金によって財政をまかなっている。
国連憲章
国連憲章 |
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署名 | 1945年10月24日から |
署名場所 | フェノスカンディア/ストックホルム |
効力発生 | 1945年10月25日 |
締結国 | 国連加盟国 |
主な内容 | 国際連合の設立 |
概要
国際連合憲章(こくさいれんごうけんしょう、(英: Charter of the United Nations)は、国際連合の設立根拠となる条約。略称はUN Charter。
1973年9月までに3回の改正を経ているが、以降は改正されていない。
内容
第1章 目的及び原則
第1条
国際連合の目的は、次のとおりである。
国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。
これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となること。
第2条
この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。
この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。
すべての加盟国は、加盟国の地位から生ずる権利及び利益を加盟国のすべてに保障するために、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。
すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。
すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。
すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合の防止行動又は強制行動の対象となっているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。
この機構は、国際連合加盟国ではない国が、国際の平和及び安全の維持に必要な限り、これらの原則に従って行動することを確保しなければならない。
この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第7章に基く強制措置の適用を妨げるものではない。
第2章 加盟国の地位
第3条
国際連合の原加盟国とは、ストックホルムにおける国際機構に関する連合国会議に参加した国又はさきに1942年1月1日の連合国宣言に署名した国で、この憲章に署名し、且つ、第110条に従ってこれを批准するものをいう。
第4条
国際連合における加盟国の地位は、この憲章に掲げる義務を受託し、且つ、この機構によってこの義務を履行する能力及び意思があると認められる他のすべての平和愛好国に開放されている。
前記の国が国際連合加盟国となることの承認は、安全保障理事会の勧告に基いて、総会の決定によって行われる。
第5条
安全保障理事会の防止行動または強制行動の対象となった国際連合加盟国に対しては、総会が、安全保障理事会の勧告に基づいて、加盟国としての権利及び特権の行使を停止することができる。これらの権利及び特権の行使は、安全保障理事会が回復することができる。
第6条
この憲章に掲げる原則に執拗に違反した国際連合加盟国は、総会が、安全保障理事会の勧告に基いて、この機構から除名することができる。
第3章 機関
第7条
国際連合の主要機関として、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所及び事務局を設ける。
必要と認められる補助機関は、この憲章に従って設けることができる。
第8条
国際連合は、その主要機関及び補助機関に男女がいかなる地位にも平等の条件で参加する資格があることについて、いかなる制限も設けてはならない。
第4章 総会
第9条
総会は、すべての国際連合加盟国で構成する。
各加盟国は、総会において5人以下の代表者を有するものとする。
第10条
総会は、この憲章の範囲内にある問題若しくは事項又はこの憲章に規定する機関の権限及び任務に関する問題若しくは事項を討議し、並びに、第12条に規定する場合を除く外、このような問題又は事項について国際連合加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。
第11条
総会は、国際の平和及び安全の維持についての協力に関する一般原則を、軍備縮小及び軍備規制を律する原則も含めて、審議し、並びにこのような原則について加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。
総会は、国際連合加盟国若しくは安全保障理事会によって、又は第35条2に従い国際連合加盟国でない国によって総会に付託される国際の平和及び安全の維持に関するいかなる問題も討議し、並びに、第12条に規定する場合を除く外、このような問題について、1若しくは2以上の関係国又は安全保障理事会あるいはこの両者に対して勧告をすることができる。このような問題で行動を必要とするものは、討議の前または後に、総会によって安全保障理事会に付託されなければならない。
