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サン・ルイス・ポトシ級ミサイルフリゲート
要目
全長135m
全幅16m
喫水5.4m
排水量4600t(基準排水量)
5500t(満載排水量)
速力30ノット以上
乗員180名
搭載兵装70口径130mm速射砲1門
遠隔操作式30mm機関砲2基
533mm8連装垂直発射装置6基
近接防空ミサイル用11連装ランチャー2基
324mm3連装魚雷発射管2基
機関方式COGLAG方式

概要

サン・ルイス・ポトシ級ミサイルフリゲートは、第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍海軍が運用するミサイルフリゲート。ネサワルコヨトル級のステルス性の高い船体をプラットフォームとして、全長をやや延長し垂直発射装置を追加挿入、トレードオフとして機雷戦能力を削除して設計されている。長射程の艦対空ミサイルや巡航ミサイルで武装した隠密性の高い水上戦闘艦であり、データリンクを活用し、カリブ海における接近阻止・領域拒否環境を構築するアセットの1つとして活動することが想定されている。

能力

装備

C4ISR・データリンクシステム
サン・ルイス・ポトシ級は、原型艦となったネサワルコヨトル級と同様、従来の戦闘指揮所の機能に航海などの様々な機能を付与した統合指揮所を有する。戦術情報処理装置としてはSDC-16を搭載する。従来の戦術情報処理装置は主に個艦戦闘システムの中核としての性格が強かったのに対し、SDC-16は「ネットワーク中心の戦い」というコンセプトに基づき、艦隊規模の戦闘システムを分散処理するコンピュータとして開発されている。SDC-16はまた、完全オープンアーキテクチャ化・商用オフザシェルフ化された戦術情報処理装置であり、指揮統制システム、射撃管制システム、電子戦システム、データリンクシステムなどを統合した情報処理を行うことが可能である。統合指揮所には、外周を取り巻くように配置される14台と中央に配置される4台の合計18台の情報処理装置用コンソールが設置されている。さらに、ほぼ全周を囲む形でビデオスクリーンが用意されており、ここには後述する360度光学センサーの映像を投影することができる。

センサーとしては、RMB-14多機能アクティブフェーズドアレイレーダー、RMB-17長距離捜索アクティブフェーズドアレイレーダー、SB-05中周波ソナーシステム、SB-09曳航式可変深度ソナーシステム、OMB-14複合光学センサーシステムなどが搭載されている。原型となったネサワルコヨトル級と比較すると、船体装備のソナーシステムへの対潜能力付与や、長距離捜索レーダーの搭載による防空能力向上が達成されているが、トレードオフとして機雷戦装備は全て廃止されている。これは、要求される任務に応じたトレードオフによるものである。

RMB-14は、艦橋上部の4面に装備されるアクティブフェーズドアレイレーダーである。RMB-14は、捜索、追尾、射撃管制、さらには電子戦に対応する多機能レーダーである。対空戦・対水上戦のために通常は8~12GHzのXバンドを利用する。対空レーダーとしては最大200km以上の探知距離と4面合わせて100以上の目標の同時追尾能力を、対水上レーダーとしては数十km先の敵潜水艦の潜望鏡を瞬時に探知できる能力を有しているとされる。なお、RMB-14はインターリーブ能力を有するため、複数のモードを同時に使用することが可能であり、例えば、敵の対艦ミサイルを追尾しつつ艦対空ミサイルを指令誘導し、別方向から敵航空機が接近していないか捜索する、といった複雑な運用も可能である。

