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MCI-04歩兵戦闘車
要目
全長7.2m
全幅2.8m
全高2.4m
重量25t(最小戦闘重量)
32t(最大戦闘重量)
速度75km/h(整地)
50km/h(不整地)
(いずれも最大戦闘重量時)
乗員3名+兵員9名輸送可能
搭載兵装105mm低圧滑腔砲
37mm機関砲(主砲同軸)
12.7mm重機関銃(砲塔上面)
7.62mm機関銃(主砲同軸)
エンジン1000馬力ディーゼルエンジン

概要

MCI-04歩兵戦闘車は、第四連邦軍の歩兵戦闘車。汎用装軌式車両のコンポーネント共通化計画「ロボ(狼)」に基づき開発された。従来のMCI-84を代替する歩兵戦闘車であり、歩兵戦闘車としては異例の大火力を有している。また、新規設計の砲塔と車体を採用したことで、現場の要請に設計が最適化されており、従来の歩兵戦闘車よりも実際の戦場で効果的に能力を発揮することが予測されている。2003年より量産が始まり、翌年「MCI-04」の制式名称が発表された。また、「ロボ」車体を基に、2012年に新型歩兵戦闘車である「MCI-12」が発表され、今後相互を補完する形で配備が進められることとなった。

開発経緯

第四連邦軍では、1959年に歩兵戦闘車というジャンルの装甲戦闘車量の先駆けとなったMCI-60を開発して以降、MCI-72、MCI-84と各種歩兵戦闘車を開発してきた。23mm機関砲を搭載していたMCI-60の武装強化型として30mm機関砲を搭載するMCI-72が開発され、これに対抗する形で出現した米国のM2ブラドッレーに対抗するため、37mm機関砲を搭載するMCI-84が開発された。これらの歩兵戦闘車は、強力な突破力を有する戦車部隊に随伴、敵の戦車を除く各種装甲車両を強力な機関砲で撃破、敵戦車に対しては友軍戦車の応援を待ちつつ、対戦車ミサイルによる自衛戦闘を行う、という設計思想に基づいて開発されていた。
しかし1990年代に入ると、第四連邦軍は、強固に構築された敵の防御線に対抗するには、第一梯団の部隊をパッケージ化された高い戦術突破力を有する部隊で構成、全戦線を「断片化」した上で各部隊による調整攻撃を行うことが効果的だとの結論を出した。このため、各種装甲戦闘車両に対しても、今までよりも一層の重武装化が必要とされた。これにより、まずMBTP-82装甲兵員輸送車に旧式化したMCI-72歩兵戦闘車の砲塔を搭載したMBTP-96が開発された。これが比較的成功を収めたため、歩兵戦闘車に対しても重武装化が検討されるようになった。ここで、ロシア軍のBMP-3が注目され、敵陣地を大口径低圧砲で粉砕し、敵車両を強力な機関砲で撃破する歩兵戦闘車のコンセプトがまとめられた。

MCI-04の開発は「ロボ」共通化計画を基に1998年から開始された。「ロボ」共通化計画の詳細については当該ページ?を参照されたいが、ここで概要を説明すると、共通の駆動装置、懸架装置、車体を基に、歩兵戦闘車、自走迫撃砲、自走対空砲、自走地対空ミサイル、自走榴弾砲を開発する、という計画で、これにより、歩兵戦闘車を装備する自動車化ライフル兵連隊または自動車化ライフル兵旅団以下の階梯で使用される戦闘用車両の車体設計を共通化し、整備性と調達性を大幅に向上させることを目的とする計画であった。これに基づき、「ロボ」共通車体を基に開発された歩兵戦闘車がMCI-04である。

