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kingzeputozeta 2025年01月22日(水) 01:49:18履歴
ネサワルコヨトル級多目的フリゲート | |
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要目 | |
全長 | 135m |
全幅 | 16m |
喫水 | 4.8m |
排水量 | 4500t(基準排水量) 5400t(満載排水量) |
速力 | 30ノット以上 |
乗員 | 130名 |
搭載兵装 | 70口径130mm速射砲1門 遠隔操作式30mm機関砲2基 533mm8連装垂直発射装置4基 近接防空ミサイル用11連装ランチャー2基 艦対艦ミサイル用4連装ランチャー2基 324mm3連装魚雷発射管2基 |
機関方式 | COGLAG方式 |
ネサワルコヨトル級多目的フリゲートは、第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍海軍が運用する多目的フリゲート。アメリカ海軍の沿海域戦闘艦のコンセプトから影響を受けているが、その運用目的は大きく異なる。アメリカ海軍の沿海域戦闘艦は、「戦争以外の軍事作戦」のための艦艇という性格が強かったのに対し、人民解放軍海軍のネサワルコヨトル級は、水陸両用作戦部隊に随伴して沿海域で着上陸作戦を直接支援する目的で建造されており、従来のフリゲートの任務であった対水上、対地、対空、対潜戦闘に加え、機雷作戦にも対応している。
ネサワルコヨトル級は従来の戦闘指揮所の機能に航海や機雷掃討などの様々な機能を付与した統合指揮所を有する。戦術情報処理装置としてはSDC-16を搭載する。従来の戦術情報処理装置は主に個艦戦闘システムの中核としての性格が強かったのに対し、SDC-16は「ネットワーク中心の戦い」というコンセプトに基づき、艦隊規模の戦闘システムを分散処理するコンピュータとして開発されている。SDC-16はまた、完全オープンアーキテクチャ化・商用オフザシェルフ化された戦術情報処理装置であり、指揮統制システム、射撃管制システム、電子戦システム、データリンクシステムなどを統合した情報処理を行うことが可能である。統合指揮所には、外周を取り巻くように配置される14台と中央に配置される4台の合計18台の情報処理装置用コンソールが設置されている。さらに、ほぼ全周を囲む形でビデオスクリーンが用意されており、ここには後述する360度光学センサーの映像を投影することができる。
センサーとしては、RMB-14多機能アクティブフェーズドアレイレーダー、SB-14高周波ソナーシステム、SB-09曳航式可変深度ソナーシステム、OMB-14複合光学センサーシステム、ODB-14対機雷ライダーなどが搭載されている。
RMB-14は艦橋上部の4面に装備されるアクティブフェーズドアレイレーダーである。RMB-14は、捜索、追尾、射撃管制、さらには電子戦に対応する多機能レーダーである。対空戦・対水上戦のために通常は8~12GHzのXバンドを利用する。対空レーダーとしては最大200km以上の探知距離と4面合わせて100以上の目標の同時追尾能力を、対水上レーダーとしては数十km先の敵潜水艦の潜望鏡を瞬時に探知できる能力を有しているとされる。なお、RMB-14はインターリーブ能力を有するため、複数のモードを同時に使用することが可能であり、例えば、敵の対艦ミサイルを追尾しつつ艦対空ミサイルを指令誘導し、別方向から敵航空機が接近していないか捜索する、といった複雑な運用も可能である。
SB-14は、主に機雷探知、障害物回避、魚雷警戒のために装備されたソナーシステムである。掃海艇・掃海艦向けに開発されたソナーシステムをベースに魚雷警戒能力を付与して開発されており、艦首直下のソナードームに収納される。機雷探知モードでは80キロヘルツの周波数帯を利用して最大1200メートルから標準的なサイズの機雷を探知でき、識別モードでは350キロヘルツ付近の周波数帯を使用し0.3度の高い分解能で標的を分析する。
SB-09は、艦後部から曳航される曳航式ソナーシステムで、2010年代以降に建造された第四インターナショナル連邦共和国の水上戦闘艦で標準装備となっている。全長はおよそ240m、直径はおよそ9cm、周波数帯としては、アクティブ・ソナーモードの場合0.95~2.1キロヘルツ、パッシブ・ソナーモードの場合0.1~2.1キロヘルツを使用する。極力母艦の運動性能を制限しないように設計されているため、最大30ノットでの曳航に耐えられる。理想的な条件下においては、最大で110~130km先(第2CZ付近)の敵潜水艦を探知することが可能と目されている。また、僚艦とのデータリンクによって、バイスタティックないしはマルチスタティックソナーとして運用することが可能である。