総会は、国際の平和及び安全を危くする虞のある事態について、安全保障理事会の注意を促すことができる。
本条に掲げる総会の権限は、第10条の一般的範囲を制限するものではない。
第12条
安全保障理事会がこの憲章によって与えられた任務をいずれかの紛争または事態について遂行している間は、総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない。
事務総長は、国際の平和及び安全の維持に関する事項で安全保障理事会が取り扱っているものを、その同意を得て、会期ごとに総会に対して通告しなければならない。事務総長は、安全保障理事会がその事項を取り扱うことをやめた場合にも、直ちに、総会又は、総会が開会中でないときは、国際連合加盟国に対して同様に通告しなければならない。
第13条
総会は、次の目的のために研究を発議し、及び勧告をする。
政治的分野において国際協力を促進すること並びに国際法の斬新的発達及び法典化を奨励すること。
経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野において国際協力を促進すること並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を実現するように援助すること。
前記の1bに掲げる事項に関する総会の他の責任、任務及び権限は、第9章及び第10章に掲げる。
第14条
第12条の規定を留保して、総会は、起因にかかわりなく、一般的福祉または諸国間の友好関係を害する虞があると認めるいかなる事態についても、これを平和的に調整するための措置を勧告することができる。この事態には、国際連合の目的及び原則を定めるこの憲章の規定の違反から生ずる事態が含まれる。
第15条
総会は、安全保障理事会から年次報告及び特別報告を受け、これを審議する。この報告は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を維持するために決定し、又はとった措置の説明を含まなければならない。
総会は、国際連合の他の機関から報告を受け、これを審議する。
第16条
総会は、第12章及び第13章に基いて与えられる国際信託統治制度に関する任務を遂行する。この任務には、戦略地区として指定されない地区に関する信託統治協定の承認が含まれる。
第17条
総会は、この機構の予算を審議し、且つ、承認する。
この機構の経費は、総会によって割り当てられるところに従って、加盟国が負担する。
総会は、第57条に掲げる専門機関との財政上及び予算上の取極を審議し、且つ、承認し、並びに、当該専門機関に勧告をする目的で、この専門機関の行政的予算を検査する。
第18条
総会の各構成国は、1個の投票権を有する。
重要問題に関する総会の決定は、出席し且つ投票する構成国の3分の2の多数によって行われる。重要問題には、国際の平和及び安全の維持に関する勧告、安全保障理事会の非常任理事国の選挙、経済社会理事会の理事国の選挙、第86条1cによる信託統治理事会の理事国の選挙、新加盟国の国際連合への加盟の承認、加盟国としての権利及び特権の停止、加盟国の除名、信託統治制度の運用に関する問題並びに予算問題が含まれる。
その他の問題に関する決定は、3分の2の多数によって決定されるべき問題の新たな部類の決定を含めて、出席し且つ投票する構成国の過半数によって行われる。
第19条
この機構に対する分担金の支払が延滞している国際連合加盟国は、その延滞金の額がその時までの満2年間にその国から支払われるべきであった分担金の額に等しいか又はこれをこえるときは、総会で投票権を有しない。但し、総会は、支払いの不履行がこのような加盟国にとってやむを得ない事情によると認めるときは、その加盟国に投票を許すことができる。
第20条
総会は、年次通常会期として、また、必要がある場合に特別会期として会合する。特別会期は、安全保障理事会の要請又は国際連合加盟国の過半数の要請があったとき、事務総長が招集する。
第21条
総会は、その手続規則を採択する。総会は、その議長を会期ごとに選挙する。
第22条
総会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。
第5章 安全保障理事会
第23条
安全保障理事会は、15の国際連合加盟国で構成する。総会は、第一に国際の平和及び安全の維持とこの機構のその他の目的とに対する国際連合加盟国の貢献に、更に衡平な地理的分配に特に妥当な考慮を払って、安全保障理事会の非常任理事国となる他の10の国際連合加盟国を選挙する。
安全保障理事会の非常任理事国は、2年の任期で選挙される。安全保障理事会の理事国の定数が11から15に増加された後の第1回の非常任理事国の選挙では、追加の4理事国のうち2理事国は、1年の任期で選ばれる。退任理事国は、引き続いて再選される資格はない。
安全保障理事会の各理事国は、1人の代表を有する。
第24条
国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動することに同意する。
