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T-10主力戦車
要目
全長10.8m
車体長7.5m
全幅3.6m
全高2.4m
重量45t(輸送時重量)
56t(最大戦闘重量)
速度70km/h(整地)
50km/h(不整地)
(いずれも最大戦闘重量時)
乗員3名
搭載兵装CT-10 56口径125mm滑腔砲
Ame-98 12.7mm重機関銃(砲塔上面及び主砲同軸)
エンジンMD-10 V型12気筒4ストロークディーゼルエンジン(最大出力1650馬力)

概要

T-10主力戦車は、第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍地上軍が運用している主力戦車。2014年に、T-96主力戦車?の後継として開発・採用された。ハードウェア面、ソフトウェア面の両方でT-96よりも遥かに高性能となっており、第四インターナショナル連邦共和国地上軍の掲げる「ネットワーク中心の戦い」にも対応している。ユニットコストは2022年時点で1両当たりおよそ400万ドルと見積もられており、これは前任のT-96のユニットコストの2倍に相当する。第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍地上軍は、全ての戦車旅団の装備をT-10主力戦車系列のシャーシを利用した車両で置き換えることを構想しており、将来の地上軍の戦車旅団は、T-15主力戦車を装備した重戦車大隊1個、T-10主力戦車を装備した戦車大隊2個、BCI-12重歩兵戦闘車を装備した装甲擲弾兵大隊1個から構成される予定である。最終的な調達予定数は約1500両とされている。

能力

兵装

主砲
T-10の搭載する主砲「CT-10」は、仮想敵国における戦闘車両の防御能力の向上を受けて開発された戦車砲である。この主砲は、従来のT-84やT-96と同様、125mm口径を採用しており、T-96などが使用していた砲弾との互換性を備えている。ただし、砲身や薬室などはほぼ全てが再設計されており、これにより、新規開発されたより強力な徹甲弾の射撃にも対応している。

砲身の製造にあたっては、新型の高強度鋼が使用されている。この高強度鋼は、T-96主力戦車に搭載されていた「CT-96」などの従来の戦車砲に用いられていたものと比較して、強度は向上しており、なおかつ靭性値も同等となっている。製造に際しては、従来よりも高い水圧で自緊処理が施されている。これにより、薬室最大圧力は735MPaに達し、後述する強力な徹甲弾の使用に適合する。
砲身内部は、耐腐食性を高めることを目的としてクロムメッキが施されている。砲身命数はおよそ1200~1500発である。砲身先端には多孔式の砲口制退器(マズルブレーキ)が装着されており、新型徹甲弾を射撃した場合の強力な反動を軽減することに役立っている。砲身はグラスファイバーと断熱材を組み合わせた砲身被筒(サーマルジャケット)で覆われており、砲身がまばらに加熱されて歪むことを防止している。また、砲基部にはレーザー照射装置が、砲身先端部右側には防護カバー付き砲口照合ミラーが搭載されており、砲身の歪みを検出することが可能である。
この他、砲尾装置には新たにマルチラグ方式を採用、砲座部も構造を再検討し最適化するなどしたことで、両者ともに従来の8割まで軽量化されている。

主砲は上下左右ともに0.1ミル単位で電気式2軸安定化を受けているため、目標を追尾し続けることができる。後述する高性能な射撃管制システムと組み合わさって、大遠距離の目標に対する走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃などで非常に優れた命中率を発揮することが可能となっている。

シルエットを小さくし、被発見率を下げるため、砲塔の高さは低減されている。このため、砲の仰俯角は12~-7度までに制限されている。ただし、後述するハイドロニューマチックサスペンションによって姿勢を変更することで、射撃可能な仰俯角を24~-12度に拡張することができる。
砲弾
T-10主力戦車の搭載する主砲弾は、対戦車戦闘に用いる徹甲弾と、その他の目標との交戦に用いる多目的榴弾の2種類が存在する。T-10の「CT-10」125mm戦車砲向けの徹甲弾としては、「PB-10」劣化ウラン合金製APFSDSが用意されている。多目的榴弾としては、ソフトスキンからコンクリートトーチカまで対応可能な「APE-10」が用意されている。