OMB-14は、可視光CCDイメージセンサ、熱線映像装置、レーザー測距装置を統合した電子光学照準システム複数台からなる複合光学センサーシステムであり、ネサワルコヨトル級では、艦橋天板に旋回式センサーが1基、艦橋上部に固定式センサーが4基の合計5基の電子光学照準システムを装備する。旋回式センサーの映像は、主砲や機関砲の射撃管制に用いることが可能である。一方、4つの固定式センサーの映像は、コンピュータによって繋ぎ合わされて統合指揮所の全周ビデオスクリーンに投影され、この映像を元に操艦などを行うことが可能である。
ODB-14は、浅深度や海面付近の機雷について、その危害半径外から詳細に識別することを目的に開発されたライダーである。ライダーとは、一般的には「レーザー・レーダー」とも呼ばれるもので、その名の通り、レーザー光線がレーダーにおける電波と同じ役割を果たす。レーダーと比較すると、使用する電磁波の波長が遥かに短いため、解像度が極めて高いのが利点である。
通信装備としては、主に艦橋最上部に設置された複合通信アンテナを用いる。ここには複数種類の通信機器が電波干渉を避けるように配置されている。これにより、UHF帯を利用するED-07やED-18といった汎用戦術データリンクや、EHF帯を利用するED-16艦隊内データリンクに接続することが可能である。これらのデータリンクとSDC-16戦術情報処理を組み合わせることで、艦隊内の各艦のレーダー情報をターゲティングの精度で全艦で共有して各個に共通射撃指揮図を作成したり、共通射撃指揮図及び各艦の搭載兵装を元に陣形を策定したりすることが可能である。
ED-16はEHF帯を利用する非常に高速かつ極めて秘匿性に優れたデータリンクシステムで、当初はステルス戦闘機の編隊内データリンクシステムとして開発された。艦隊内では、戦闘空中哨戒中の艦載戦闘機や近距離の友軍の艦艇から直接情報を受け取るのに使用される。ターゲティングの精度で目標の情報を共有可能であるため、受け取った情報を元に自艦のレーダーで再探知などを行わずともミサイルを射撃し目標を撃破することが可能である。
ED-18はUHF帯を利用する比較的高速なデータリンクシステムである。データストリームの多重化と新しい秘匿技術による従来よりも高速(200km先のユニットに2Mbpsの速度でデータを共有可能)かつセキュアな通信を実現している他、メッシュ化によって自身で通信をリレーすることが可能となっており、システム全体の抗堪性に優れる他、見通し線外に対する通信も容易となっている。主に艦載早期警戒機や艦隊外のユニットから情報を受け取るのに使用される。ED-16と同様、ターゲティングの精度で目標の情報を共有可能であるため、受け取った情報を元に自艦のレーダーで再探知などを行わずともミサイルを射撃し目標を撃破することが可能である。
センサーとしては、RMB-14多機能アクティブフェーズドアレイレーダー、SB-14高周波ソナーシステム、SB-09曳航式可変深度ソナーシステム、OMB-14複合光学センサーシステム、ODB-14対機雷ライダーなどが搭載されている。
RMB-14は艦橋上部の4面に装備されるアクティブフェーズドアレイレーダーである。RMB-14は、捜索、追尾、射撃管制、さらには電子戦に対応する多機能レーダーである。対空戦・対水上戦のために通常は8~12GHzのXバンドを利用する。対空レーダーとしては最大200km以上の探知距離と4面合わせて100以上の目標の同時追尾能力を、対水上レーダーとしては数十km先の敵潜水艦の潜望鏡を瞬時に探知できる能力を有しているとされる。なお、RMB-14はインターリーブ能力を有するため、複数のモードを同時に使用することが可能であり、例えば、敵の対艦ミサイルを追尾しつつ艦対空ミサイルを指令誘導し、別方向から敵航空機が接近していないか捜索する、といった複雑な運用も可能である。
SB-14は、主に機雷探知、障害物回避、魚雷警戒のために装備されたソナーシステムである。掃海艇・掃海艦向けに開発されたソナーシステムをベースに魚雷警戒能力を付与して開発されており、艦首直下のソナードームに収納される。機雷探知モードでは80キロヘルツの周波数帯を利用して最大1200メートルから標準的なサイズの機雷を探知でき、識別モードでは350キロヘルツ付近の周波数帯を使用し0.3度の高い分解能で標的を分析する。
