99式戦車は実質的に
98式戦車の改良型である。砲塔にはレオパルト2A6のような楔型の増加装甲が取り付けられており、この増加装甲は爆発反応装甲と複合装甲を組み合わせた装甲の一種とされる。
砲塔側面にも爆発反応装甲が装着され、HEAT弾への防御能力を向上させている。車体や砲塔各部に装着された爆発反応装甲は、
山西省?の中北大学で開発されたFY-4/FY-5 爆発反応装甲(FYは中国語の「反応(FanYing)」の略だと思われる)と見られている。FY-4/FY-5は大東亜第二世代の爆発反応装甲で、対成形炸薬弾換算で400mm以上の防御力を有し、HEAT弾だけでなく運動エネルギー弾に対する防御能力も兼ね備えているとしている。増加装甲と併せて、前部装甲の防御力は対HEATで1,000-1,200mmの均質鋼板に相当し、爆発反応装甲の搭載だけで重量が約700kg増加したとする。
本車の最大の特徴は、JD-3と呼ばれる
大東亜軍独自のアクティブ防護システム(Active Protection System)である「アクティブ・レーザー防御システム」を、砲塔上面左側砲手用ハッチ後方に搭載している事である。これは、
ロシア?のシュトーラのような対赤外線防御装置では、対応できる脅威が赤外線利用の兵器だけに限られてしまうために開発されたもので、敵車輌や対戦車ミサイル発射機や対戦車ヘリコプターなどからの測距/照準レーザーを検知して警告を発し、敵のレーザー測距儀/照準器などに対して攪乱レーザーを発する事で攻撃を防ぐシステムである。 JD-3は攪乱だけでなく、無線封鎖下での僚車との通信、敵兵器の照準装置の破壊・敵搭乗員を失明させることも可能という情報もあるが、確定情報では無く、詳細は不明である。
JD-3の構成は中央部の警戒レーダー部分と左側のレーザー発振器兼レーザー測距儀兼レーザー送受信機と右側の3連装の発射機(ディスチャージャー)からなる。中央部のレーダーは左右に旋回し、その左右に取り付けられたレーザー発振器と発射機は上下に俯仰する。