「PB-10」劣化ウラン合金製APFSDSは、劣化ウラン合金製侵徹体、複合材製のサボット、発射薬、電気式雷管から構成される。砲弾全体の全長は1130mm、重量は26.8kgで、うち、侵徹体は12.7kg、サボットは2.6kg、発射薬は9.7kgを占める。

侵徹体は長さ980mm、直径28mm、重さ12.7kgで、チタニウム合金製の風防・トレーサー、高強度鋼製の鞘、そして全長約890mmの劣化ウラン合金製のコアからなるハイブリッド方式となっている。これはAPFSDSの着発を検知し、鋼板等を爆薬で飛翔させて弾芯を破砕して貫徹力を大幅に減衰させることが可能な、超低感度爆発反応装甲に対応するためのものである。APFSDSに対抗可能な爆発反応装甲は、APFSDSの侵徹体と同等の口径である20~40mm機関砲等の重金属製の徹甲弾などが直撃した際に誤って起爆することを防ぐため、衝撃波に対し相当低感度に設計されている。そこで、「PB-10」では、まず劣化ウランに比べて低密度なチタニウム合金製の風防と高強度鋼製の鞘が目標に着弾することで、衝撃波の大きさを重金属製の弾芯を持つ機関砲向け徹甲弾と誤認させ、爆発反応装甲を起爆させずに貫徹することを目論んでいる。これにより、爆発反応装甲を無力化し、「僅か数十ミリの追加装甲」と見做すことを可能とする。

侵徹体のコアは、劣化ウラン、バナジウム、ニオブなどの合金となっている。詳細な組成は高レベルの機密情報であり、一切公表されていない。劣化ウラン合金製のコアを持つAPFSDSは、着弾時に先端部がさらに尖った形状に変化し、ますます貫徹に適した形状となる。この作用は「セルフ・シャープニング」と呼ばれる。このため、同速度でタングステン製侵徹体のAPFSDSと劣化ウラン製侵徹体のAPFSDSを着弾させた場合、劣化ウラン弾芯製APFSDSの方が貫徹力で10%程度勝るとされている。実際に、90年代の第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍地上軍の試験では、同初速で同じ長さの侵徹体を発射する場合、タングステン合金製の侵徹体の2000m先の均質圧延鋼板に対する貫徹力と、劣化ウラン製の侵徹体の3000m先の均質圧延鋼板に対する貫徹力が同程度とされていた。「PB-10」は初速1600m/sで発射され、およそ2000m先の目標に対し、均質圧延装甲換算でおよそ950mmの貫徹力を発揮する。

その他の目標との交戦には、従来の多目的対戦車榴弾および破片効果榴弾を代替する「APE-10」多目的榴弾を使用する。「APE-10」では、敵の対戦車班のような軟目標から、装甲車やコンクリートトーチカのような硬目標まであらゆる目標と交戦し撃破する能力が求められた。当初は「多目的対戦車榴弾のさらなる改良による破片効果の増大」「先端部に成形炸薬弾、側面部に自己鍛造弾を備えた特殊弾の採用」「粘着榴弾の改良」など様々な方向性が試されたが、最終的に「低感度爆薬・プログラマブル&マルチモード信管を備えた多目的榴弾」が最も優れていると判断された。