設計

火器

主砲と砲弾
MCI-04は主砲に、第四連邦の国産低圧砲である「PB-97」を搭載する。これは、従来の30mm機関砲や37mm機関砲が陣地攻撃に不適切であるために開発された武装である。「PB-97」は高低圧理論を応用した低圧砲であり、口径105mm、最大薬室圧力250MPaとなっている。破片効果榴弾「APE-97」、粘着榴弾「APE-98」、サーモバリック弾「AI-99」などの各種砲弾や、「MAT-92」や「MAT-01」などの各種対戦車ミサイルを撃ちだすことができる。主砲は上下左右ともに0.1ミル単位で電気式2軸安定化を受けているため、目標を追尾し続けることができる。
「APE-97」は通常の破片効果榴弾で、重量16kg、炸薬量4kg、砲口初速は700m/sである。後述の火器管制システムと組み合わせることにより、レーザー測距装置を用いて目標位置を計測し、時限信管による曳火射撃を行うことも可能となっている。低初速で弾殻が薄くなっていることから、貫通力は均質圧延装甲換算で40mmに過ぎないが、その分炸薬量が増加しているため、より小さな断片をより高初速で多数生成することができ、主に野戦において対戦車班などソフトスキンの排除などに使用される。
「APE-98」は「APE-97」を補う目的で開発された粘着榴弾で、重量16.2kg、炸薬量3.6kg、砲口初速は690m/sである。射距離に関係なく、170~180mm程度の均質圧延装甲を貫通することが可能である。主に、トーチカや、市街戦における建物内の敵対戦車班や狙撃兵の排除に使用される。
「AI-99」はサーモバリック爆薬を弾頭に使用する砲弾で、重量15.8kg、砲口初速は700m/sである。破片効果ではなく、爆風によって敵の兵員を殺傷する。このため、火炎放射器を搭載した火炎放射戦車と同様の運用となる。主に、トーチカや、市街戦における建物内の敵対戦車班や狙撃兵の排除に使用される。
「MAT-92」は100mm口径の小型軽量な対戦車ミサイルで、90年代前半に歩兵支援用としてまだ現役だった105mm砲搭載型のT-69やT-74といった第2世代および第2.5世代主力戦車に向けて開発された対戦車ミサイルである。レーザービームラインディング方式を採用しており、レーザー測距装置のレーザーにより誘導される。中間誘導でケーブルやワイヤーを必要としないため、マッハ2.5の高速で飛翔することができる。ただし、後述する「MAT-01」と比べると、トップアタックモードを有さないため、第3.5世代主力戦車に対して正面攻撃では撃破困難とも言われている。射程はおよそ6000mである。弾頭はタンデムHEAT弾頭となっていて、およそ800mmの装甲貫徹能力を持つ。戦車の他、低速で低空を飛行中の攻撃ヘリなども交戦の対象となる。
「MAT-01」はMCI-04などの歩兵戦闘車向けに、軽量でかつ撃ちっぱなしが可能な対戦車ミサイルとして開発されており、歩兵携行式の小型対戦車ミサイル「MAT-99」と共通の非冷却型赤外線画像シーカーを採用している。中間誘導でケーブルやワイヤーを必要としないが、赤外線画像シーカーにより敵車両を適切に識別するため、速度はマッハ0.9と高亜音速に抑えられている。射程はおよそ4000~5000mである。弾頭はタンデムHEAT弾頭となっていて、およそ700mmの装甲貫徹能力を持つ。トップアタックモードを有しているため、第3.5世代主力戦車であっても脆弱な天板装甲を狙い撃ちすることで撃破可能とされている。戦車の他、低速で低空を飛行中の攻撃ヘリなども交戦の対象となる。
砲発射式の対戦車ミサイルは、そうでない対戦車ミサイルと比較し、後方噴射炎が非常に小さいため、発射直後に発射点が敵に暴露するリスクが低く、特に防御戦闘において有利である。
主砲用装填装置
自動装填装置は、車体をコンパクトにまとめるため、T-74の方式が採用されている。マガジンは砲塔底部にあり、20発が装填される。対戦車ミサイルは自動装填装置に入らないため、手動で装填される。自動装填装置はボロンカーバイド、高強度鋼、ケブラーからなる防護壁で覆われており、被弾時の誘爆リスクを抑えている。この他、車内に105mm砲用の予備弾が16発搭載されるが、こちらも同様に装甲化されて車体底部に設置されている。
機関砲
MCI-04は主砲同軸に37mm機関砲「CA-84」を搭載している。機関砲の俯仰角は-5~60度で、戦車に随伴し、戦車主砲の攻撃範囲外である高仰角射撃や対空射撃を担当する。主砲と同様、上下左右ともに0.1ミル単位で電気式2軸安定化を受けているため、目標を追尾し続けることができる。 71口径37mm機関砲である「CA-84」は、セミオート射撃モードで60発/分、フルオート射撃モードで300発/分のレートを発揮でき、またバースト射撃モードではフルオート時と同じレートで5発の砲弾をバースト射撃する。使用する弾薬は、装甲目標に使用される「PB-84」APDSと、時限信管を搭載した多目的榴弾である「APE-84」である。
「PB-84」は劣化ウラン製の弾芯を持つAPDSで、2000m先の目標に対し均質圧延装甲換算で200~250mmの装甲貫徹力を発揮する。このAPDSを使用することで、1984年当時に存在した大半の歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車などを撃破可能で、さらに比較的装甲が薄い第2世代主力戦車以前の戦車であれば、脆弱な側背面に回り込んで射撃することで十分撃破ないしは無力化が期待できる。従来の徹甲弾と比較して高価であるため、基本的にはセミオート射撃モードで射撃するよう訓練が行われる。
「APE-84」は知能化信管を備えた榴弾であり、ソフトスキンとの交戦や対空射撃に使用される。レーザー測距装置で目標との距離を測定し、時限信管にデータを入力、ソフトスキン上空での曳火射撃を可能とする。また、近接信管を備えているため、敵のヘリコプターや無人機を標的とした対空射撃も可能である。
機関砲はデュアルフィード設計となっており、2種類の弾薬ベルトを射撃中に射手が任意に切り替えることが可能である。APDSと多目的榴弾合わせて360発が2種類の弾薬ベルトに分けて搭載される。