SB-09は、艦後部から曳航される曳航式ソナーシステムで、2010年代以降に建造された第四インターナショナル連邦共和国の水上戦闘艦で標準装備となっている。全長はおよそ240m、直径はおよそ9cm、周波数帯としては、アクティブ・ソナーモードの場合0.95~2.1キロヘルツ、パッシブ・ソナーモードの場合0.1~2.1キロヘルツを使用する。極力母艦の運動性能を制限しないように設計されているため、最大30ノットでの曳航に耐えられる。理想的な条件下においては、最大で110~130km先(第2CZ付近)の敵潜水艦を探知することが可能と目されている。また、僚艦とのデータリンクによって、バイスタティックないしはマルチスタティックソナーとして運用することが可能である。
OMB-14は、可視光CCDイメージセンサ、熱線映像装置、レーザー測距装置を統合した電子光学照準システム複数台からなる複合光学センサーシステムであり、ネサワルコヨトル級では、艦橋天板に旋回式センサーが1基、艦橋上部に固定式センサーが4基の合計5基の電子光学照準システムを装備する。旋回式センサーの映像は、主砲や機関砲の射撃管制に用いることが可能である。一方、4つの固定式センサーの映像は、コンピュータによって繋ぎ合わされて統合指揮所の全周ビデオスクリーンに投影され、この映像を元に操艦などを行うことが可能である。
ODB-14は、浅深度や海面付近の機雷について、その危害半径外から詳細に識別することを目的に開発されたライダーである。ライダーとは、一般的には「レーザー・レーダー」とも呼ばれるもので、その名の通り、レーザー光線がレーダーにおける電波と同じ役割を果たす。レーダーと比較すると、使用する電磁波の波長が遥かに短いため、解像度が極めて高いのが利点である。
通信装備としては、主に艦橋最上部に設置された複合通信アンテナを用いる。ここには複数種類の通信機器が電波干渉を避けるように配置されている。これにより、UHF帯を利用するED-07やED-18といった汎用戦術データリンクや、EHF帯を利用するED-16艦隊内データリンクに接続することが可能である。これらのデータリンクとSDC-16戦術情報処理を組み合わせることで、艦隊内の各艦のレーダー情報をターゲティングの精度で全艦で共有して各個に共通射撃指揮図を作成したり、共通射撃指揮図及び各艦の搭載兵装を元に陣形を策定したりすることが可能である。
ED-16はEHF帯を利用する非常に高速かつ極めて秘匿性に優れたデータリンクシステムで、当初はステルス戦闘機の編隊内データリンクシステムとして開発された。艦隊内では、戦闘空中哨戒中の艦載戦闘機や近距離の友軍の艦艇から直接情報を受け取るのに使用される。ターゲティングの精度で目標の情報を共有可能であるため、受け取った情報を元に自艦のレーダーで再探知などを行わずともミサイルを射撃し目標を撃破することが可能である。
ED-18はUHF帯を利用する比較的高速なデータリンクシステムである。データストリームの多重化と新しい秘匿技術による従来よりも高速(200km先のユニットに2Mbpsの速度でデータを共有可能)かつセキュアな通信を実現している他、メッシュ化によって自身で通信をリレーすることが可能となっており、システム全体の抗堪性に優れる他、見通し線外に対する通信も容易となっている。主に艦載早期警戒機や艦隊外のユニットから情報を受け取るのに使用される。ED-16と同様、ターゲティングの精度で目標の情報を共有可能であるため、受け取った情報を元に自艦のレーダーで再探知などを行わずともミサイルを射撃し目標を撃破することが可能である。
艦砲としては、船体前部にCN-92 130mm単装速射砲を1基搭載している。軽量化のため、砲塔の素材は繊維強化プラスチックとなっており、重量はおよそ25tである。砲塔内は完全に無人化されており、遠隔操作で制御される。砲身長は70口径で、砲口初速は900m/s、最大射程は通常砲弾使用時でおよそ35km、ロケットアシスト付き誘導滑空砲弾を使用した場合は70km以上に達する。20発入りの即応弾用ドラムマガジンが3つ用意されており、3種類の弾薬を即座に切り替えることが可能である。砲弾には通常は多目的信管が備え付けられており、薬室に装填される際に信管のモードが電気的に設定される。多目的信管は着発信管、時限信管、近接信管などの各種モードで動作することができる。長時間の持続射撃を可能とするため、砲身は水冷式を採用しており、毎分30発のレートで射撃を行うことができる。
また、130mm単装速射砲を補う目的で、遠隔操作式30mm機関砲を両弦に1基ずつ、合計2基搭載している。30mm機関砲はデュアルフィード設計によって2種類の弾薬を任意のタイミングで切り替えることが可能で、毎分250発の速度で連射可能である。掃海艦としての運用も想定されているネサワルコヨトル級では、スーパーキャビテーションを利用した水中貫通弾が搭載されており、探知した機雷に対して30mm機関砲で射撃することで爆破処分することが可能とされている。