「APE-10」は炸薬に「EAPI(低感度高威力爆薬)」を使用している。この炸薬は、爆轟の威力は従来の炸薬と同等以上としながら、弾頭部分を12.7mm弾で射撃しても起爆しないほど感度を低下させている。「APE-10」に装着される「FPM(プログラマブル&マルチモード信管)」は、この炸薬の特性を最大限に活かすことができる。この信管は、「マルチモード」の名の通り、着発の他、遅延、時限、近接の計4モードで動作することができる。信管の動作モードや詳細設定は砲手席のディスプレイで変更可能で、入力情報は発射前に電気信号で伝達され、信管が調整される。
遅延信管モードは、装甲車やトーチカなどの硬目標に対して射撃する際に使用される。着弾からわずかに遅延して起爆することで、目標内部に致命的なダメージを与える。
時限信管モードは、いわゆる「蛸壺」の中に隠れたソフトスキンなどに対する曳火射撃を行う際に使用される。このモードを選択した状態でレーザー測距装置で目標までの距離を測定すると、砲手がボタンを押すだけで自動で起爆までの時間が設定される。
近接信管モードは、ヘリコプターやドローンなどの空中目標に対して射撃する際に使用される。レーザーによって空中目標への接近を検知し、一定距離内に接近すると自動で起爆する。
「APE-10」は、1400m/sという榴弾としてはかなりの高初速で発射されるため、炸薬の炸裂で生成される破片の速度よりも砲弾自体の速度が上回り、見かけ上全ての破片が前方に飛翔するため、キャニスター弾のような運用も可能である。
自動装填装置
T-10の自動装填装置は、ベルトコンベアによる次弾装填方式を採用している。自動装填装置のマガジンは砲塔後部にあり、ここには18発が搭載可能である。この他、車体に砲弾20発分を搭載するスペースが設けられている。自動装填装置は5秒で次弾を装填する能力があり、毎分最大12発という高い速度で砲弾を発射することができる。自動装填装置のマガジンと弾薬搭載スペースは誘爆を防ぐため、弾片防止ライナーを装備している他、引火を防ぐため、高感度火災検知器と自動消火装置が装備されている。特に、乗員の生存性向上のために自動装填装置のマガジンにはブローオフパネルが設けられており、誘爆時に爆風を外側に逃がすことで乗員に被害が及ばないように設計されている。
その他の武装
T-10は砲塔上部にユニバーサルタレットシステムという名称で開発されたRWS(リモートウェポンステーション)を搭載することが可能である。通常、ここには12.7×99mm弾を使用するAme-98重機関銃または40×55mm弾を使用するLGA-96グレネードランチャーが搭載されることとなっている。T-10のRWSは車長用サイトと統合されているため、照準には後述する高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置を利用できる。
T-10では副武装として、主砲の同軸にもAme-98重機関銃が備え付けられている。主砲同軸機銃に12.7mm弾を使用する機関銃を搭載しているのは、本車の想定する主戦場が、広大で平均交戦距離が長大な米墨国境の砂漠地帯であることを顕著に示している。

ベトロニクス

索敵能力
敵車両に対する直接的な索敵のためのセンサーとしては、車長用パノラマサイト、砲手用サイトが使用される。

車長用パノラマサイトと砲手用サイトはどちらも砲塔上部に取り付けられており、高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置を統合している。車長用サイトは前述したとおり、RWSの照準器を兼ねる。サイトは倍率1~20倍の無段階可変倍率方式で、車長と砲手はそれぞれの座席の1080pハイビジョンモニターで目標を捜索することができる。優れた画像安定化技術による高解像度のサーモグラフィーにより、車長用パノラマサイト、砲手用サイト共に7000m先の戦車大サイズの目標を検知し5000m先から識別することが可能で、夜間戦闘での索敵能力に優れる。車長用パノラマサイトは、オーバーライド照準能力およびオーバーライド射撃能力を持っている。

これらのサイトは、主砲と同様、0.1ミル単位で電気式2軸安定化を受けており、タッチパネルから目標をロックオンし、砲と共に自動で追尾することができる。従来のT-96主力戦車の車長用サイトや砲手用サイトでは、熱源集中部に対する自動追尾を行うことで、目標を自動追尾していたのに対し、T-10では追尾対象として熱源集中部のみならず、可視光カメラによって識別した車両シルエットを併用し、その上で追尾点のばらつきが小さい方を適宜選択し続けることで、従来よりも高い追尾能力を確保している。

ディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイ上では、後述するデータリンクシステムを含めたあらゆるシステムで取得した目標の情報についてエキスパートシステムが3段階で脅威度を判定し、脅威度・撃破優先度順に並べることができる。脅威度の判定基準としては、脅威度Aが「自車を撃破しうる火力を有し、なおかつ戦闘準備を整えている目標」、脅威度Bが「自車を撃破しうる火力を有するが、戦闘準備を整えていない目標」、脅威度Cがその他の目標とされている。なお、敵の指揮車両、通信車両など戦術上重要な目標については、脅威度Aの目標と同等の撃破優先度を与えられている他、小隊長車や中隊長車が優先的に撃破するように指示した目標については撃破優先度が上書きされる。

従来の装甲戦闘車両では、データリンクシステムでこれらの目標情報を共有するには車長が戦術共通状況図に手動で位置情報や種別を入力する必要があったが、T-10のような新世代の装甲戦闘車両では、敵車両の発見と同時にボタンを押すだけでその位置が自動で入力される。
データリンクシステム
T-10はネットワーク中心の戦いを実現する戦闘車両として開発されたため、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」と呼ばれるソフトウェア無線機を搭載している。「SRTC(統合戦術無線システム)」は、地上軍が従来利用してきた戦略階梯、作戦階梯、戦術階梯のあらゆる無線機をまとめて代替するために開発されたもので、HF、VHF、UHFでの通信に対応している。また「SRTC-PV」は音声通信とデータ通信の両方の機能を同時に使用することも可能となっている。「SRTC-PV」を搭載したT-10では、近距離射撃指揮システム、火力戦闘指揮システム、旅団戦闘指揮統制システムなどの各種サービスにアクセスできる。

近距離射撃指揮システムは、中隊以下の階梯で利用される共通射撃指揮図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。主力戦車や歩兵戦闘車を装備した中隊において、中隊内の全ての他の車両との間で、各車両のセンサー情報等を射撃管制に使用可能なサブ秒単位での精度を保ったまま共有することができる。共有できる情報には、友軍車両の位置、判明している敵の種別、敵の位置・移動方向・移動速度、各車両の視認している範囲、詳細が判明していない敵に関する警戒情報、敵に対して使用した弾種と射撃の効果判定などの様々な情報が含まれている。このシステムを利用することで、エキスパートシステムの補助に基づく部隊指揮官による個々の目標の脅威度評価と部隊内への認識の共有、部隊内の各車両への自動での攻撃目標割り当て、部隊指揮官によるオーバーライド照準やオーバーライド射撃、部隊内の僚車同士で援護しながらの戦闘機動などに利用することが可能である。これにより無線連絡等による従来方式よりも格段に高速で交戦中の部隊内における意思の統一と認識の共有を可能とし、また効率的な索敵と目標撃破を可能とする。

火力戦闘指揮システムは、各階梯において効果的な火力支援を実現することを目的としたC4I・データリンクシステムである。各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯が存在)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の観測班、無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(センサー)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、対戦車ミサイルなどの各種攻撃手段(シューター)を結合する。高い防御力による優れた生存性に加え、高度なベトロニクスによる非常に優れた索敵能力および通信能力を持つT-10は、当該システムにおいて非常に優秀なセンサーとして働くことができる。「SRTC-PV」が導入された戦車中隊、装甲擲弾兵中隊、機動歩兵中隊などにおいては、全ての車両で当該システムにアクセスすることが可能となったため、従来各中隊に1両配属されていた専任の前進観測車は廃止された。