RMB-17は、新たに艦後部に追加搭載された、長距離捜索を目的とするアクティブフェーズドアレイレーダーである。これは、2004年より建造されたベニート・フアレス級ミサイル駆逐艦やアカプルコ級ミサイルフリゲートに搭載されるファミリー化されたアクティブフェーズドアレイレーダー、「ミシュコアトル」シリーズの派生型であり同ファミリーの第二世代モデルに当たる。「ミシュコアトル」シリーズは、一辺60cmのアンテナ・モジュールを組み合わせて製造され、艦の規模や用途に応じて柔軟にレーダーのサイズを変更できる。例えば、ベニート・フアレス級では一辺3.6mの正方形状のスペースに36枚のアンテナが、アカプルコ級では一辺2.4mの正方形状のスペースに16枚のアンテナがそれぞれ採用されている。RMB-17では、一辺1.8mの正方形状のスペースに9枚のアンテナ・モジュールを配置し、これを回転式のレドーム内に収容し艦後部に配置している。1枚のアンテナ・モジュールには144個の大型送受信モジュールが配置されているため、本級では1296モジュールが搭載されることになる。RMB-17は「ミシュコアトル」シリーズの第二世代モデルであり、送受信モジュールが砒化ガリウムから窒化ガリウムに更新されたことで出力が増強されている。最大探知距離はRCS1崢度の目標に対して300km以上、同時追尾可能な目標数は50以上とされている。

SB-05は、バウ・ソナー方式で船体に装備される中周波ソナーシステムである。これは、2000年代を通じて12隻が建造されたエルモシージョ級ミサイルフリゲートの後期型に装備された国産のソナーシステムであり、周波数帯としては6〜8キロヘルツ帯を使用する。最大探知距離はおよそ32kmで、近距離における潜水艦への警戒と短魚雷の射撃指揮に使用され、後述するSB-09や哨戒ヘリコプターを補完する。

SB-09は、艦後部から曳航される曳航式ソナーシステムで、2010年代以降に建造された第四インターナショナル連邦共和国の水上戦闘艦で標準装備となっている。全長はおよそ240m、直径はおよそ9cm、周波数帯としては、アクティブ・ソナーモードの場合0.95~2.1キロヘルツ、パッシブ・ソナーモードの場合0.1~2.1キロヘルツを使用する。極力母艦の運動性能を制限しないように設計されているため、最大30ノットでの曳航に耐えられる。理想的な条件下においては、最大で110~130km先(第2CZ付近)の敵潜水艦を探知することが可能と目されている。また、僚艦とのデータリンクによって、バイスタティックないしはマルチスタティックソナーとして運用することが可能である。

OMB-14は、可視光CCDイメージセンサ、熱線映像装置、レーザー測距装置を統合した電子光学照準システム複数台からなる複合光学センサーシステムであり、ネサワルコヨトル級では、艦橋天板に旋回式センサーが1基、艦橋上部に固定式センサーが4基の合計5基の電子光学照準システムを装備する。旋回式センサーの映像は、主砲や機関砲の射撃管制に用いることが可能である。一方、4つの固定式センサーの映像は、コンピュータによって繋ぎ合わされて統合指揮所の全周ビデオスクリーンに投影され、この映像を元に操艦などを行うことが可能である。

通信装備としては、主に艦橋最上部に設置された複合通信アンテナを用いる。ここには複数種類の通信機器が電波干渉を避けるように配置されている。これにより、UHF帯を利用するED-07やED-18といった汎用戦術データリンクや、EHF帯を利用するED-16艦隊内データリンクに接続することが可能である。これらのデータリンクとSDC-16戦術情報処理を組み合わせることで、艦隊内の各艦のレーダー情報をターゲティングの精度で全艦で共有して各個に共通射撃指揮図を作成したり、共通射撃指揮図及び各艦の搭載兵装を元に陣形を策定したりすることが可能である。

ED-16はEHF帯を利用する非常に高速かつ極めて秘匿性に優れたデータリンクシステムで、当初はステルス戦闘機の編隊内データリンクシステムとして開発された。艦隊内では、戦闘空中哨戒中の艦載戦闘機や近距離の友軍の艦艇から直接情報を受け取るのに使用される。ターゲティングの精度で目標の情報を共有可能であるため、受け取った情報を元に自艦のレーダーで再探知などを行わずともミサイルを射撃し目標を撃破することが可能である。