対艦ミサイルとしては、自衛用にMBB-09艦対艦ミサイル用の4連装ランチャー2基を搭載している。MBB-09はコンパクトかつステルス性に優れた対艦ミサイルであり、シースキミング時の最大射程は約200~250km、高高度を巡航した場合の最大射程は約500~600kmとされている。通常、中間誘導には慣性航法、電波地形照合、衛星航法、データリンクを、終末誘導にはアクティブ/パッシブレーダー誘導と赤外線画像誘導をそれぞれ利用するが、ステルス性を重視する場合、終末誘導においてアクティブレーダー誘導を使用せずに敵艦を攻撃することも可能である。
CN-92とMBB-09の他に、ネサワルコヨトル級では普通、垂直発射装置の32セル中16セルが対地/対水上兵装用に割り当てられる。通常、その16セル全てにMBT-14艦対地超音速滑空弾が装備されている。クアッドパックに対応しており、1セルの垂直発射装置内に最大4発を搭載できる。その最大射程はおよそ250kmとされており、艦載対地兵装としては比較的低コストながら、ハープーンクラスの地対艦ミサイルをアウトレンジできる。MBA-09個艦防空ミサイルのロケットモーターに空軍のBPG-150精密誘導滑空地中貫通爆弾を装着した構造となっており、慣性航法と衛星航法を利用して半数必中径数m以下の高い精度での攻撃が可能で、またその威力は203mm砲弾とほとんど同等であり、最大厚さ1.5mの鉄筋コンクリートを容易に貫通できるため、敵の地対艦ミサイルや地対空ミサイルの掩体を破壊するのに最適である。
また、130mm単装速射砲を補う目的で、遠隔操作式30mm機関砲を両弦に1基ずつ、合計2基搭載している。30mm機関砲はデュアルフィード設計によって2種類の弾薬を任意のタイミングで切り替えることが可能で、毎分250発の速度で連射可能である。掃海艦としての運用も想定されているネサワルコヨトル級では、スーパーキャビテーションを利用した水中貫通弾が搭載されており、探知した機雷に対して30mm機関砲で射撃することで爆破処分することが可能とされている。
対艦ミサイルとしては、自衛用にMBB-09艦対艦ミサイル用の4連装ランチャー2基を搭載している。MBB-09はコンパクトかつステルス性に優れた対艦ミサイルであり、シースキミング時の最大射程は約200~250km、高高度を巡航した場合の最大射程は約500~600kmとされている。通常、中間誘導には慣性航法、電波地形照合、衛星航法、データリンクを、終末誘導にはアクティブ/パッシブレーダー誘導と赤外線画像誘導をそれぞれ利用するが、ステルス性を重視する場合、終末誘導においてアクティブレーダー誘導を使用せずに敵艦を攻撃することも可能である。
CN-92とMBB-09の他に、ネサワルコヨトル級では普通、垂直発射装置の32セル中16セルが対地/対水上兵装用に割り当てられる。通常、その16セル全てにMBT-14艦対地超音速滑空弾が装備されている。クアッドパックに対応しており、1セルの垂直発射装置内に最大4発を搭載できる。その最大射程はおよそ250kmとされており、艦載対地兵装としては比較的低コストながら、ハープーンクラスの地対艦ミサイルをアウトレンジできる。MBA-09個艦防空ミサイルのロケットモーターに空軍のBPG-150精密誘導滑空地中貫通爆弾を装着した構造となっており、慣性航法と衛星航法を利用して半数必中径数m以下の高い精度での攻撃が可能で、またその威力は203mm砲弾とほとんど同等であり、最大厚さ1.5mの鉄筋コンクリートを容易に貫通できるため、敵の地対艦ミサイルや地対空ミサイルの掩体を破壊するのに最適である。
ネサワルコヨトル級では普通、垂直発射装置の32セル中8セルが対空兵装に割り当てられる。通常、その8セル全てにMBA-09個艦防空ミサイルが装備されている。MBA-09は、クアッドパックに対応したコンパクトな艦対空ミサイルであり、1セルの垂直発射装置内に最大4発を搭載できる。その最大射程はおよそ60kmだが、対艦ミサイルのような高機動目標に対する有効射程は25km以内の範囲に制限される。誘導方式としては、中間誘導には慣性航法と指令誘導、終末誘導にはアクティブレーダー誘導を採用しており、撃ちっぱなし能力を有する。このため同時多目標対処能力に優れており、実験においては、海面高度で接近する超音速標的2発を含む12発の対艦ミサイルを撃墜することに成功している。