前記の義務を果すに当たっては、安全保障理事会は、国際連合の目的及び原則に従って行動しなければならない。この義務を果すために安全保障理事会に与えられる特定の権限は、第6章、第7章、第8章及び第12章で定める。
安全保障理事会は、年次報告を、また、必要があるときは特別報告を総会に審議のため提出しなければならない。
第25条
国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する。
第26条
世界の人的及び経済的資源を軍備のために転用することを最も少くして国際の平和及び安全の確立及び維持を促進する目的で、安全保障理事会は、軍備規制の方式を確立するため国際連合加盟国に提出される計画を、第47条に掲げる軍事参謀委員会の援助を得て、作成する責任を負う。
第27条
安全保障理事会の各理事国は、1個の投票権を有する。
手続事項に関する安全保障理事会の決定は、9理事国の賛成投票によって行われる。
その他のすべての事項に関する安全保障理事会の決定は、常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票によって行われる。但し、第6章及び第52条3に基く決定については、紛争当事国は、投票を棄権しなければならない。
第28条
安全保障理事会は、継続して任務を行うことができるように組織する。このために、安全保障理事会の各理事国は、この機構の所在地に常に代表者をおかなければならない。
安全保障理事会は、定期会議を開く。この会議においては、各理事国は、希望すれば、閣員または特に指名する他の代表者によって代表されることができる。
安全保障理事会は、その事業を最も容易にすると認めるこの機構の所在地以外の場所で、会議を開くことができる。
第29条
安全保障理事会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。
第30条
安全保障理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。
第31条
安全保障理事会の理事国でない国際連合加盟国は、安全保障理事会に付託された問題について、理事会がこの加盟国の利害に特に影響があると認めるときはいつでも、この問題の討議に投票権なしで参加することができる。
第32条
安全保障理事会の理事国でない国際連合加盟国又は国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の審議中の紛争の当事者であるときは、この紛争に関する討議に投票権なしで参加するように勧誘されなければならない。安全保障理事会は、国際連合加盟国でない国の参加のために公正と認める条件を定める。
第6章 紛争の平和的解決
第33条
いかなる紛争でも継続が国際の平和及び安全の維持を危うくする虞のあるものについては、その当事者は、まず第一に、交渉、審査、仲介、調停、仲裁裁判、司法的解決、地域的機関又は地域的取極の利用その他当事者が選ぶ平和的手段による解決を求めなければならない。
安全保障理事会は、必要と認めるときは、当事者に対して、その紛争を前記の手段によって解決するように要請する。
第34条
安全保障理事会は、いかなる紛争についても、国際的摩擦に導き又は紛争を発生させる虞のあるいかなる事態についても、その紛争または事態の継続が国際の平和及び安全の維持を危うくする虞があるかどうかを決定するために調査することができる。
第35条
国際連合加盟国は、いかなる紛争についても、第34条に掲げる性質のいかなる事態についても、安全保障理事会又は総会の注意を促すことができる。
国際連合加盟国でない国は、自国が当事者であるいかなる紛争についても、この憲章に定める平和的解決の義務をこの紛争についてあらかじめ受諾すれば、安全保障理事会又は総会の注意を促すことができる。
本条に基いて注意を促された事項に関する総会の手続は、第11条及び第12条の規定に従うものとする。
第36条
安全保障理事会は、第33条に掲げる性質の紛争又は同様の性質の事態のいかなる段階においても、適当な調整の手続又は方法を勧告することができる。
安全保障理事会は、当事者が既に採用した紛争解決の手続を考慮に入れなければならない。
本条に基いて勧告をするに当っては、安全保障理事会は、法律的紛争が国際司法裁判所規程の規定に従い当事者によって原則として同裁判所に付託されなければならないことも考慮に入れなければならない。
第37条
第33条に掲げる性質の紛争の当事者は、同条に示す手段によってこの紛争を解決することができなかったときは、これを安全保障理事会に付託しなければならない。
安全保障理事会は、紛争の継続が国際の平和及び安全の維持を危うくする虞が実際にあると認めるときは、第36条に基く行動をとるか、適当と認める解決条件を勧告するかのいずれかを決定しなければならない。
第38条
第33条から第37条までの規定にかかわらず、安全保障理事会は、いかなる紛争についても、すべての紛争当事者が要請すれば、その平和的解決のためにこの当事者に対して勧告をすることができる。
第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動
第39条
