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BCI-17装輪歩兵戦闘車
要目
全長8.1m
全幅3.3m
全高3m
重量25.5t(輸送時重量)
28.5t(レベルA防護形態)
32.5t(レベルB防護形態)
33t(最大戦闘重量)
速度100km/h(整地)
(最大戦闘重量時)
乗員3名(兵員は最大9名まで輸送可能)
搭載兵装70口径40mm機関砲1門
対戦車ミサイル連装発射機2基
6.98mm汎用機関銃(主砲同軸)
エンジン直列6気筒4ストロークディーゼルエンジン(最大出力750馬力)

概要

BCI-17装輪歩兵戦闘車は、第四インターナショナル連邦共和国地上軍で運用されている歩兵戦闘車。従来のBCI-97装輪式歩兵戦闘車やBTP-90装輪式装甲兵員輸送車を代替する目的で開発されており、BCI-97と比較して武装、防護力、ネットワーク中心の戦いへの適合性が強化されている。BCI-97と同様、即応機動部隊に指定された機動歩兵旅団に配備されており、舗装路上を時速100kmで数百km以上走行できる高い戦略機動能力を有する。ユニットコストは2022年時点で新車の場合1両当たりおよそ125万ドルと見積もられている。

能力

兵装

主武装としては「CA-11」40mm機関砲が搭載されている。「CA-11」は仮想敵国における装甲車両全般の重武装化に対応するために歩兵戦闘車向けに開発された比較的大口径の機関砲で、最大の特徴は、使用する弾薬がテレスコープ弾となっていることである。テレスコープ弾とは、弾丸部を薬莢の底まで埋め込むことで全長を抑えた弾薬のことである。高初速の弾薬では弾丸部の直径が薬莢部より小さくなり、その分収納時のデッドスペースが大きくなる傾向があり、大口径の機関砲などではこの問題が特に顕著となる。「CA-11」では、テレスコープ弾を採用したことによって弾薬の全長を他国の25mm機関砲弾とさほど変わらないレベルにまで短縮することに成功している。これにより携行弾数は400発となっており、通常形式の40mm機関砲を搭載していたBCI-98歩兵戦闘車と比較すると装弾数は5割増加している。発射速度については、セミオートモード、低レートフルオートモード(毎分250発)、高レートフルオートモード(毎分500発)と3段階に切り替えることが可能で、目標や状況に応じて弾薬を節約することが可能である。

「CA-11」40mm機関砲には「PB-11」APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)と「APE-11」多目的破片効果榴弾の2種類の弾薬が用意されている。通常の場合、「PB-11」APFSDSが150発、「APE-11」多目的破片効果榴弾が210発搭載されている。機関砲はデュアルフィード設計を採用しているため、砲手は任意のタイミングで使用する弾薬の種類を変更することができる。

「PB-11」APFSDSは、劣化ウラン製侵徹体、複合材製のサボット、発射薬、打撃/電気式雷管から構成される。砲弾全体の全長は225mm、重量は675g、侵徹体は長さ200mm、直径9mm、重さ350gである。侵徹体は初速1650m/sで発射され、およそ1000m先の目標に対し、均質圧延装甲換算でおよそ200mmの貫徹力を発揮する。従来の「PB-99」APDSと比較すると装甲貫徹力がおよそ30%程度向上しており、仮想敵の装甲車をアウトレンジから射撃して撃破することが容易になっている。

「APE-11」多目的破片効果榴弾は、装甲車両を除く地上目標及び空中目標を破壊することを目的に設計された多目的弾である。弾丸部には250個のタングステン製のペレットが内蔵されており、目標に応じた最適な爆発パターンで爆発することで、高い致死効果を提供する。ソフトスキンへの曳火射撃や空中目標への射撃など、様々な爆発パターンが用意されており、発射時に砲手によって選択されることになっている。信管は、着発、遅延、時限の3モードで動作することができるマルチモード信管で、レーザー測距装置で計測した目標までの距離と砲口初速から自動で最適なタイミングを計算して炸裂することができるため、前述した爆発パターンの調整機能と合わせることで、様々な目標に対し効果的に攻撃を行える。

