架空国家を作ろう　第1.1世界線

夜去社会党は1889年に夜去大神国において設立された大神国の国政政党である。綱領的文書である「社会党宣言」で大神国では「真に市民革命がなされていないものである」として、「社会主義の実現には市民革命」が「絶対の必要の条件」であると述べている。ブルジョア革命さえも為されておらず、国民に完全な民主主義が達成されていない大神国では社会主義体制に非暴力的に至ることは不可能として、非暴力的な社会主義への到達はブルジョア革命後に目指すことを掲げている。
また、民主集中制を「独裁的な帝国主義体制に至る体制」などとして批判している。また、「皇帝・貴族制度が大神国に不条理な階級社会を生み、生産手段の独占に繋がった」としこれを批判し、これの撤廃がブルジョア革命達成の一定の指標としている*1。
1889年に成立したあとは「反国体的な政党」として批判され特別高等警察による苛烈な取締の対象となった。しかし、1952年に現行憲法への改正が為された後には支持を着実に広げ1993年から2006年まで野党第一党を努めた。2010年の民衆院選挙で、17年の野党第一党の座を哲倫党に譲り、野党第二党となった。

大神国は市民革命にさえも至れておらず、この市民革命の実現なしには「真の民主主義」への到達はないとしている。真の民主主義とは「民衆が精神に於いて自らに主権があることを自覚した上で行われる政治」と定め、社会主義は「精神状態において自らの主権を認識する民衆」によって自然に到達されるとしてその課程において「暴力的革命は必要ない」としている。
大神国に於いてこの「精神的に自らの主権を認識する民衆」がいない原因を天皇及び貴族の存在を前提とした政治にあることとして、この制度から大神国が脱却することが市民革命の最初の目標であり、最大の目標であると定める。また、この制度の廃止は「少なくとも平和的に達成され得ない」として、主な障害として暴力装置とりわけ検閲特務機関と特別高等警察を挙げ「彼らに対抗するためには実力を用いる」ことも致し方ないとしている。

「民主論」:大神国では市民革命が一度も達成されていない。それでは、市民革命とは何か。市民革命とは「民衆が自らに政治権力が帰属するということを自覚する」ということなのである。〜中略〜大神国では、皇帝と貴族の存在が圧倒的かつ閉鎖的な社会を作り上げ、政治的権力が自らに帰属するということを自覚する民衆が減ったのである。この結果がどうであろうか。欽定憲法である憲法ではひたすらに皇帝の権威が強調され、民衆は自らに政治権力が帰属するということを自覚できないし、自覚することを意識することすら許容されない。〜中略〜結局民衆が政治権力を意識することは絶対的な権威によって否定される。これを取り除き、民衆が自らに政治権力があることを自覚するのが市民革命なのである。

以上のように、絶対的な権威である皇帝と貴族により、国民が政治権力が自らに帰属するということに気づけず、民主主義の発展を妨げていると批判した。この権威は「自覚した市民」をひたすら排斥しようとする傾向にあり、その排斥しようとする権威のもとでは民主主義による社会主義は達成されないと説く。そのため、この権威を取り除く過程においては暴力を使用することは不可避である。と説く。

社会党は社会主義を「民主主義によって達成されるものであり」民主主義にも「社会主義的発想は不可欠のものである」としている。ただし、社会民主主義の達成には先述の通り暴力が必要とされているが本来社会民主主義とは非暴力的な手段によって社会全体や個別問題の改革を目指すものであり、そういった側面でこれはある意味で社会民主主義の傍流として解釈されることがある。そういった意味で本流の社会民主主義と区別するため夜去式社会民主主義と解釈される。
あくまで、政教分離の法則を支持し世俗主義を標榜するものの、大神国の歴史上特定の宗教が政治に関わった事実はないためこの点については大神国に於いてはあまり重視されることは少ない。また、社会民主主義を標榜するセットとして、自由市場経済を重視しながらも自由競争市場経済により発生する弊害や社会全体としての非最適な状態を予防または是正するために、政府が自由競争市場経済を監視・管理・規制・禁止・介入も重視し、市場経済と政府が介入する経済を併用する政策や所得再分配による貧富の格差の予防や是正を目指し、特に高所得者や富裕層から貧困層や低所得者への所得の再分配を主張する混合経済を主張している。
また、ネオリベラリズムを非最適な状況におけるブルジョアによる資産の独占を引き起こす体制と批判し、この理由からも混合経済を主張している。