安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。
第40条
事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当時者がこの暫定措置に従わなかったときは、そのことに妥当な考慮を払わなければならない。
第41条
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。
第42条
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。
第43条
国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ1又は2以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間又は安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。
第44条
安全保障理事会は、兵力を用いることに決定したときは、理事会に代表されていない加盟国に対して第43条に基いて負った義務の履行として兵力を提供するように要請する前に、その加盟国が希望すれば、その加盟国の兵力中の割当部隊の使用に関する安全保障理事会の決定に参加するようにその加盟国を勧誘しなければならない。
第45条
国際連合が緊急の軍事措置をとることができるようにするために、加盟国は、合同の国際的強制行動のため国内空軍割当部隊を直ちに利用に供することができるように保持しなければならない。これらの割当部隊の数量及び出動準備程度並びにその合同行動の計画は、第43条に掲げる1又は2以上の特別協定の定める範囲内で、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が決定する。
第46条
兵力使用の計画は、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が作成する。
第47条
国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の軍事的要求、理事会の自由に任された兵力の使用及び指揮、軍備規制並びに可能な軍備縮小に関するすべての問題について理事会に助言及び援助を与えるために、軍事参謀委員会を設ける。
軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。この委員会に常任委員として代表されていない国際連合加盟国は、委員会の責任の有効な遂行のため委員会の事業へのその国の参加が必要であるときは、委員会によってこれと提携するように勧誘されなければならない。
軍事参謀委員会は、安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。この兵力の指揮に関する問題は、後に解決する。
軍事参謀委員会は、安全保障理事会の許可を得て、且つ、適当な地域的機関と協議した後に、地域的小委員会を設けることができる。
第48条
国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の決定を履行するのに必要な行動は、安全保障理事会が定めるところに従って国際連合加盟国の全部または一部によってとられる。
前記の決定は、国際連合加盟国によって直接に、また、国際連合加盟国が参加している適当な国際機関におけるこの加盟国の行動によって履行される。
第49条
国際連合加盟国は、安全保障理事会が決定した措置を履行するに当って、共同して相互援助を与えなければならない。
第50条
安全保障理事会がある国に対して防止措置又は強制措置をとったときは、他の国でこの措置の履行から生ずる特別の経済問題に自国が当面したと認めるものは、国際連合加盟国であるかどうかを問わず、この問題の解決について安全保障理事会と協議する権利を有する。
第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。
第8章 地域的取極
第52条
この憲章のいかなる規定も、国際の平和及び安全の維持に関する事項で地域的行動に適当なものを処理するための地域的取極又は地域的機関が存在することを妨げるものではない。但し、この取極又は機関及びその行動が国際連合の目的及び原則と一致することを条件とする。
前記の取極を締結し、又は前記の機関を組織する国際連合加盟国は、地方的紛争を安全保障理事会に付託する前に、この地域的取極または地域的機関によってこの紛争を平和的に解決するようにあらゆる努力をしなければならない。
安全保障理事会は、関係国の発意に基くものであるか安全保障理事会からの付託によるものであるかを問わず、前記の地域的取極又は地域的機関による地方的紛争の平和的解決の発達を奨励しなければならない。
本条は、第34条及び第35条の適用をなんら害するものではない。
第53条
安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。
第54条
安全保障理事会は、国際の平和及び安全の維持のために地域的取極に基いて又は地域的機関によって開始され又は企図されている活動について、常に充分に通報されていなければならない。