個艦防空ミサイルの迎撃を掻い潜った敵の対艦ミサイルに対しては、艦の前後に1基ずつ設置された合計2基のSMAB-12近接防空システムが対処する。これは、Xバンドの捜索レーダー、可視光カメラと熱線映像装置を統合した電子光学照準装置、11連装ミサイルランチャーを統合したシステムであり、システム単体で最大12の目標を同時追尾でき、脅威度が高い目標から順に迎撃を実施する。ランチャーに搭載されるミサイルは、MAA-05短距離空対空ミサイルを元に開発されたMBA-12近接防空ミサイルである。最大射程はおよそ10kmで、パッシブレーダー誘導と赤外線画像誘導を併用して敵の対艦ミサイルと味方の対空ミサイルを識別し正確な迎撃を行えるため、複数発を連射することも可能である。
個艦防空ミサイルの迎撃を掻い潜った敵の対艦ミサイルに対しては、艦の前後に1基ずつ設置された合計2基のSMAB-12近接防空システムが対処する。これは、Xバンドの捜索レーダー、可視光カメラと熱線映像装置を統合した電子光学照準装置、11連装ミサイルランチャーを統合したシステムであり、システム単体で最大12の目標を同時追尾でき、脅威度が高い目標から順に迎撃を実施する。ランチャーに搭載されるミサイルは、MAA-05短距離空対空ミサイルを元に開発されたMBA-12近接防空ミサイルである。最大射程はおよそ10kmで、パッシブレーダー誘導と赤外線画像誘導を併用して敵の対艦ミサイルと味方の対空ミサイルを識別し正確な迎撃を行えるため、複数発を連射することも可能である。
ネサワルコヨトル級では普通、垂直発射装置の32セル中8セルが対潜兵装に割り当てられる。通常、その8セル全てにMBS-07対潜ミサイルが装備されている。MBS-07は、324mm短魚雷を運搬する垂直発射式の対潜ミサイルであり、最大射程はおよそ70kmで、これはおおよそ第1CZに相当する。弾頭部の魚雷としては、MBS-07AではT97魚雷が、2015年に登場した改良型のMBS-07BではT12魚雷が使用される。T97魚雷はアメリカのMk.50魚雷の影響を受けて開発された短魚雷であり、液体リチウムと六フッ化硫黄を燃料とする閉サイクル蒸気タービンによって深海で高機動性を発揮できるのが特徴である。T12魚雷はT97魚雷の改良型で、センサー部分と信号処理能力をアップグレードし、浅海域の複雑な音響環境に対応しているのが特徴である。
また、近距離の敵潜水艦に対抗するために、両弦に324mm3連装魚雷発射管を1基ずつ備えている。
また、近距離の敵潜水艦に対抗するために、両弦に324mm3連装魚雷発射管を1基ずつ備えている。
ネサワルコヨトル級は、沿岸付近において機雷戦部隊に随伴して後方の水陸両用作戦部隊の上陸を支援することを目的に建造されており、ミサイルフリゲートとしては充実した機雷戦装備を有しているのが特徴である。ネサワルコヨトル級の機雷戦システムは、基本的にはB13級掃海艦やB14級掃海艇のシステムをベースとしており、機雷捜索用と機雷処分用に別々の水中無人機を使用する。B04級掃海艦やB05級掃海艇で搭載されていたような機雷処分具と自走式機雷探知ソナーの役割を兼ねる水中無人機は高価で、さらに誘爆で機能を喪失するリスクが高かった。機雷捜索用と機雷処分用で別々の水中無人機を使用することで、このようなリスクを回避できる。
前述したSB-14高周波ソナーシステムやODB-14機雷探知用ライダーの他、ネサワルコヨトル級では機雷捜索用の無人潜水艇を搭載している。リチウムイオンバッテリーを内蔵しており、なおかつ事前作成された航走計画に基づき自律的に稼働出来るため、母艦と電源ケーブルや通信ケーブルをつなぐ必要がなく、従来よりも広範囲を捜索することが可能である。また、高周波・低周波の2周波の合成開口ソナーを搭載しており、沈底機雷や埋没機雷といった、既存の機雷探知ソナーで探知するのが難しい機雷をも探知できる。
発見した機雷に対しては、前述した30mm機関砲の他、機雷処分用の水中無人機を使用して処分する。これは機雷処分用の小型魚雷のようなものであり、光ファイバーケーブルで母艦に接続されて遠隔操縦され、弾頭の超低感度爆薬によって機雷を爆破処分する。機雷処分用水中無人機の航続距離は1000m、最大深度は800mとされる。
前述したSB-14高周波ソナーシステムやODB-14機雷探知用ライダーの他、ネサワルコヨトル級では機雷捜索用の無人潜水艇を搭載している。リチウムイオンバッテリーを内蔵しており、なおかつ事前作成された航走計画に基づき自律的に稼働出来るため、母艦と電源ケーブルや通信ケーブルをつなぐ必要がなく、従来よりも広範囲を捜索することが可能である。また、高周波・低周波の2周波の合成開口ソナーを搭載しており、沈底機雷や埋没機雷といった、既存の機雷探知ソナーで探知するのが難しい機雷をも探知できる。
発見した機雷に対しては、前述した30mm機関砲の他、機雷処分用の水中無人機を使用して処分する。これは機雷処分用の小型魚雷のようなものであり、光ファイバーケーブルで母艦に接続されて遠隔操縦され、弾頭の超低感度爆薬によって機雷を爆破処分する。機雷処分用水中無人機の航続距離は1000m、最大深度は800mとされる。