ED-18はUHF帯を利用する比較的高速なデータリンクシステムである。データストリームの多重化と新しい秘匿技術による従来よりも高速(200km先のユニットに2Mbpsの速度でデータを共有可能)かつセキュアな通信を実現している他、メッシュ化によって自身で通信をリレーすることが可能となっており、システム全体の抗堪性に優れる他、見通し線外に対する通信も容易となっている。主に艦載早期警戒機や艦隊外のユニットから情報を受け取るのに使用される。ED-16と同様、ターゲティングの精度で目標の情報を共有可能であるため、受け取った情報を元に自艦のレーダーで再探知などを行わずともミサイルを射撃し目標を撃破することが可能である。
対地/対水上兵装
艦砲としては、船体前部にCN-92 130mm単装速射砲を1基搭載している。軽量化のため、砲塔の素材は繊維強化プラスチックとなっており、重量はおよそ25tである。砲塔内は完全に無人化されており、遠隔操作で制御される。砲身長は70口径で、砲口初速は900m/s、最大射程は通常砲弾使用時でおよそ35km、ロケットアシスト付き誘導滑空砲弾を使用した場合は70km以上に達する。20発入りの即応弾用ドラムマガジンが3つ用意されており、3種類の弾薬を即座に切り替えることが可能である。砲弾には通常は多目的信管が備え付けられており、薬室に装填される際に信管のモードが電気的に設定される。多目的信管は着発信管、時限信管、近接信管などの各種モードで動作することができる。長時間の持続射撃を可能とするため、砲身は水冷式を採用しており、毎分30発のレートで射撃を行うことができる。

また、130mm単装速射砲を補う目的で、遠隔操作式30mm機関砲を両弦に1基ずつ、合計2基搭載している。30mm機関砲はデュアルフィード設計によって2種類の弾薬を任意のタイミングで切り替えることが可能で、毎分250発の速度で連射可能である。サン・ルイス・ポトシ級では、ネサワルコヨトル級と比べて沿岸部に接近する機会が少ないことから、1~3番艦では当初機関砲をオミットしていた。しかし、諸外国における様々な戦例から、停泊中や出入港作業中のチープキルに対する備えが必要とされたため、後日装備が決定された。なお4番艦以降では、建造時よりネサワルコヨトル級と同じ位置に機関砲の搭載が行われている。

サン・ルイス・ポトシ級では普通、垂直発射装置の48セル中8セルが対地/対水上兵装用に割り当てられる。通常、その8セル全てにMBB-12艦対艦巡航ミサイルが装備されている。これはMBB-97艦対艦巡航ミサイルの後継として開発されたステルス性に優れた巡航ミサイルであり、中間誘導には慣性航法、衛星航法、電波地形照合、データリンクを、終末誘導にはアクティブ/パッシブレーダー誘導をそれぞれ利用する。弾頭としては固体燃料ロケットブースターを備えた150kgの高性能炸薬弾頭を採用している。中間段階においてはステルス性を活かして高高度を燃費に優れたターボファンエンジンで巡航し、終末段階においてはマッハ2.5に加速し高速で複雑に機動しながら低空を20〜30km飛翔することで、900kmという長射程を備えながら、大型亜音速の対艦巡航ミサイルの欠点である近接防空に対する脆弱性を克服しており、経済的かつ全行程で迎撃が困難な対艦ミサイルとなっている。
対空兵装
サン・ルイス・ポトシ級では普通、垂直発射装置の48セル中32セルが対空兵装に割り当てられる。通常、その32セル中24セルにMBA-14長距離艦対空ミサイルが、8セルにMBA-09個艦防空ミサイルがそれぞれ装備されている。前者は主に高高度を飛行する敵航空機、データリンクで位置が判明した遠距離の目標、対艦弾道ミサイルおよび極超音速滑空ミサイルなどに、後者は主に自艦に接近してくるシースキマー型の対艦ミサイルなどに対処する。