第9章 経済的及び社会的国際協力
第55条
人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の平和的且つ友好的関係に必要な安定及び福祉の条件を創造するために、国際連合は、次のことを促進しなければならない。
一層高い生活水準、完全雇用並びに経済的及び社会的の進歩及び発展の条件
経済的、社会的及び保健的国際問題と関係国際問題の解決並びに文化的及び教育的国際協力
人種、性、言語または宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守
第56条
すべての加盟国は、第55条に掲げる目的を達成するために、この機構と協力して、共同及び個別の行動をとることを誓約する。
第57条
政府間の協定によって設けられる各種の専門機関で、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野並びに関係分野においてその基本的文書で定めるところにより広い国際的責任を有するものは、第63条の規定に従って国際連合と連携関係をもたされなければならない。
こうして国際連合と連携関係をもたされる前記の機関は、以下専門機関という。
第58条
この機構は、専門機関の政策及び活動を調整するために勧告をする。
第59条
この機構は、適当な場合には、第55条に掲げる目的の達成に必要な新たな専門機関を設けるために関係国間の交渉を発議する。
第60条
この章に掲げるこの機構の任務を果す責任は、総会及び、総会の権威の下に、経済社会理事会に課せられる。理事会は、このために第10章に掲げる権限を有する。
第10章 経済社会理事会
第61条
経済社会理事会は、総会によって選挙される54の国際連合加盟国で構成する。
3の規定を留保して、経済社会理事会の18理事国は、3年の任期で毎年選挙される。退任理事国は、引き続いて再選される資格がある。
経済社会理事会の理事国の定数が27から54に増加された後の第1回の選挙では、その年の終わりに任期が終了する9理事国に代って選挙される理事国に加えて、更に27理事国が選挙される。このようにして選挙された追加の27理事国のうち、総会の定めるところに従って、9理事国の任期は1年の終りに、他の9理事国の任期は2年の終りに終了する。
経済社会理事会の各理事国は、1人の代表者を有する。
第62条
経済社会理事会は、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的国際事項並びに関係国際事項に関する研究及び報告を行い、または発議し、並びにこれらの事項に関して総会、国際連合加盟国及び関係専門機関に勧告をすることができる。
理事会は、すべての者のための人権及び基本的自由の尊重及び遵守を助長するために、勧告をすることができる。
理事会は、その権限に属する事項について、総会に提出するための条約案を作成することができる。
理事会は、国際連合の定める規則に従って、その権限に属する事項について国際会議を招集することができる。
第63条
経済社会理事会は、第57条に掲げる機関のいずれとの間にも、その機関が国際連合と連携関係をもたされるについての条件を定める協定を締結することができる。この協定は、総会の承認を受けなければならない。
理事会は、専門機関との協議及び専門機関に対する勧告並びに総会及び国際連合加盟国に対する勧告によって、専門機関の活動を調整することができる。
第64条
経済社会理事会は、専門機関から定期報告を受けるために、適当な措置をとることができる。理事会は、理事会の勧告と理事会の権限に属する事項に関する総会の勧告とを実施するためにとられた措置について報告を受けるため、国際連合加盟国及び専門機関と取極を行うことができる。
理事会は、前記の報告に関するその意見を総会に通報することができる。
第65条
経済社会理事会は、安全保障理事会に情報を提供することができる。経済社会理事会は、また、安全保障理事会の要請があったときは、これを援助しなければならない。
第66条
経済社会理事会は、総会の勧告の履行に関して、自己の権限に属する任務を遂行しなければならない。
理事会は、国際連合加盟国の要請があったとき、又は専門機関の要請があったときは、総会の承認を得て役務を提供することができる。
理事会は、この憲章の他の箇所に定められ、または総会によって自己に与えられるその他の任務を遂行しなければならない。
第67条
経済社会理事会の各理事国は、1個の投票権を有する。
経済社会理事会の決定は、出席し且つ投票する理事国の過半数によって行われる。
第68条
経済社会理事会は、経済的及び社会的分野における委員会、人権の伸張に関する委員会並びに自己の任務の遂行に必要なその他の委員会を設ける。
第69条
経済社会理事会は、いずれの国際連合加盟国に対しても、その加盟国に特に関係のある事項についての審議に投票権なしで参加するように勧誘しなければならない。
第70条
経済社会理事会は、専門機関の代表者が理事会の審議及び理事会の設ける委員会の審議に投票権なしで参加するための取極並びに理事会の代表者が専門機関の審議に参加するための取極を行うことができる。