砲塔の両側面には、「MGAT-08」対戦車ミサイルの連装発射機が1基ずつ、計2基4発用意されている。「MGAT-08」の重量は17.5kg、全長は1200mm、直径は152mm、最大射程は約5kmで、誘導方式としては、セミアクティブレーザー誘導と赤外線画像誘導を併用し、同時多目標への対処能力や、撃ちっ放し能力も備えている。赤外線画像シーカーは低コスト化、軽量化、瞬間交戦性向上を目的に非冷却型となっており、開発コストを低減するため、同時期に開発された歩兵携行用の「MGAT-07」対戦車ミサイル、大隊直属の対戦車小隊で運用される「MGAT-09」対戦車ミサイルの赤外線画像シーカーと共通のものを採用している。攻撃時にダイレクトアタックモードとトップアタックモードのどちらかを選択することができ、トップアタックモードを選択した場合は、赤外線画像シーカーを用いて敵戦車の脆弱な天板装甲を狙って攻撃することができる。ダイレクトアタックモードの最小射程は100m、トップアタックモードの最小射程は250mである。弾頭はタンデム成形炸薬弾頭となっているため、一重の爆発反応装甲や空間装甲であれば完全に無力化することができ、装甲貫徹力は均質圧延装甲換算で1200mmに達する。

副武装としては、40mm機関砲の同軸にAme-73汎用機関銃が備え付けられている。Ame-73はソ連のPK機関銃のライセンス生産型で、7mmマウザー弾(6.98x57mm弾)を使用する。装弾数は2000発である。

べトロニクス

索敵能力
敵車両に対する直接的な索敵のためのセンサーとしては、車長用パノラマサイトと砲手用サイトが使用される。本車の搭載するセンサーは、BCI-11歩兵戦闘車やBCI-12歩兵戦闘車に装備されているものと基本的に同一の性能を発揮でき、BCI-97と比べて能力が格段に向上している。

車長用パノラマサイトと砲手用サイトはどちらも砲塔上部に取り付けられており、高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置を統合している。サイトは倍率1~20倍の無段階可変倍率方式で、車長と砲手はそれぞれの座席の1080pハイビジョンモニターで目標を捜索することができる。優れた画像安定化技術による高解像度のサーモグラフィーにより、車長用パノラマサイト、砲手用サイト共に5000m先の戦車大サイズの目標を検知し3500m先から識別することが可能で、夜間戦闘での索敵能力に優れる。車長用パノラマサイトは、オーバーライド照準能力およびオーバーライド射撃能力を持っている。

これらのサイトは、主砲と同様、0.1ミル単位で電気式2軸安定化を受けており、タッチパネルから目標をロックオンし、砲と共に自動で追尾することができる。従来のBCI-97の車長用サイトや砲手用サイトでは、熱源集中部に対する自動追尾を行うことで、目標を自動追尾していたのに対し、BCI-17では追尾対象として熱源集中部のみならず、可視光カメラによって識別した車両シルエットを併用し、その上で追尾点のばらつきが小さい方を適宜選択し続けることで、従来よりも高い追尾能力を確保している。

ディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイ上では、後述するデータリンクシステムを含めたあらゆるシステムで取得した目標の情報についてエキスパートシステムが3段階で脅威度を判定し、脅威度・撃破優先度順に並べることができる。小隊長車や中隊長車が優先的に撃破するように指示した目標については撃破優先度が上書きされる。
データリンクシステム
BCI-17では、ネットワーク中心の戦いを実現する戦闘車両として開発されたため、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」と呼ばれるソフトウェア無線機を搭載している。「SRTC(統合戦術無線システム)」は、地上軍が従来利用してきた戦略階梯、作戦階梯、戦術階梯のあらゆる無線機をまとめて代替するために開発されたもので、HF、VHF、UHFでの通信に対応している。また「SRTC-PV」は音声通信とデータ通信の両方の機能を同時に使用することも可能となっている。「SRTC-PV」を搭載したBCI-17では、近距離射撃指揮システム、火力戦闘指揮システム、旅団戦闘指揮統制システムなどの各種サービスにアクセスできる。従来の装甲戦闘車両では、データリンクシステムでこれらの目標情報を共有するには車長が戦術共通状況図に手動で位置情報や種別を入力する必要があったが、BCI-17のような新世代の装甲戦闘車両では、敵車両の発見と同時にボタンを押すだけでその位置が自動で入力される。