MBA-14は、2段式固体燃料ロケットモーターを採用した広域防空用の艦対空ミサイルであり、その最大射程はおよそ360kmである。誘導方式としては、中間誘導には慣性航法、指令誘導、データリンクを、終末誘導にはアクティブレーダー誘導、セミアクティブレーダー誘導、赤外線画像誘導を併用でき、撃ちっ放し能力、超水平線攻撃能力、高いECCM能力を兼ね備え、同時多目標対処能力と対処可能な範囲の両面でMBA-03などの旧来の広域防空用艦対空ミサイルを圧倒している。弾頭は50kgの指向性破片効果弾頭であるが、極めて優秀なシーカー性能により大半の目標に対して直撃が期待でき、このため、対艦弾道ミサイルに対するターミナル・フェイズでの防衛をもこなす性能を持つ。

MBA-09は、クアッドパックに対応したコンパクトな艦対空ミサイルであり、1セルの垂直発射装置内に最大4発を搭載できる。その最大射程はおよそ60kmだが、対艦ミサイルのような高機動目標に対する有効射程は25km以内の範囲に制限される。誘導方式としては、中間誘導には慣性航法と指令誘導、終末誘導にはアクティブレーダー誘導を採用しており、撃ちっぱなし能力を有する。このため同時多目標対処能力に優れており、実験においては、海面高度で接近する超音速標的2発を含む12発の対艦ミサイルを撃墜することに成功している。

個艦防空ミサイルの迎撃を掻い潜った敵の対艦ミサイルに対しては、艦の前後に1基ずつ設置された合計2基のSMAB-12近接防空システムが対処する。これは、Xバンドの捜索レーダー、Kuバンドの射撃管制レーダー、可視光カメラと熱線映像装置を統合した電子光学照準装置、11連装ミサイルランチャーを統合したシステムであり、システム単体で最大12の目標を同時追尾でき、脅威度が高い目標から順に迎撃を実施する。ランチャーに搭載されるミサイルは、MAA-05短距離空対空ミサイルを元に開発されたMBA-12近接防空ミサイルである。最大射程はおよそ10kmで、パッシブレーダー誘導と赤外線画像誘導を併用して敵の対艦ミサイルと味方の対空ミサイルを識別し正確な迎撃を行えるため、複数発を連射することも可能である。
対潜兵装
サン・ルイス・ポトシ級では普通、垂直発射装置の48セル中8セルが対潜兵装に割り当てられる。通常、その8セル全てにMBS-07対潜ミサイルが装備されている。MBS-07は、324mm短魚雷を運搬する垂直発射式の対潜ミサイルであり、最大射程はおよそ70kmで、これはおおよそ第1CZに相当する。弾頭部の魚雷としては、MBS-07AではT97魚雷が、2015年に登場した改良型のMBS-07BではT12魚雷が使用される。T97魚雷はアメリカのMk.50魚雷の影響を受けて開発された短魚雷であり、液体リチウムと六フッ化硫黄を燃料とする閉サイクル蒸気タービンによって深海で高機動性を発揮できるのが特徴である。T12魚雷はT97魚雷の改良型で、センサー部分と信号処理能力をアップグレードし、浅海域の複雑な音響環境に対応しているのが特徴である。

また、近距離の敵潜水艦に対抗するために、両弦に324mm3連装魚雷発射管を1基ずつ備えている。
電子戦装備
サン・ルイス・ポトシ級では現代の高烈度の戦闘環境で生存するため、原型となったネサワルコヨトル級と同様のSGEB-16艦艇電子戦システムを搭載する。これは、脅威電波を探知し、さらに妨害・欺瞞が実施可能な電子戦システムである。システムを構成する各種のアンテナは、艦橋上部のRMB-14のアンテナ周辺に集中配置されている。

SGEB-16は、電波探知装置としてはRARB-09を使用する。これは0.2~2GHzの低周波用アンテナ、2~12GHzの中周波用アンテナ、12~40GHzの高周波用アンテナの3種類の受信用アンテナから構成され、全周360度をカバーすることができる。高感度のアクティブフェーズドアレイアンテナによって、標準的なサイズの対艦ミサイルのアクティブレーダーシーカーの発する電波ならば数十km先から、戦闘機の火器管制レーダーの発する電波ならば数百km先から探知でき、それらの脅威の方角を1~2°×1~2°程度の精度で特定することが可能である。さらに、この情報をRMB-14アクティブフェーズドアレイレーダーに引き渡し、その方角を重点的に捜索させることもできる。