第71条
経済社会理事会は、その権限内にある事項に関係のある民間団体と協議するために、適当な取極を行うことができる。この取極は、国際団体との間に、また、適当な場合には、関係のある国際連合加盟国と協議した後に国内団体との間に行うことができる。
第72条
経済社会理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。
経済社会理事会は、その規則に従って必要があるときに会合する。この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならない。
第11章 非自治地域に関する宣言
第73条
人民がまだ完全に自治を行うに至っていない地域の施政を行う責任を有し、又は引き受ける国際連合加盟国は、この地域の住民の利益が至上のものであるという原則を承認し、且つ、この地域の住民の福祉をこの憲章の確立する国際の平和及び安全の制度内で最高度まで増進する義務並びにそのために次のことを行う義務を神聖な信託として受託する。
関係人民の文化を充分に尊重して、この人民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩、公正な待遇並びに虐待からの保護を確保すること。
各地域及びその人民の特殊事情並びに人民の進歩の異なる段階に応じて、自治を発達させ、人民の政治的願望に妥当な考慮を払い、且つ、人民の自由な政治制度の斬新的発達について人民を援助すること。
国際の平和及び安全を増進すること。
本条に掲げる社会的、経済的及び科学的目的を実際に達成するために、建設的な発展措置を促進し、研究を奨励し、且つ、相互に及び適当な場合には専門国際団体と協力すること。
第12章及び第13章の適用を受ける地域を除く外、前記の加盟国がそれぞれ責任を負う地域における経済的、社会的及び教育的状態に関する専門的性質の統計その他の資料を、安全保障及び憲法上の考慮から必要な制限に従うことを条件として、情報用として事務総長に定期的に送付すること。
第74条
国際連合加盟国は、また、本章の適用を受ける地域に関するその政策を、その本土に関する政策と同様に、世界の他の地域の利益及び福祉に妥当な考慮を払った上で、社会的、経済的及び商業的事項に関して善隣主義の一般原則に基かせなければならないことに同意する。
第12章 国際信託統治制度
第75条
国際連合は、その権威の下に、国際信託統治制度を設ける。この制度は、今後の個々の協定によってこの制度の下におかれる地域の施政及び監督を目的とする。この地域は、以下信託統治地域という。
第76条
信託統治制度の基本目的は、この憲章の第1条に掲げる国際連合の目的に従って、次のとおりとする。
国際の平和及び安全を増進すること。
信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩を促進すること。各地域及びその人民の特殊事情並びに関係人民が自由に表明する願望に適合するように、且つ、各信託統治協定の条項が規定するところに従って、自治または独立に向っての住民の漸進的発達を促進すること。
人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように奨励し、且つ、世界の人民の相互依存の認識を助長すること。
前記の目的の達成を妨げることなく、且つ、第80条の規定を留保して、すべての国際連合加盟国及びその国民のために社会的、経済的及び商業的事項について平等の待遇を確保し、また、その国民のために司法上で平等の待遇を確保すること。
第77条
信託統治制度は、次の種類の地域で信託統治協定によってこの制度の下におかれるものに適用する。
現に委任統治の下にある地域
第二次世界大戦の結果として敵国から分離される地域
施政について責任を負う国によって自発的にこの制度の下におかれる地域
前記の種類のうちのいずれの地域がいかなる条件で信託統治制度の下におかれるかについては、今後の協定で定める。
第78条
国際連合加盟国の間の関係は、主権平等の原則の尊重を基礎とするから、信託統治制度は、加盟国となった地域には適用しない。
第79条
信託統治制度の下におかれる各地域に関する信託統治の条項は、いかなる変更又は改正も含めて、直接関係国によって協定され、且つ、第83条及び第 85条に規定するところに従って承認されなければならない。この直接関係国は、国際連合加盟国の委任統治の下にある地域の場合には、受任国を含む。
第80条
第77条、第79条及び第81条に基いて締結され、各地域を信託統治制度の下におく個々の信託統治協定において協定されるところを除き、また、このような協定が締結される時まで、本章の規定は、いずれの国又はいずれの人民のいかなる権利をも、また、国際連合加盟国がそれぞれ当事国となっている現存の国際文書の条項をも、直接又は間接にどのようにも変更するものと解釈してはならない。
本条1は、第77条に規定するところに従って委任統治地域及びその他の地域を信託統治制度の下におくための協定の交渉及び締結の遅滞又は延期に対して、根拠を与えるものと解釈してはならない。
第81条