近距離射撃指揮システムは、中隊以下の階梯で利用される共通射撃指揮図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。主力戦車や歩兵戦闘車を装備した中隊において、中隊内の全ての他の車両との間で、各車両のセンサー情報等を射撃管制に使用可能なサブ秒単位での精度を保ったまま共有することができる。共有できる情報には、友軍車両の位置、判明している敵の種別、敵の位置・移動方向・移動速度、各車両の視認している範囲、詳細が判明していない敵に関する警戒情報、敵に対して使用した弾種と射撃の効果判定などの様々な情報が含まれている。このシステムを利用することで、エキスパートシステムの補助に基づく部隊指揮官による個々の目標の脅威度評価と部隊内への認識の共有、部隊内の各車両への自動での攻撃目標割り当て、部隊指揮官によるオーバーライド照準やオーバーライド射撃、部隊内の僚車同士で援護しながらの戦闘機動などに利用することが可能である。これにより無線連絡等による従来方式よりも格段に高速で交戦中の部隊内における意思の統一と認識の共有を可能とし、また効率的な索敵と目標撃破を可能とする。

火力戦闘指揮システムは、各階梯において効果的な火力支援を実現することを目的としたC4I・データリンクシステムである。各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯が存在)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の観測班、無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(センサー)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、対戦車ミサイルなどの各種攻撃手段(シューター)を結合する。高い機動力と優れた索敵能力および通信能力を持つBCI-17は、当該システムにおいて非常に優秀なセンサーとして働くことができる。「SRTC-PV」が導入された戦車中隊、装甲擲弾兵中隊、機動歩兵中隊などにおいては、全ての車両で当該システムにアクセスすることが可能となったため、従来各中隊に1両配属されていた専任の前進観測車は廃止された。

旅団戦闘指揮システムは、旅団以下の階梯で利用される共通戦術状況図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。索敵システムと連接され、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の司令部に配備されるラップトップ端末、大隊司令部及び旅団司令部に配備される大型スクリーン及び情報処理装置を用い、敵味方の各部隊や車両などの位置を共通戦術状況図でニア・リアルタイムに共有することができる。基本的には自動車化狙撃部隊と戦車部隊で運用され、友軍車両や部隊の位置、判明している敵の種別と位置と脅威度、判明していない敵に関する警戒情報などについて、秒単位で情報が更新されて表示される。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。指揮官は共通戦術状況図に表示された各部隊の情報および彼我の位置関係や戦力差に基づき、エキスパートシステムの支援を受けて戦闘計画を立案し、このシステムを通じて隷下の部隊に企図を伝達する。
射撃管制システム
BCI-17では機関砲の長射程化に合わせて射撃管制システムがアップグレードされており、遠距離の目標に対する命中精度がさらに向上している。弾道コンピュータには、レーザー測距装置、光ファイバージャイロを利用した傾斜測定装置、砲口照合装置、風向・風速計、気温・気圧計、装薬温度計、「SRTC-PV」データリンク端末など各種センサーが接続されており、これらの入力諸元から弾道計算コンピュータが目標に命中させるのに必要な各種要素を計算し、照準装置に入力する。照準の際は、高解像度カメラによる目標のイメージングと、データベースを組み合わせ、正確に目標の弱点部位を狙う。前述した砲安定化装置と合わせることで、BCI-17は走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃などが可能となっており、歩兵戦闘車でありながら主力戦車と同等の命中精度を発揮できる。試験では、2000m先の移動目標に対し走行間射撃を行い、次弾命中率ほぼ100%を記録している。弾道計算のソフトウェアはプログラマブルなものを採用しているため、将来的に性能向上を図ることが容易である。

防御力

装甲
BCI-17では、モジュール装甲システムを採用しており、任務の性質や輸送時の重量制限に応じ、装甲を着脱して重量を調節することが可能となっている。全てのモジュール装甲を取り外した状態の重量はおよそ25.5tで、砲塔正面で14.5mm徹甲弾、その他全周で7.62×51mm徹甲弾の直撃に抗堪する程度の防御力となっている。車体シャーシは抗堪性を考慮して防弾鋼製とされている。

レベルA防護形態においては、車体の各部にグラスファイバーとケブラー繊維などからなる複合装甲モジュールが挿入される。これにより、車体側面では100m先から発射された14.5mm重機関銃の硬芯徹甲焼夷弾や、25m以遠で爆発した15cm級榴弾の破片などに対して抗堪する程度の防御力を有する。レベルA防護形態時の重量は28.5tである。