ベトロニクス

索敵能力
MCI-04は歩兵戦闘車でありながら、主力戦車と同等の高性能なセンサーを備えている。索敵用のセンサーとしては、車長用パノラマサイト、砲手用サイト、レーザー警戒システムが使用される。この他、アクティブ防御システム用にミリ波レーダーとESMシステムのアンテナを増設することが可能である。
車長用パノラマサイトと砲手用サイトはどちらも砲塔上部に取り付けられている。サイトは倍率1、2倍、4倍、10倍の4段階可変倍率方式で、最大倍率時の視野角は5度である。優れた画像安定化技術による高解像度のサーモグラフィーにより4km先の目標を探知し2km先の敵戦車を識別可能で、夜間戦闘での索敵能力に優れる。車長用パノラマサイトは、オーバーライド照準能力およびオーバーライド射撃能力を持っている。これらのサイトは、主砲と同様、0.1ミル単位で電気式2軸安定化を受けている。改修型のMCI-04MやMCI-04AMでは、これらセンサーが改良され、新たに1~15倍の無段階可変倍率方式のサイトと、夜間でも4km先の目標を識別可能な新型サーモグラフィーが統合され、索敵能力が大幅に向上した。

レーザー警戒システムは、敵の車両や航空機が測距に使用するレーザーを検知して警告するシステムである。これは後述する自動煙幕展開システムと組み合わせて使用される。

MCI-04では、第四連邦の歩兵戦闘車として初めて、設計当初からC4Iシステムへの適合を考慮して設計がなされている。これにより就役当初より「師団戦闘指揮システム」に対応しており、戦車や歩兵戦闘車や下車した歩兵分隊などの近接戦闘部隊と、後方の砲兵やロケット砲兵、そして指揮所を接続し、師団内において彼我の位置など戦術情報を共通図にリアルタイムに記入・情報共有することで、従来よりも戦闘効率が大幅に向上していた。さらに2009年以降順次改修が行われて「MCGC-PVC(戦闘車両向け大容量通信モジュール)」を搭載、これにより陸軍と航空宇宙軍が共同開発した「統合戦術データリンクシステム」に対応することとなった。データリンクシステムについての詳細は後述する。
射撃管制システム
MCI-04では主力戦車に匹敵するほど高性能な射撃管制システムが搭載されている。射撃管制システムの開発にあたっては、T-90主力戦車やミレニアム重主力戦車の火器管制装置の開発の経験なども参考にされているとされている。
射撃管制システムは大容量メモリを有するデジタル式射撃管制コンピューターを中核としている。ここに、EMP攻撃に対する抗堪性に優れた光ファイバーケーブルを経由して、照準器のレーザー測距装置、ストラップダウン式砲耳軸傾斜計、装薬温度計、気象センサーが結合されている。これら各種センサーからの入力諸元に基づき射撃管制コンピューターは自動で砲制御装置に各種諸元を入力、砲弾が発射され、目標に命中する。射撃管制装置は105mm低圧砲を使用する場合と、37mm機関砲を使用する場合で動作モードを切り替える。前述した砲安定化装置と合わせることで、MCI-04は高い命中精度での走行間射撃が可能である。試験では、1000m先の目標に対し低圧砲で走行間射撃を行い、次弾命中率100%を記録している。
データリンクシステム
就役当初のMCI-04では、「師団戦闘指揮システム」を搭載していた。「師団戦闘指揮システム」は従来の主力戦車が使用していた車間情報システムを発展させたものであり、師団の隷下の全ての車両および歩兵分隊の分隊長に通信端末を持たせ、さらに衛星測位システムと戦術共通図を組み合わせることにより、友軍の位置を常に共通図内で共有して同士討ちを防ぎ、また発見した目標の情報を入力することで、敵の位置を常に共通図内で共有して警戒することができる。接続されるユニットは、戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車、各分隊のみならず、砲兵、ロケット砲兵、そして指揮所と多岐に渡る。また、衛星測位システムを用いることで、道に迷って燃料を浪費する、といったことを防ぐことにもなっている。このシステムにより、下は車長級あるいは分隊長級から、上は師団長のクラスまで、あらゆる指揮官が前線の情報を正確にリアルタイムで把握し、迅速かつ適切に意思決定することができる。