一方、電子妨害用のアンテナとしては、RMB-14のアクティブフェーズドアレイアンテナがそのまま利用される。RMB-14は通常Xバンドを利用して空中目標や水上目標を捜索追尾するが、電子戦用のアンテナとして用いる場合、2~20GHz帯に対する強力な電波妨害が実施できる。

さらなる対抗手段としては、RARB-09と連動したチャフ・フレアディスペンサーが用意されている。ここからは、従来のチャフやフレアはもちろんのこと、自ら電波を放出して艦の位置を欺瞞するアクティブ・デコイや、投棄式の電波妨害装置を射出することも可能となっている。
航空機運用能力
サン・ルイス・ポトシ級ではネサワルコヨトル級と同様、対潜哨戒ヘリ1機の搭載能力が要求されたため、艦後部に幅15m×全長25mのヘリパッドが用意されている。ヘリパッド上には、1基の着艦拘束/移送装置が用意されている。拘束装置自体が着艦したヘリの位置や向きを調整する機能を備えるため、複雑な操作が不要で、着艦後の拘束から格納庫への移送までの全ての操作を1名のみで行うことが可能である。格納庫は、ネサワルコヨトル級と同様、最大でも1機しか格納することはできないが、サン・ルイス・ポトシ級ではヘリ用弾薬庫のスペースはネサワルコヨトル級と比較して拡大されている。これはネサワルコヨトル級で機雷戦装備が搭載されていたスペースの用途を変更したためであり、外洋で連続長期間に渡って作戦を展開することを想定した本級にとってこの改修は重要である。夜間や悪天候時にも安全な着艦を可能とするため、アカプルコ級と同様の着艦誘導システムを搭載しており、ヘリ側に取り付けられた赤外線マーカーを熱線映像装置によって追尾し、レーザー測距装置によって相対距離を測定、距離情報は対潜ヘリ専用データリンク装置を経由してヘリ側に送信することが可能である。これらのシステムにより、12.5tまでのヘリコプターをシーステート6までの海況で運用することができる。

サン・ルイス・ポトシ級は通常、艦載機としてHS-99対潜哨戒ヘリを1機搭載している。これは地上軍のHU-90汎用ヘリコプターをベースに、対水上レーダー、ディッピングソナー、ソノブイ発射機、磁気探知機、対潜ヘリ専用データリンク装置を搭載したものである。サン・ルイス・ポトシ級では通常、最新型のHS-99Cを搭載しており、これにより、ヘリ同士の間のデータリンクやヘリと母艦の間のデータリンクによるマルチスタティックソナー運用を可能としている。

設計

船体
サン・ルイス・ポトシ級の設計にあたっては、低被探知性を備えて洋上を機動するスタンドオフ兵器キャリアーとして高いステルス性が要求され、このため、ネサワルコヨトル級の船体設計が流用された。外観上の最大の特徴としては、船体と上部構造物が共に7~12°前後傾斜していることが挙げられ、このためナックルラインが前甲板途中から後部のヘリ甲板前端にかけて続いている。主船体は鋼製で、船型は長船首楼型とされている一方、上部構造物は主にサンドイッチ構造のガラス繊維強化プラスチックを採用し、これにより軽量化やレーダー反射面積の減少を図っている。さらに、投揚錨装置や搭載艇などのレーダー反射源になりうるものは全て開閉式のドアによって船体内に格納されている。これらの工夫によって、本級のレーダー反射面積は基準排水量500t級のミサイル艇と同レベルにまで抑えられている。