ネサワルコヨトル級では、敵対艦ミサイルの射程圏内で対地砲撃などの任務に従事することが想定されており、設計にあたっては高水準の電子戦能力を備えることが要求されていた。ネサワルコヨトル級は、アカプルコ級ミサイルフリゲートなどで搭載されていたSGEB-09艦艇電子戦システムをベースに、各部分を改修したSGEB-16艦艇電子戦システムを搭載する。これは、脅威電波を探知し、さらに妨害・欺瞞が実施可能な電子戦システムである。SGEB-09では、タワー型の構造物に各種アンテナが集約されて配置されていたのに対し、ネサワルコヨトル級では艦橋上部のRMB-14のアンテナ周辺に集中配置されている。
SGEB-16は、電波探知装置としてはSGEB-09と共通のRARB-09を使用する。これは0.2~2GHzの低周波用アンテナ、2~12GHzの中周波用アンテナ、12~40GHzの高周波用アンテナの3種類の受信用アンテナから構成され、全周360度をカバーすることができる。高感度のアクティブフェーズドアレイアンテナによって、標準的なサイズの対艦ミサイルのアクティブレーダーシーカーの発する電波ならば数十km先から、戦闘機の火器管制レーダーの発する電波ならば数百km先から探知でき、それらの脅威の方角を1~2°×1~2°程度の精度で特定することが可能である。さらに、この情報をRMB-14アクティブフェーズドアレイレーダーに引き渡し、その方角を重点的に捜索させることもできる。
一方、電子妨害用のアンテナとしては、SGEB-09が専用のアンテナを備えていたのに対し、SGEB-16ではRMB-14のアクティブフェーズドアレイアンテナが利用される。RMB-14は通常Xバンドを利用して空中目標や水上目標を捜索追尾するが、電子戦用のアンテナとして用いる場合、2~20GHz帯に対する強力な電波妨害が実施できる。
さらなる対抗手段としては、RARB-09と連動したチャフ・フレアディスペンサーが用意されている。ここからは、従来のチャフやフレアはもちろんのこと、自ら電波を放出して艦の位置を欺瞞するアクティブ・デコイや、投棄式の電波妨害装置を射出することも可能となっている。
SGEB-16は、電波探知装置としてはSGEB-09と共通のRARB-09を使用する。これは0.2~2GHzの低周波用アンテナ、2~12GHzの中周波用アンテナ、12~40GHzの高周波用アンテナの3種類の受信用アンテナから構成され、全周360度をカバーすることができる。高感度のアクティブフェーズドアレイアンテナによって、標準的なサイズの対艦ミサイルのアクティブレーダーシーカーの発する電波ならば数十km先から、戦闘機の火器管制レーダーの発する電波ならば数百km先から探知でき、それらの脅威の方角を1~2°×1~2°程度の精度で特定することが可能である。さらに、この情報をRMB-14アクティブフェーズドアレイレーダーに引き渡し、その方角を重点的に捜索させることもできる。
一方、電子妨害用のアンテナとしては、SGEB-09が専用のアンテナを備えていたのに対し、SGEB-16ではRMB-14のアクティブフェーズドアレイアンテナが利用される。RMB-14は通常Xバンドを利用して空中目標や水上目標を捜索追尾するが、電子戦用のアンテナとして用いる場合、2~20GHz帯に対する強力な電波妨害が実施できる。
さらなる対抗手段としては、RARB-09と連動したチャフ・フレアディスペンサーが用意されている。ここからは、従来のチャフやフレアはもちろんのこと、自ら電波を放出して艦の位置を欺瞞するアクティブ・デコイや、投棄式の電波妨害装置を射出することも可能となっている。
ネサワルコヨトル級では対潜哨戒ヘリ1機の搭載能力が要求されたため、艦後部に幅15m×全長25mのヘリパッドが用意されている。ヘリパッド上には、1基の着艦拘束/移送装置が用意されている。拘束装置自体が着艦したヘリの位置や向きを調整する機能を備えるため、複雑な操作が不要で、着艦後の拘束から格納庫への移送までの全ての操作を1名のみで行うことが可能である。格納庫は、アカプルコ級などと比較して狭くなっており、アカプルコ級は緊急時に対潜哨戒ヘリを2機を収容可能であるのに対し、本級では最大でも1機しか格納することはできない。夜間や悪天候時にも安全な着艦を可能とするため、アカプルコ級と同様の着艦誘導システムを搭載しており、ヘリ側に取り付けられた赤外線マーカーを熱線映像装置によって追尾し、レーザー測距装置によって相対距離を測定、距離情報は対潜ヘリ専用データリンク装置を経由してヘリ側に送信することが可能である。これらのシステムにより、12.5tまでのヘリコプターをシーステート6までの海況で運用することができる。