レベルB防護形態においては、砲塔全周と車体正面に、炭化ケイ素セラミック、グラスファイバー、ケブラー繊維などからなる複合装甲モジュールが挿入される。計画段階においては、仮想敵の水陸両用戦闘車が装備する40mm機関砲の徹甲弾に抗堪する程度の防御力が要求されており、試験においては自車が搭載する40mm機関砲のAPFSDSの貫通を阻止することに成功している。レベルB防護形態時の重量は32.5tである。

これらの基礎的な装甲パッケージに加えて、成形炸薬弾に対し十分なスタンドオフ距離を確保するため、車体側面には柵状装甲が、砲塔にはチェーン装甲が追加可能である。砲塔上面には、素の装甲の上側から、耐火ゴムなどからなる簡易的な防護モジュールが装着されている。これは、トップアタック式対戦車ミサイルの直撃に抗堪可能な性能ではないものの、対車両クラスター子弾の成形炸薬弾頭に対し十分なスタンドオフ距離を確保することができる。これらを全て装着した場合の重量は33tである。
乗員配置・乗員防護
BCI-17では、BCI-97同様、車体に操縦手、砲塔に車長と砲手が搭乗するオーソドックスな乗員配置を採用している。車体内部の構造としては、前方から順に、エンジン区画、操縦手席、砲塔、最大7人の兵員を収容可能な兵員室が設けられている。従来の歩兵戦闘車と異なり、防御上の弱点となるガンポートは兵員室に設けられていない。装甲カプセル内部および兵員室は完全な与圧式CBRNE防護装置を備え、NBC兵器によって汚染された環境下でも行動可能である。なお、BCI-17のシャーシはCAM-16と共通とされているが、兵員室を搭載するために上方向に車体がストレッチされており、車体の高さは増している。これは、CAM-16が115mm滑腔砲の反動を制御するために車高を下げて揺動のモーメントを小さくしていたためである。

機動力

エンジン・変速機
BCI-17ではCAM-16と共通の「MD-11」直列6気筒750馬力多燃料対応ディーゼルエンジンとオートマチックトランスミッションを一体化したパワーパックを車体前方に搭載している。「MD-11」エンジンはBCI-11歩兵戦闘車とそのファミリー車両のために開発されたエンジンであり、シンプルな構造によって整備性や信頼性に優れている。パワーパックは20分間で交換することができる。このパワーパックによって、BCI-17は舗装道路を時速100km以上の速度で走行することが可能である。装軌式の装甲戦闘車両と比較すると、燃費面で圧倒的に優れているのが特徴的で、燃料搭載量はおよそ500L程度であるのにも関わらず、航続距離は800kmを超える。これにより、トレーラーや鉄道を利用せずとも迅速に戦域間を機動することが可能となっている。
サスペンション・タイヤ等
BCI-17は8x8輪の装輪式装甲戦闘車両である。その足回りは、8x8輪の軍用オフロードトラックのコンポーネントを流用したものであり、部品の共通性は非常に高いものとなっている。駆動方式としては8輪駆動方式を採用しており、1~2個のタイヤが敵の攻撃で破損した場合でも問題なく走行することができる。操舵は前方の2軸4輪で行う。全車輪に装備されるランフラット・タイヤは、中央タイヤ圧制御装置によって空気圧を制御することができる。サスペンションとしては、前方の2軸でテーパー・リーフスプリング方式を、後方の2軸でマルチリーフスプリング方式を採用、各サスペンションは油圧式ショックアブソーバーを備えている。これにより、装輪装甲車特有の舗装路上での優れた走行性能に加え、ある程度の路外機動性能をも有している。

派生型

BCC-17騎兵戦闘車

BCC-17は、BCI-17をベースに開発された騎兵戦闘車(装甲偵察車)で、BCC-99騎兵戦闘車を代替する。BCI-17との識別を困難とするため、砲塔の形状はBCI-17とほとんど同じとされているが、車体後部には熱線映像装置、高解像度ビデオカメラ、レーザー測距装置などを統合したマルチセンサー装置が装着された伸縮式マストを搭載しており、最大で15km先の目標を捕捉することができる。砲塔後部には高速長距離通信のために衛星通信アンテナが装備される。また、車内には、多燃料対応ディーゼルエンジンを搭載した偵察用バイク1両と、偵察チーム5名を搭乗させることができる。
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