MCI-04MおよびMCI-04AM以降の改修型では、「MCGC-PVC(戦闘車両向け大容量通信モジュール)」を搭載しており、陸軍と航空宇宙軍が共同開発した「統合戦術データリンクシステム」に対応している。これは従来の師団戦闘指揮システムなどのようなデータリンクシステムに代わるシステムである。「統合戦術データリンクシステム」に対応したT-15では、近接戦闘部隊統合射撃指揮システム、諸兵科統合戦闘指揮システム、砲撃支援データリンクシステム、航空支援データリンクシステムなどの各種サブシステムにアクセスできる。
近接戦闘部隊統合射撃指揮システムは、各車両のセンサー情報を、射撃管制に使用可能なサブミリ秒単位での精度を保ったまま共有するためのシステムである。主力戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車などの近接戦闘を主とする戦闘車両で使用され、同一目標への一斉射、各車両への目標割り当て、援護射撃などに利用可能である。これにより従来の無線連絡よりも高速で部隊内の意思統一を可能とする。基本的には、小隊あるいは中隊を1つの運用単位としている。また、無人機との相互通信も可能で、敵のいそうな空域に無人機を派遣、その無人機の観測情報を基に射撃する、などといった運用ができる。
諸兵科統合戦闘指揮システムは師団戦闘指揮システムを発展させたもので、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の部隊本部が装備するラップトップ端末、大隊以上の部隊本部に設置される情報処理装置を用い、各部隊の情報の共有と指揮統制の効率化を目指すシステムである。さらに2021年より、各種端末に、AIを導入した戦術状況判断サポートシステムが導入されている。このシステムを利用することで、リアルタイムに変化する戦場の情報を常に更新、AIがその情報とより上位の部隊指揮官からの命令を基に最適な判断をサポート、部隊指揮官はより迅速に適切な意思決定が行えるようになる。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。
砲撃支援データリンクシステムは各大隊、連隊、旅団、師団などの砲兵部隊と、前線の近接戦闘部隊や観測車両、さらには観測を行う無人機などを接続するシステムである。近接戦闘部隊の火力支援要請や無人機による索敵データは射撃指揮所に伝達され、射撃指揮所の情報処理装置が射撃ユニットに目標の座標などを含む射撃諸元を伝達、さらに発射後の着弾観測と効力判定を行う。
航空支援データリンクシステムは近接戦闘部隊、航空支援管制所、攻撃機または攻撃ヘリ、あるいは無人機管制車両、そして前線攻撃統制官を結合することで、効果的な航空支援を可能とするシステムである。従来の無線などを用いた場合と比較して、目標及びその周囲の情報の伝達にかかる時間が大幅に短縮されているのが特徴である。