ネサワルコヨトル級は通常、艦載機としてHS-99対潜哨戒ヘリを1機搭載している。これは地上軍のHU-90汎用ヘリコプターをベースに、対水上レーダー、ディッピングソナー、ソノブイ発射機、磁気探知機、対潜ヘリ専用データリンク装置を搭載したものである。ネサワルコヨトル級では通常、最新型のHS-99Cを搭載しており、これにより、ヘリ同士の間のデータリンクやヘリと母艦の間のデータリンクによるマルチスタティックソナー運用を可能としている。
ネサワルコヨトル級は通常、艦載機としてHS-99対潜哨戒ヘリを1機搭載している。これは地上軍のHU-90汎用ヘリコプターをベースに、対水上レーダー、ディッピングソナー、ソノブイ発射機、磁気探知機、対潜ヘリ専用データリンク装置を搭載したものである。ネサワルコヨトル級では通常、最新型のHS-99Cを搭載しており、これにより、ヘリ同士の間のデータリンクやヘリと母艦の間のデータリンクによるマルチスタティックソナー運用を可能としている。
ネサワルコヨトル級は沿岸部に進出して各種任務に従事することを想定しており、このため高いステルス性が要求された。外観上の最大の特徴としては、船体と上部構造物が共に7~12°前後傾斜していることが挙げられ、このためナックルラインが前甲板途中から後部のヘリ甲板前端にかけて続いている。主船体は鋼製で、船型は長船首楼型とされている一方、上部構造物は主にサンドイッチ構造のガラス繊維強化プラスチックを採用し、これにより軽量化やレーダー反射面積の減少を図っている。さらに、投揚錨装置や搭載艇などのレーダー反射源になりうるものは全て開閉式のドアによって船体内に格納されている。これらの工夫によって、本級のレーダー反射面積は基準排水量500t級のミサイル艇と同レベルにまで抑えられている。
船体は12の水密区画に分割されており、そのうちの2つの区画まで浸水しても航行することが可能となっている。また、弾薬庫と指揮所などの重要区画には、ケブラーとガラス繊維強化プラスチックによる簡易的な装甲が施されている。省人化しつつもダメージコントロール能力を維持するため、火災検知器と連動したカメラが船内各所に配置され、火災発生時には統合指揮所に映像が速やかに送信される仕組みとなっており、これにより迅速に被害状況を確認することが可能となっている。
本級の特徴としては、従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦闘艦と比べ、居住性が格段に向上している点が挙げられる。近年、第四インターナショナル連邦共和国でも、士気向上のために兵員の待遇改善が進められており、艦艇の設計にあたっては居住性がかなり重視されるようになってきているが、本級の場合はそうした設計上の配慮以上に、そもそも船体規模に比して乗員数がかなり少ないという要因の方が大きい。もちろん、全ての乗員区画は完全にNBC防護されている。
また、ネサワルコヨトル級では、設備が整っていない島嶼部の港湾における活動が想定されており、タグボートなしで入港することができるよう、バウスラスターを備えている。喫水は4.8mで、アカプルコ級やサン・ルイス・ポトシ級の5.4mと比較して浅く、より浅海域での活動に適している。
船体は12の水密区画に分割されており、そのうちの2つの区画まで浸水しても航行することが可能となっている。また、弾薬庫と指揮所などの重要区画には、ケブラーとガラス繊維強化プラスチックによる簡易的な装甲が施されている。省人化しつつもダメージコントロール能力を維持するため、火災検知器と連動したカメラが船内各所に配置され、火災発生時には統合指揮所に映像が速やかに送信される仕組みとなっており、これにより迅速に被害状況を確認することが可能となっている。
本級の特徴としては、従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦闘艦と比べ、居住性が格段に向上している点が挙げられる。近年、第四インターナショナル連邦共和国でも、士気向上のために兵員の待遇改善が進められており、艦艇の設計にあたっては居住性がかなり重視されるようになってきているが、本級の場合はそうした設計上の配慮以上に、そもそも船体規模に比して乗員数がかなり少ないという要因の方が大きい。もちろん、全ての乗員区画は完全にNBC防護されている。
また、ネサワルコヨトル級では、設備が整っていない島嶼部の港湾における活動が想定されており、タグボートなしで入港することができるよう、バウスラスターを備えている。喫水は4.8mで、アカプルコ級やサン・ルイス・ポトシ級の5.4mと比較して浅く、より浅海域での活動に適している。