旅団戦闘指揮システムは、旅団以下の階梯で利用される共通戦術状況図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。索敵システムと連接され、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の司令部に配備されるラップトップ端末、大隊司令部及び旅団司令部に配備される大型スクリーン及び情報処理装置を用い、敵味方の各部隊や車両などの位置を共通戦術状況図でニア・リアルタイムに共有することができる。基本的には自動車化狙撃部隊と戦車部隊で運用され、友軍車両や部隊の位置、判明している敵の種別と位置と脅威度、判明していない敵に関する警戒情報などについて、秒単位で情報が更新されて表示される。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。指揮官は共通戦術状況図に表示された各部隊の情報および彼我の位置関係や戦力差に基づき、エキスパートシステムの支援を受けて戦闘計画を立案し、このシステムを通じて隷下の部隊に企図を伝達する。
射撃管制システム
T-10の射撃管制システムは、弾道コンピュータにソフトウェアとして実装されている。射撃管制システムはソフトウェア形式であるため、将来の能力向上が容易で、弾道性能の異なる弾薬を導入する場合でもスムーズに対応させることができる。弾道コンピュータには、レーザー測距装置、光ファイバージャイロを利用した傾斜測定装置、砲口照合装置、風向・風速計、気温・気圧計、装薬温度計、「SRTC-PV」データリンク端末など各種センサーが接続されており、これらの入力諸元から弾道計算コンピュータが目標に命中させるのに必要な各種要素を計算し、照準装置に入力する。照準の際は、高解像度カメラによる目標のイメージングと、データベースを組み合わせ、正確に目標の弱点部位を狙う。また、射撃後は弾薬データリンクなども用いて、砲弾の正確な着弾位置を計測し、効果判定を行う。前述した砲安定化装置と合わせることで、T-10は走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃などが可能である。試験では、2000m先の移動目標に対し走行間射撃を行い、次弾命中率ほぼ100%を記録している。

防御力

装甲
T-10では、将来の能力向上に備え、全面的にモジュール装甲システムを採用しており、車体正面、車体側面、砲塔正面、砲塔側面が内装式のモジュール装甲となっている。モジュール装甲を全て外した場合の重量は45t、モジュール装甲を全て取り付けた場合の重量は53tである。任務の性質や輸送時の重量の制限などに応じて、装甲を着脱できる自由度を持つ。また、新型装甲が開発された場合や、被弾して装甲にダメージを受けた場合にも容易に交換することが可能になっている。

砲塔正面と車体正面には通常、拘束セラミック方式の複合装甲モジュールが挿入されている。複合装甲モジュールは、高強度鋼製の外部フレームを持ち、蜂の巣状に隙間なく詰められたチタン合金製のセルに、ホウ化物系セラミックスが圧入された拘束セラミック方式となっている。ホウ化物系セラミックスは、炭化ホウ素粉末、二酸化チタン粉末、炭素粉末を約30MPaまで加圧、約2300K(ケルビン)で数時間焼結して製造される炭化ホウ素-ホウ化チタン焼結体で、セル内部に封入するため、放電加工機によって六角柱状に成型される。ビッカース硬度は約30GPa、弾性率は約480GPa、密度は約2.8g/㎤となっており、T-96主力戦車の複合装甲で使用されていた炭化ケイ素系セラミックス(ビッカース硬度約24GPa、弾性率約415GPa、密度約3.2g/㎤)と比べると、硬度、弾性率、重量効率の全ての面で優れている。車体正面と砲塔正面は、運動エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で1000mmの防御力を発揮できるとされ、仮想敵の装備する120mm戦車砲用徹甲弾の直撃に抗堪するとされている。

砲塔側面や車体側面には通常、多層式中空装甲が挿入されている。多層式中空装甲は高強度鋼、チタン合金、グラスファイバー、ケブラー、耐火ゴムなどからなり、機関砲弾や対戦車ロケット弾などへの防御を目指したものであるが、運動エネルギー弾に対しても、侵徹体に複数方向から力を反射させて破砕させたり、侵徹方向を逸らしたりすることで防御効果を発揮できる。多層式中空装甲の装備により、運動エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で150mm相当、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で350~400mm相当の防御力を有し、40mm級の機関砲から発射されるAPFSDSや対戦車ロケット弾の直撃、至近距離での152mm榴弾の爆発などに抗堪可能とされている。

砲塔上面は高強度鋼、耐火ゴム、ケブラーを組み合わせた簡易的な装甲となっている。これにより砲塔上面装甲は、152mm榴弾の直撃や、対戦車ロケット弾がまき散らす直径数十mmの対戦車クラスター子弾の直撃に抗堪可能とされている。ただし、本格的なトップアタック能力を備えた対戦車ミサイルの攻撃に抗堪するだけの性能は有していない。トップアタック能力を備えた対戦車ミサイルに対しては、後述する爆発反応装甲やアクティブ防御システムで対抗する。