防御力

装甲
MCI-04では「ロボ」汎用装軌車両共通プラットフォームに基づき、モジュール式の装甲を採用している。初期型であるMCI-04では、車体と砲塔の正面装甲は硬度と密度の異なる複数種類の高強度鋼とチタニウム、二酸化ケイ素系のセラミック、耐火ゴム、ケブラーなどからなる非拘束セラミック式複合装甲を採用していた。これにより、車体正面装甲と砲塔正面装甲は仮想敵の装備する25~30mm級のAPDSに抗堪することができた。改良型であるMCI-04AおよびMCI-04の改修型であるMCI-04M以降では、より強力な35mmや40mm級のAPDSに複数回抗堪することができるよう、チタン製のセル内にボロンカーバイド系のセラミックを充填した拘束セラミック式複合装甲を採用した。また、車体側面装甲については、国防省は12.7mmまたは14.5mm級の重機関銃弾に対して抗堪、と発表しているが、実際には、25mm徹甲弾の直撃に最低1回は抗堪可能と見られている。この他、兵員室と車体弾薬庫及び燃料タンク付近は高強度鋼、セラミック、ケブラーなどを用いて全て装甲化されており、被弾時に発生した破片などから重要区画を防護する。

また、対地雷防御を考慮し、車体下部には舟状のV字空間装甲を取り付けている。これにより、対戦車地雷から乗員を保護している。
追加装甲
市街地戦での運用を考慮し、当初より砲塔上面や車体側面に取り付け可能な追加装甲が用意されている。これらは空間装甲としての役割を果たし、敵の肉薄攻撃や対戦車擲弾による攻撃から乗員を防護する。
加えて、爆発反応装甲の取り付けが可能である。爆発反応装甲は、モジュール装甲に取り付けスペースが確保されており、半埋め込み式で車体正面、砲塔正面、車体側面、砲塔側面、砲塔上面に搭載可能である。これは「リアクツィヤ-3」と呼ばれる爆発反応装甲で、主力戦車に取り付けられる「リアクツィヤ-1」や「リアクツィヤ-2」と動作原理は基本的に同じである。「リアクツィヤ-3」を搭載した場合、成形炸薬弾に対し均質圧延装甲換算で400mmの防御効果が期待できる。2枚重ねに搭載することで、タンデムHEAT弾頭にも対応する。
アクティブ防護システム
MCI-04では、レーザー警報装置とスモークディスチャージャーとレーザー撹乱装置を組み合わせたソフトキルタイプのアクティブ防護システム「SPA-3」を標準搭載している。敵からのレーザー照射を検知すると、スモークディスチャージャーから赤外線と可視光を通さない黒色エアロゾルを放出するスモークグレネードが車体を覆い隠すように射出される。さらに、レーザー撹乱装置により、敵のレーザー測距装置などに対して撹乱レーザーを発することで攻撃を防ぐ。

さらに、前述したように、ミリ波レーダーとESMアンテナを装着するなど車体に改修を施すことで、新型アクティブ防護システム「SPA-4」を搭載することも可能である。「SPA-4」は前述したミリ波レーダーやレーザー警戒装置によって、敵の対戦車ミサイルや砲弾の接近を探知する。まず、探知した目標に対し、レーザーとコード化された赤外線パルスによりジャミングが行われる。それでもなお接近し続ける目標に対しては、目標の飛翔方向から弾道を計算、砲塔周辺に4基並べられた連装発射機のうちどれを射出するのかを決定し、目標の位置、移動速度、移動方向に基づいて迎撃を実施する。迎撃に際しては薬莢に詰められた金属製のペレットを発射、デコイ発射式の対戦車ミサイルに対応するため、発射されてから0.1秒以内に次弾が装填される。各発射機の装弾数は12発である。システムは最大で1700m/sまでの目標を迎撃することができる。システムは車体全周360度をカバーするが、随伴歩兵の保護などのため、必要に応じてその範囲を狭めることができる。
乗員配置
乗員配置は、砲塔に車長と砲手が、車体に操縦手が搭乗する従来と同じ方式である。兵員は後部の兵員室に最大で9名が搭乗する。車体および砲塔は完全な与圧式CBRNE防護装置を備え、NBC兵器によって汚染された環境下でも行動可能である。なお車体は両側面計3か所にガンポートを備えている。通常時はプラスチック製のカバーが掛けられて閉鎖されているが、必要に応じてカバーを開放し射撃することができる。与圧式CBRNE防護装置を稼働中であれば、車内が陽圧に保たれているため、ガンポートを開放しても汚染された外気が取り込まれない。