ネサワルコヨトル級では、水中放射雑音の低減や低燃費化を目的とし、機関方式としてはCOGLAG式を、推進器としては2軸の可変ピッチプロペラを採用している。これは、2010年代以降に建造された第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍海軍の艦艇としては標準的な構成である。
機関構成としては、MGB-08ガスタービンエンジンを4基、MGB-15ガスタービンエンジンを1基搭載している。巡航時はMGB-08ガスタービンエンジンを原動機とするガスタービン発電機で推進器を電気駆動、高速時はMGB-15ガスタービンエンジンで推進器を機械駆動、これにより低速域での高効率な巡航と戦闘時の高速性能を両立可能としている。MGB-08を原動機とするガスタービン発電機は最大4.2メガワットの電力を発電することができ、1基で艦内で必要な全ての電源を賄うことが可能で、2基稼働させた場合15ノットで、4基稼働させた場合21ノットでの巡航が可能となる。MGB-15は最大48000馬力を発揮することができる極めて強力なガスタービンエンジンで、推進器を機械駆動することで最大30ノット以上の速度で航行することが可能である。
本級では推進器を機械駆動する主機を、空母や揚陸艦といった大型艦艇向けの極めて強力なガスタービンエンジンであるMGB-15ガスタービンエンジン1基のみとすることで、搭載する機関の数を減らし、調達・運用コストを低減する試みがなされている。一方で、主機が1基しかないため、従来のフリゲートで行われていたような機関のシフト配置は不可能となっており、被弾時の抗堪性・ダメージコントロールの観点から見ればこれは望ましくないことである。
機関構成としては、MGB-08ガスタービンエンジンを4基、MGB-15ガスタービンエンジンを1基搭載している。巡航時はMGB-08ガスタービンエンジンを原動機とするガスタービン発電機で推進器を電気駆動、高速時はMGB-15ガスタービンエンジンで推進器を機械駆動、これにより低速域での高効率な巡航と戦闘時の高速性能を両立可能としている。MGB-08を原動機とするガスタービン発電機は最大4.2メガワットの電力を発電することができ、1基で艦内で必要な全ての電源を賄うことが可能で、2基稼働させた場合15ノットで、4基稼働させた場合21ノットでの巡航が可能となる。MGB-15は最大48000馬力を発揮することができる極めて強力なガスタービンエンジンで、推進器を機械駆動することで最大30ノット以上の速度で航行することが可能である。
本級では推進器を機械駆動する主機を、空母や揚陸艦といった大型艦艇向けの極めて強力なガスタービンエンジンであるMGB-15ガスタービンエンジン1基のみとすることで、搭載する機関の数を減らし、調達・運用コストを低減する試みがなされている。一方で、主機が1基しかないため、従来のフリゲートで行われていたような機関のシフト配置は不可能となっており、被弾時の抗堪性・ダメージコントロールの観点から見ればこれは望ましくないことである。
艦名 | 起工 | 進水 | 就役 |
ネサワルコヨトル (Nezahualcóyotl) | 2015年5月6日 | 2016年7月7日 | 2017年9月7日 |
トラルネパントラ・デ・パス (Tlalnepantla de Baz) | 2015年12月4日 | 2017年2月5日 | 2018年5月2日 |
チマルワカン (Chimalhuacán) | 2016年5月12日 | 2017年7月21日 | 2018年10月22日 |
トラケパケ (Tlaquepaque) | 2016年12月7日 | 2018年2月24日 | 2019年5月12日 |
トゥストラ・グティエレス (Tuxtla Gutiérrez) | 2017年5月23日 | 2018年8月3日 | 2019年10月23日 |
シウダー・ロペス・マテオス (Ciudad López Mateos) | 2018年11月15日 | 2020年2月1日 | 2021年4月22日 |
クアウティトラン・イスカリ (Cuautitlán Izcalli) | 2019年11月30日 | 2021年2月21日 | 2022年4月23日 |
シウダー・アポダカ (Ciudad Apodaca) | 2020年12月18日 | 2022年3月5日 | 2023年6月3日 |
トナラ (Tonalá) | 2021年5月3日 | 2022年7月19日 | 2023年10月22日 |
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