護国護憲党は「ネオリベ的」であるなどとして政党として批判している。しかしながら、神四戦争などの第四・ソ連などと対立する際は度々彼らの提出する対ソ連法案に賛成しているほか、帝国主義国家や国家社会主義国家への対抗法案なども賛成している。

ソ連を「未だにスターリニズムから脱却できていない」と批判し、また長年に渡る権威主義的かつ官僚独裁的傾向により国民から「真の民主主義」が失われたと批判している。また、社会主義市場経済の概念である「市場における利益の分配」を「実効性が失われ」ソビエト内で新たな階級が形成され、生産手段が独占されていると綱領で批判した。

「新・民主論」:ソ連における社会主義はスターリンによるML主義の影響を未だに脱せていない。ではなぜソ連におけるこの状況は批判されなければならないのか。社会主義は民主主義なくして成立し得ない。それではソ連を見てみよう。自らの路線に異論のあるものを徹底して弾圧したことにより、ソ連民衆は自らの意見を言うことを萎縮してしまうようになった。ソ連国民は自らに主権があるということを認識しなくなったのである。この事実は、次第にソ連国内で官僚への権威を強化しこの権威を下に官僚独裁が行われるようになって、ブルジョア革命以前の体制に社会は後退したのである 「新綱領」:結局の所、ソ連式社会主義市場経済は失敗に終わった。ありふれる権威を背景とし多くの人間は家庭に押し込まれた結果失業率は大幅に低下した。しかし、これはソ連による独裁的支配が招いた結果であり、国民の望んだところではないだろう。〜中略〜また、ソ連式市場経済は権威による批判がないことを良いことに、一部の階層への富の集約を進めそれは分配を停滞させ、ソ連国内に於ける生活水準の低下を招いた。

以上の事実からソ連式社会主義を「市民革命の犠牲をスターリンとそれに続く指導者の権威主義と官僚独裁的な施策によって民衆は自らに主権があるということを意識しなくなり、民主主義が成立していない」と批判している。また、ゴルバチョフによる改革を「極めてトップダウン型に行われ、結果としてこの施策は極度に閉鎖された社会を招き、ソ連的帝国主義を加速させた」と批判している。
また、7億人を超える国民を抱えるソ連の労働人口が2億人余りの理由を「女性が「権威的傾向」によって家庭に押し込まれた結果」と批判している。

以下のように第四インターのことを記述している。

「民主論」:第四インターの主張する「セドフィズム」にあるように、革命の段階では一定程度の暴力が不可避な場合がある。ただし、前述の通り革命は市民主体で行われるべきであり彼の国が主張するように他国の社会主義国が非社会主義国に革命という側面で介入することは最小の暴力のみ許容されると考えられる。 「綱領」:第四インターやソ連が採用する民主集中制は政党への批判が許されないという点で真に民主的ではないのである。 「経済論」:自主管理型社会主義経済はどうであろうか。確かに基礎組織から上部組織に意見が伝わり、それが施策に影響するという点でとりわけ民主的であるのかもしれない〜中略〜ただ、現実的にはーユーゴスラビアで見られたようなー混乱が見られたことも忘れてはなるまい。

以上のように第四インターはソ連に比べると民主主義的であると捉えている。(ちなみに綱領に於いて第四インターの民主集中制とソ連の民主集中制は本質的に別のものであり並列として語ることは許容されないという批判も存在する)。
現在、社会党は第四インターへの体制の軟化を行っている。これは、ソ連の脅威の増大もあるが第四インターをソヴィエト制を根拠として既定路線の達成に至るまでの道への民衆による干渉を容認するという側面で「民衆の主体的な政治参加が進んでいる」という見解が党内に広まっていることが主な理由である。