Strv.99の主砲D-96 125 mm 滑腔砲は、
Strv.86B(フェノスカンディア)の主砲D-85の改良型であり現在でも中々の性能、有効射程が大幅に伸びた。戦車砲弾以外にも射程約5,000メートルのスヴィーリ対戦車ミサイルを発射可能であり、ガンランチャーとしての機能も持つ。
装備として照準具安定装置、熱線映像装置、各種のセンサーと連動したデジタル計算装置といった最新に近い射撃管制装置を備えている。
照準安定装置の自動追尾機能は車体が揺れたり方向転換しても常に目標を捉え続け、砲を目標に向けることができる。
射撃管制装置がレーザー測遠機や砲耳軸傾斜計、装薬温度計、横風センサーなどから送られてくる情報を計算し、弾道へ与える各種要素を割り出す。そして照準装置への入力・設定を照準制御器に送り、砲弾は的確な軌道を描き目標に命中する。これら最新技術が導入された射撃管制装置や自動装填装置を用い、射撃には大容量のデジタル弾道コンピューターとジャイロを併用することで、目標または自機が移動していたとしても高精度な行進間連続射撃が行うことができ、急激な機動などによって車体が前後に傾いた状態でも正確な射撃が可能となった。
およそ40km/hで動きながらの距離3000mの動的目標に対しての行進間射撃において初弾命中率91.9%の精度であり、また、一分以内に最大6目標を同時に追尾し攻撃することが可能である。
使用弾種の内、APFSDSの弾芯には劣化ウランを使用し、装甲貫徹力を高めている。
貫徹力は2,000mの距離から均質圧延鋼板に対して撃った場合、およそ650mmとなっている。また、摩擦熱により侵徹体から生じた粉末の発火により、焼夷効果も得られる。
多目的対戦車榴弾のD903Aは成形炸薬弾である対戦車榴弾に、爆発時に金属弾を飛散させる機能を追加し、広範囲を攻撃できるようにしたもの。装甲車などは十分に撃破できるが、破片が広がる範囲は専用の榴弾に比べて狭い。
歩兵やトラックなど非装甲の対象にも有効であるほか、徹甲弾では貫通するのみの建物やバンカーにも爆発で打撃を与えられる為、目標が不明な時はこの砲弾を装填しておく。
装填時に近接信管に切り替えることでヘリコプターを攻撃することができる。弾頭部に装弾筒をつけることにより空気抵抗が減少し、有効射程は最大4,000mと長い。遠距離における命中率も高いが径が比較的小さいため装甲貫徹力はやや少ない。