機動力

エンジン・変速機
MCI-04は最大戦闘重量が32tにも達する重量級歩兵戦闘車である。例えば、従来運用されてきたMCI-84は車体重量25tで750馬力ディーゼルエンジンを搭載していたように、第四連邦軍では、歩兵戦闘車には俊敏な機動性が必要として、出力重量比30を一つの目安としてエンジン出力を設定している。MCI-04もこの例に漏れず、1000馬力の多燃料対応ディーゼルエンジン「MD-03」を搭載しており、これにより整地で時速75km、不整地で時速50kmを発揮できる。これは、主力戦車に随伴するのに十分な数値である。
「MD-03」は「ロボ」汎用装軌車両共通プラットフォーム向けに開発された2種類のエンジンの内の1つで、より重量の大きな車両に搭載するため出力が大きくなっている。排気量20000ccとコンパクトなエンジンであり、定格燃料消費率140~150g/kWhと高燃費である。140度という角度のV字型シリンダーを採用しており、これによって車高を低く抑えることに貢献している。「MD-03」エンジンは-50度から+60度までのあらゆる温度範囲で正常に動作し、また3重のエアフィルターにより99%を超える粒子を除去することが出来るため、砂塵の多い環境でも使用可能である。燃料は車内に600Lまで搭載でき、その航続距離はおよそ500kmとされる。また、車体後部に外装式の増槽を搭載すれば、燃料搭載量は900Lに増加するため、航続距離は750kmに増加する。

変速機には油圧機械式オートマチックトランスミッションを採用している。エンジンと変速機はパワーパックとして一体化されている。従来のパワーパックではエンジンが縦置きされていたのに対し、MCI-04では横置きとすることで大幅にコンパクト化されている。トランスミッションは前進5段後進5段で、スムーズな加速を実現している。最大戦闘重量においても、0~200mまで22.5秒の加速性能を有する。制動能力も非常に高く、時速50kmで走行中から2m以内で停止することができる。
操縦
操縦手は操縦士用潜望鏡を利用して操縦を行う。改修型のMCI-04MおよびMCI-04AMでは、車体の前後に操縦手用カメラが追加搭載されている。また、これまでの戦車ではメーター型だった各種計器をフラットパネル化している。操向装置には流体トルク・コンヴァーターが導入されており、スムーズな旋回が可能となっている。
懸架方式
懸架装置としては、信頼性の高いトーションバー式を採用している。片側6個の転輪、3個の上部支持輪、前部誘導輪、後部起動輪から構成されるオーソドックスな形態である。これは「ロボ」汎用装軌車両共通プラットフォームに共通の設計である。なお、前部と後部の転輪2輪にはショック・アブソーバーが搭載されており、これによって不整地走破性能をさらに高いものとしている。

型式

MCI-04

初期型。2003年に量産が開始されたが、2005年にはMCI-04Aに生産が切り替わった。そのため、生産台数は1000台強と比較的少ない。
MCI-04M
MCI-04の改良型であり、砲塔上部にユニバーサルタレットシステムという名称で開発された複合リモートウェポンステーションを搭載、車体正面のモジュール式複合装甲を拘束セラミック方式に変更するなど、MCI-04Aの仕様に近づいている。また、MCI-04AMと同様、「MCGC-PVC(戦闘車両向け大容量通信モジュール)」を搭載しており、陸軍と航空宇宙軍が共同開発した「統合戦術データリンクシステム」に対応している。
MCI-04M2
MCI-04Mの改良型であり、MCI-12と同様のセンサー類を搭載、モジュール装甲を新型のものに換装するなど、各種改良が施されている。

MCI-04A

改良型。前述したように、砲塔上部にユニバーサルタレットシステムという名称で開発された複合リモートウェポンステーションを搭載、車体正面のモジュール式複合装甲を拘束セラミック方式に変更するなど各種改良を受けている。
MCI-04AM
MCI-04Aの改良型であり、「MCGC-PVC(戦闘車両向け大容量通信モジュール)」を搭載しており、陸軍と航空宇宙軍が共同開発した「統合戦術データリンクシステム」に対応している。
MCI-04AM2
MCI-04Mの改良型であり、MCI-12と同様のセンサー類を搭載、モジュール装甲を新型のものに換装するなど、各種改良が施されている。

MCI-04B

MCI-12歩兵戦闘車?を参照。

派生型

「ロボ」汎用装軌車両共通プラットフォーム?を参照

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