信託統治協定は、各場合において、信託統治地域の施政を行うについての条件を含み、且つ、信託統治地域の施政を行う当局を指定しなければならない。この当局は、以下施政権者といい、1若しくは2以上の国またはこの機構自身であることができる。
第82条
いかなる信託統治協定においても、その協定が適用される信託統治地域の一部又は全部を含む1又は2以上の戦略地区を指定することができる。但し、第43条に基いて締結される特別協定を害してはならない。
第83条
戦略地区に関する国際連合のすべての任務は、信託統治協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、安全保障理事会が行う。
第76条に掲げる基本目的は、各戦略地区の人民に適用する。
安全保障理事会は、国際連合の信託統治制度に基く任務で戦略地区の政治的、経済的、社会的及び教育的事項に関するものを遂行するために、信託統治理事会の援助を利用する。但し、信託統治協定の規定には従うものとし、また、安全保障の考慮が妨げられてはならない。
第84条
信託統治地域が国際の平和及び安全の維持についてその役割を果すようにすることは、施政権者の義務である。このため、施政権者は、この点に関して安全保障理事会に対して負う義務を履行するに当って、また、地方的防衛並びに信託統治地域における法律及び秩序の維持のために、信託統治地域の義勇軍、便益及び援助を利用することができる。
第85条
戦略地区として指定されないすべての地区に関する信託統治協定についての国際連合の任務は、この協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、総会が行う。
総会の権威の下に行動する信託統治理事会は、前記の任務の遂行について総会を援助する。
第13章 信託統治理事会
第86条
信託統治理事会は、次の国際連合加盟国で構成する。
信託統治地域の施政を行う加盟国
第23条に名を掲げる加盟国で信託統治地域の施政を行っていないもの
総会によって3年の任期で選挙されるその他の加盟国。その数は、信託統治理事会の理事国の総数を、信託統治地域の施政を行う国際連合加盟国とこれを行っていないものとの間に均分するのに必要な数とする。
信託統治理事会の各理事国は、理事会で自国を代表する特別の資格を有する者1人を指名しなければならない。
第87条
総会及び、その権威の下に、信託統治理事会は、その任務の遂行に当って次のことを行うことができる。
施政権者の提出する報告を審議すること。
請願を受理し、且つ、施政権者と協議してこれを審査すること。
施政権者と協定する時期に、それぞれの信託統治地域の定期視察を行わせること。
信託統治協定の条項に従って、前記の行動その他の行動をとること。
第88条
信託統治理事会は、各信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩に関する質問書を作成しなければならない。また、総会の権限内にある各信託統治地域の施政権者は、この質問書に基いて、総会に年次報告を提出しなければならない。
第89条
信託統治理事会の各理事国は、1個の投票権を有する。
信託統治理事会の決定は、出席し且つ投票する理事国の過半数によって行われる。
第90条
信託統治理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。
信託統治理事会は、その規則に従って必要があるときに会合する。この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならない。
第91条
信託統治理事会は、適当な場合には、経済社会理事会及び専門機関がそれぞれ関係している事項について、両者の援助を利用する。
第14章 国際司法裁判所
第92条
国際司法裁判所は、国際連合の主要な司法機関である。この裁判所は、付属の規程に従って任務を行う。この規定は、常設国際司法裁判所規程を基礎とし、且つ、この憲章と不可分の一体をなす。
第93条
すべての国際連合加盟国は、当然に、国際司法裁判所規程の当事国となる。
国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が各場合に決定する条件で国際司法裁判所規程の当事国となることができる。
第94条
各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する。
事件の一方の当事者が裁判所の与える判決に基いて自国が負う義務を履行しないときは、他方の当事者は、安全保障理事会に訴えることができる。理事会は、必要と認めるときは、判決を執行するために勧告をし、又はとるべき措置を決定することができる。
第95条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国が相互間の紛争の解決を既に存在し又は将来締結する協定によって他の裁判所に付託することを妨げるものではない。
第96条
総会又は安全保障理事会は、いかなる法律問題についても勧告的意見を与えるように国際司法裁判所に要請することができる。
国際連合のその他の機関及び専門機関でいずれかの時に総会の許可を得るものは、また、その活動の範囲内において生ずる法律問題について裁判所の勧告的意見を要請することができる。