船体は12の水密区画に分割されており、そのうちの2つの区画まで浸水しても航行することが可能となっている。また、弾薬庫と指揮所などの重要区画には、ケブラーとガラス繊維強化プラスチックによる簡易的な装甲が施されている。省人化しつつもダメージコントロール能力を維持するため、火災検知器と連動したカメラが船内各所に配置され、火災発生時には統合指揮所に映像が速やかに送信される仕組みとなっており、これにより迅速に被害状況を確認することが可能となっている。

ネサワルコヨトル級と比べると、乗員数が130名から180名に増加したため、乗員区画の居住性が悪化していることが問題点として挙げられることがある。しかし、原型となったネサワルコヨトル級は船体規模の割に乗員数が少なく、居住性が極めて良好な艦であったことを考慮すると、サン・ルイス・ポトシ級の居住性の問題はそこまで深刻ではないと考えられている。もちろん、全ての乗員区画は完全にNBC防護されている。

この他にも、ネサワルコヨトル級との設計上の相違点が複数ある。まず、垂直発射装置の増設により、艦後部の艦対艦ミサイルランチャーの撤去にも関わらず、若干全長が伸び、このため旋回半径などの面でやや機動性が悪化している。加えて、サン・ルイス・ポトシ級は浅海域での作戦行動をあまり想定しておらず、またネサワルコヨトル級の航法用高周波ソナーシステムよりも大型の中周波ソナーシステムをバウ・ソナー方式で装備するため、ネサワルコヨトル級で装備されていたバウ・スラスターが廃止されている。
機関
サン・ルイス・ポトシ級では、コスト削減のためネサワルコヨトル級と同様の機関構成が採用されており、水中放射雑音の低減や低燃費化を目的とし、機関方式としてはCOGLAG式を、推進器としては2軸の可変ピッチプロペラを採用している。これは、2010年代以降に建造された第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍海軍の艦艇としては標準的な構成である。

機関構成としては、MGB-08ガスタービンエンジンを4基、MGB-15ガスタービンエンジンを1基搭載している。巡航時はMGB-08ガスタービンエンジンを原動機とするガスタービン発電機で推進器を電気駆動、高速時はMGB-15ガスタービンエンジンで推進器を機械駆動、これにより低速域での高効率な巡航と戦闘時の高速性能を両立可能としている。MGB-08を原動機とするガスタービン発電機は最大4.2メガワットの電力を発電することができ、1基で艦内で必要な全ての電源を賄うことが可能で、2基稼働させた場合15ノットで、4基稼働させた場合21ノットでの巡航が可能となる。MGB-15は最大48000馬力を発揮することができる極めて強力なガスタービンエンジンで、推進器を機械駆動することで最大30ノット以上の速度で航行することが可能である。

本級では推進器を機械駆動する主機を、空母や揚陸艦といった大型艦艇向けの極めて強力なガスタービンエンジンであるMGB-15ガスタービンエンジン1基のみとすることで、搭載する機関の数を減らし、調達・運用コストを低減する試みがなされている。一方で、主機が1基しかないため、従来のフリゲートで行われていたような機関のシフト配置は不可能となっており、被弾時の抗堪性・ダメージコントロールの観点から見ればこれは望ましくないことである。

同型艦

艦名起工進水就役
サン・ルイス・ポトシ
(San Luis Potosí)
2017年11月26日2019年1月27日2020年3月27日
ナウカルパン
(Naucalpan)
2018年2月8日2019年4月11日2020年6月9日
カマグエイ
(Camagüey)
2018年6月18日2019年8月27日2020年11月28日
サン・ペドロ・スーラ
(San Pedro Sula)
2019年3月22日2020年5月6日2021年7月30日
トルーカ
(Toluca)
2019年7月27日2020年10月4日2021年11月29日
マタモロス
(Matamoros)
2020年1月29日2021年4月15日2022年6月4日
ハラパ
(Xalapa)
2020年6月10日2021年9月27日2022年11月15日
モレリア
(Morelia)
2021年1月18日2022年4月5日2023年6月12日
デルマ
(Dèlma)
2021年8月3日2022年10月19日2023年12月14日
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