サイドスカートとしては通常、金属メッシュ入りのゴム製サイドスカートが使用される。これは非常に軽量なサイドスカートで、運動エネルギー弾に対する防御効果はあまり期待できないが、化学エネルギー弾に対しては空間装甲として機能する。また、このサイドスカートは、全速走行中に加熱した転輪を覆い隠し赤外線ステルス性能を高める効果も有する。
 
車体の広範な部分に使用されている高強度鋼には、T-10主力戦車と同様のものを採用している。鋼板内の結晶を微細化することにより、同重量の場合、T-96の高強度鋼を使用した場合よりも15~20%程度防御力を向上させている。また、温度変化による防御力低下に強く、昼夜の寒暖差が非常に激しい砂漠での戦車戦でも安定した防御力を発揮する。

アクティブ防護システムや爆発反応装甲を装備せずに行われた耐弾試験においては、砲塔正面は仮想敵の戦車の装備するものと同等威力の125mmAPFSDS弾の複数回の直撃に抗堪、側面装甲なども、至近距離に落下した152mm砲弾の破片、40mmAPFSDSによる掃射、対戦車擲弾の直撃に耐えるだけの能力を発揮したとされている。
追加装甲
追加装甲としては、車体正面、車体側面、砲塔正面、砲塔側面、砲塔上面、サイドスカートを対象に、爆発反応装甲が用意されている。爆発反応装甲は、比較的軽量で成形炸薬弾対策を主眼に置いた「BR-09」と、運動エネルギー弾に対しても効果を発揮できる「BR-10」の2種類が用意されている。これらの爆発反応装甲は、素の装甲および増加装甲両方の上側に取り付けることができ、またタンデム弾頭に対応するため積層構造とすることもできる。

「BR-09」は歩兵戦闘車などの比較的軽量な車両から、主力戦車まで、あらゆる装甲車両に搭載することを目的とした成形炸薬弾対策用の爆発反応装甲であり、簡易な構造で、軽量であることが特徴である。成形炸薬弾に対してはモジュール1つにつき均質圧延装甲換算で250~300mmの防御力を発揮でき、また複数のモジュールを重ねることでタンデム弾頭に対しても対抗できるとされる。従来の爆発反応装甲と比較すると、爆発体が完全に密閉されているためメンテナンスフリーとなっているのが特徴で、設計寿命も2倍となっている。

「BR-10」は主力戦車に搭載することを目的とした成形炸薬弾および運動エネルギー弾対策用の爆発反応装甲であり、自己鍛造弾が内蔵されている。着弾を検知すると、自己鍛造弾が打ち出され、APFSDSに対しては細長い弾芯を切断、また化学エネルギー弾に対してはメタルジェットの収束を妨害する。これにより化学エネルギー弾に対しては90%以上、運動エネルギー弾に対しても50%以上貫徹力を減衰させられる。また、「BR-10」は複数層重ねて配置できるため、タンデム弾頭の化学エネルギー弾に対しても対抗可能で、また、従来の爆発反応装甲よりも角度による不発のリスクなどが低いとされている。「BR-09」と同様、爆発体が完全に密閉されているため、メンテナンス性にも優れている。

これらの爆発反応装甲を全て装備した場合、重量はおよそ3t増加する。
アクティブ防護システム
T-10には、アクティブ防護システムである「SPA-10」が装備されている。「SPA-10」は、中央防御管制装置と呼ばれる制御用のコンピューターを中核として、可視光/赤外線監視カメラ、紫外線監視カメラ、レーザー警報装置、レーダー警報装置、ミリ波レーダーの5種類のセンサーと、煙幕弾発射機、指向性妨害レーザー装置、迎撃体発射機の3種類の迎撃装置から構成される。