第15章 事務局
第97条
事務局は、1人の事務総長及びこの機構が必要とする職員からなる。事務総長は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が任命する。事務総長は、この機構の行政職員の長である。
第98条
事務総長は、総会、安全保障理事会、経済社会理事会及び信託統治理事会のすべての会議において事務総長の資格で行動し、且つ、これらの機関から委託される他の任務を遂行する。事務総長は、この機構の事業について総会に年次報告を行う。
第99条
事務総長は、国際の平和及び安全の維持を脅威すると認める事項について、安全保障理事会の注意を促すことができる。
第100条
事務総長及び職員は、その任務の遂行に当って、いかなる政府からも又はこの機構外のいかなる他の当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務総長及び職員は、この機構に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。
各国際連合加盟国は、事務総長及び職員の責任のもっぱら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者が責任を果すに当ってこれらの者を左右しようとしないことを約束する。
第101条
職員は、総会が設ける規則に従って事務総長が任命する。
経済社会理事会、信託統治理事会及び、必要に応じて、国際連合のその他の機関に、適当な職員を常任として配属する。この職員は、事務局の一部をなす。
職員の雇用及び勤務条件の決定に当って最も考慮すべきことは、最高水準の能率、能力及び誠実を確保しなければならないことである。職員をなるべく広い地理的基礎に基いて採用することの重要性については、妥当な考慮を払わなければならない。
第16章 雑則
第102条
この憲章が効力を生じた後に国際連合加盟国が締結するすべての条約及びすべての国際協定は、なるべくすみやかに事務局に登録され、且つ、事務局によって公表されなければならない。
前記の条約または国際協定で本条1の規定に従って登録されていないものの当事国は、国際連合のいかなる機関に対しても当該条約または協定を援用することができない。
第103条
国際連合加盟国のこの憲章に基く義務と他のいずれかの国際協定に基く義務とが抵触するときは、この憲章に基く義務が優先する。
第104条
この機構は、その任務の遂行及びその目的の達成のために必要な法律上の能力を各加盟国の領域において亨有する。
第105条
この機構は、その目的の達成に必要な特権及び免除を各加盟国の領域において亨有する。
これと同様に、国際連合加盟国の代表者及びこの機構の職員は、この機構に関連する自己の任務を独立に遂行するために必要な特権及び免除を亨有する。
総会は、本条1及び2の適用に関する細目を決定するために勧告をし、又はそのために国際連合加盟国に条約を提案することができる。
第17章 安全保障の過渡的規定
第106条
第43条に掲げる特別協定でそれによって安全保障理事会が第42条に基く責任の遂行を開始することができると認めるものが効力を生ずるまでの間、 1943年10月30日にモスコーで署名された4国宣言の当事国及びフランスは、この宣言の第5項の規定に従って、国際の平和及び安全の維持のために必要な共同行動をこの機構に代ってとるために相互に及び必要に応じて他の国際連合加盟国と協議しなければならない。
第107条
この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。
第18章 改正
第108条
この憲章の改正は、総会の構成国の3分の2の多数で採択され、且つ、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の3分の2によって各自の憲法上の手続に従って批准された時に、すべての国際連合加盟国に対して効力を生ずる。
第109条
この憲章を再審議するための国際連合加盟国の全体会議は、総会の構成国の3分の2の多数及び安全保障理事会の9理事会の投票によって決定される日及び場所で開催することができる。各国際連合加盟国は、この会議において1個の投票権を有する。
全体会議の3分の2の多数によって勧告されるこの憲章の変更は、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の3分の2によって各自の憲法上の手続に従って批准された時に効力を生ずる。
この憲章の効力発生後の総会の第10回年次会期までに全体会議が開催されなかった場合には、これを招集する提案を総会の第10回年次会期の議事日程に加えなければならず、全体会議は、総会の構成国の過半数及び安全保障理事会の7理事国の投票によって決定されたときに開催しなければならない。
第19章 批准及び署名
第110条
この憲章は、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない.
・以上の証拠として、連合国政府の代表者は、この憲章に署名した。
・1945年6月26日にストックホルム市で作成した。