可視光/赤外線監視カメラと紫外線監視カメラは、車体側面上部の6か所に埋め込まれており、数km圏内の対戦車ロケット弾や対戦車ミサイルのロケットモーターの噴射炎、発射時のバックブラストを検知することができる。

レーザー警報装置は、敵の車両や航空機などが測距に使用するレーザーを検知して警告する装置であり、主に敵のレーザー測距装置が使用する測距用のレーザー光線を検知する。センサーは砲塔の4面に埋め込まれており、レーザー光線の照射を検知するとすぐに照射源の方向を非常に高い精度で特定し、続いて、データリンクを通じ僚車の取得した情報と照合して三角測量を行い、照射源までの距離を特定する。探知した照射源の位置は速やかにデータリンクで共有することができる。

レーダー警報装置は、敵の対戦車ミサイルや攻撃ヘリなどが射撃時に使用するレーダー波を検知して警告する装置であり、主にミリメートル波を検知する。逆探用のアンテナは車体各部の6か所に埋め込まれており、レーダー波を検知するとすぐに発信源の方向を非常に高い精度で特定し、続いて、データリンクを通じ僚車の取得した情報と照合して三角測量を行い、発信源までの距離を特定する。探知した発信源の位置は速やかにデータリンクで共有することができる。

これらのパッシブなセンサーによって、敵の攻撃が差し迫っていることを検知すると、指向性妨害レーザー装置や迎撃体発射機を脅威の大まかな方向に指向すると共に、ミリ波レーダーが起動される。

ミリ波レーダーシステムは、波長が短く解像度に優れたミリメートル波を利用して敵の対戦車ミサイルやドローンなどを探知・追尾する装置であり、最大でマッハ6で飛翔する目標を追尾できる。従来型の対戦車ロケット弾や対戦車ミサイルを検出する目的で砲塔両側面の前後に固定式アンテナが計4基設置されている他、砲塔上部には主にトップアタック対戦車ミサイルや上空の無人機を検出する目的で球形のアンテナが1基設置されており、全周を索敵することが可能となっている。

煙幕弾発射機としては、砲塔両側面に6連装のものが1基ずつ設置されている。煙幕弾の散布する黒色の微粒子は、可視光のみならず赤外線についても遮蔽でき、なおかつレーザー光線を吸収し減衰させる効果をも兼ね備えている。

指向性妨害レーザー装置は、ヘリコプターや輸送機が携行式地対空ミサイル対策に装備しているものと同様のシステムであり、主に光学センサーの感光部の光量を飽和させて機能を喪失させることを目的としている。敵のレーザー測距装置によって照準を受けている場合に逆にレーザー光線を照射し返して敵のレーザー測距装置の機能を喪失させたり、敵の対戦車ミサイルが接近している場合にシーカー部にレーザー光線を照射して誘導を狂わせて正常な機能を喪失させることができる。

迎撃体発射装置は砲塔の両側面に1基ずつ、砲塔上部に1基の計3基が設置されている。ミリ波レーダーによる追尾情報を元に、脅威度が高く迎撃の必要があると判断された目標に対して、散弾銃のような弾幕を発射し、撃墜することができる。各発射機の装弾数は6発で、デコイ発射式の対戦車ロケット弾などに対抗するため、最短0.1秒間隔で次弾を発射することが可能となっている。試験においては、対戦車ミサイル、対戦車ロケット、さらにはAPFSDSのような高速の運動エネルギー弾に対しても迎撃を成功させている。
乗員配置・乗員防護
T-10では従来の戦車と同様、車長、砲手、操縦手の3名の乗員を有している。乗員配置も従来の戦車と同様で、砲塔に車長と砲手が、車体に操縦手が搭乗する。車体および砲塔は完全な与圧式CBRNE防護装置を備え、NBC兵器によって汚染された環境下でも行動可能である。

機動力

エンジン・変速機
T-10は出力の割に小型軽量な水冷式の多燃料対応ディーゼルエンジン「MD-10」を搭載する。「MD-10」は排気量約27LのV型12気筒4ストロークディーゼルエンジンで、電子制御式のコモンレール式燃料噴射装置と可変ノズル式のツインターボチャージャーを搭載しているのが特徴である。ツインターボを動作させることによって、平均標高1800mのメキシコ高原であっても高い機動力を維持することが可能である。ツインターボ未使用時の最大出力は1650馬力、ツインターボ使用時の緊急最大出力は2000馬力に達する(いずれも低地で測定した数値)。ただし、低地においてツインターボを動作させるとエンジン寿命を縮めてしまうため、基本的にツインターボの使用は空気密度が小さく酸素濃度が低く馬力が発揮できない高地に限定されている。このエンジンの大出力により、最大戦闘重量56t時であっても出力重量比は29~30に達し、最大速度は整地で時速70km、不整地で時速50kmに達する。また、「MD-10」エンジンは-50度から+60度までのあらゆる温度範囲で正常に動作し、また3重のエアフィルターにより99%を超える粒子を除去することが出来るため、砂塵の多いメキシコ北部の砂漠でも問題なく使用可能である。エンジンの燃料消費率は1650馬力時に225g/kWhで、このクラスの出力のディーゼルエンジンとしてはかなり燃費に優れている。

車内に燃料は1000Lまで搭載でき、航続距離はおよそ500kmとされる。また、車体後部に外装式の増槽タンクを搭載すれば、燃料搭載量は1500Lに増加するため、航続距離は750kmに達する。

この他、停車中にも各種ベトロニクスを使用できるようにするため、小型のガスタービンエンジンを補助発電装置として搭載している。エンジンを停止している場合でも、補助発電装置が動作していれば、全てのベトロニクスの使用と、砲塔の旋回や俯仰角の変更といった基本的な砲塔操作が可能である。

変速機には油圧機械式オートマチックトランスミッションを採用している。トランスミッションは電子制御されており、前進5段後進5段で、スムーズな加速を実現している。最大戦闘重量においても、0~200mまで20秒という非常に優れた加速性能を有する。制動能力も非常に高く、時速50kmで走行中から2m以内で停止することができる。

エンジンと変速機はパワーパックとして一体化されており、熟練した作業員ならば前線の整備場において30分程度でパワーパックを交換することができる。
転輪・懸架方式・履帯
足回りは、起動輪1輪、誘導輪1輪、走行転輪6輪、上部支持輪4輪から構成されている。T-10は従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦車と同様、リアドライブ式を採用しているため、起動輪が車体後方、誘導輪が車体前方に配置されている。起動輪、誘導輪、走行転輪、上部支持輪は全てアルミ合金製で、焼結によって製造されており、軽量ながら高い耐久性を誇る。起動輪、誘導輪、走行転輪、上部支持輪は全て、摩耗や騒音を防ぐ目的で外周にゴムが装着されている。

懸架装置としては、全転輪でハイドロニューマチックサスペンションが採用されている。サスペンションのトラベル長は上限360mm、下限180mmの合計540mmと非常に大きく、またエンジンから油圧の供給を受けて高さを調節できる。カメラで前方50mをスキャンし自動で地形を認識してサスペンションを調節する地形認識・自動制御機能が統合されており、全転輪のサスペンションに装備されているショックアブソーバーと組み合わさり、非常に高い悪路走破性を発揮できる。さらに、サスペンションの高さを調整することで、上下方向に射角を広げ、低車高・低砲塔高に起因する俯仰角の不足を補うことができる。

履帯は鋼製で、片側72枚、両側で合計144枚となっている。履帯の構造自体は従来の戦車と比べてさほど変化しておらず、柔軟で路上追従性に優れたダブルピン方式の接続、長寿命化を目的としたピン内部へのゴムブッシュの圧入、摩擦と騒音を低減するためのゴムパッドの装着など、現代の標準的な装軌式軍用車両と同様の構造となっている。当初は次世代主力戦車および歩兵戦闘車に向け、従来の鋼製履帯と比べ半分以上軽量なゴム製履帯が開発されていたが、信頼性などに課題があったため、T-10での採用は見送られた。
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