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T-84主力戦車
要目
全長10.5m
車体長7.3m
全幅3.5m
全高2.4m
重量46t(T-84A)
47.5t(T-84A2)
49.5t(T-84B)
52.5t(T-84B2)
57t(T-84B3)
57.5t(T-84C、T-84C2)
60t(T-84C3)
速度65km/h(整地)
45km/h(不整地)
(T-84C)
乗員3名
搭載兵装CT-80 48口径125mm滑腔砲
Ame-40 12.7mm重機関銃(砲塔上面)
Ame-73 6.98mm機関銃(主砲同軸)
エンジンV型12気筒4ストロークディーゼルエンジン(最大出力900馬力)
(T-84A、A2)

V型12気筒4ストロークディーゼルエンジン(最大出力1050馬力)
(T-84B〜B3)

V型12気筒2ストロークディーゼルエンジン(最大馬力1250馬力)
(T-84C〜C3)

概要

T-84主力戦車は、第四インターナショナル連邦共和国人民解放軍地上軍が運用している主力戦車。1984年に、T-75主力戦車の後継として開発・採用された。第四インターナショナル連邦共和国が初めて開発した第3世代主力戦車であり、その設計は、ソビエト連邦のT-72BやアメリカのM1エイブラムスなどを多分に参考にしているとされる。第四インターナショナル連邦共和国は当初、「完全国産戦車」を謳っていたが、実際には初期型のT-84Aではベトロニクスは外国からの輸入品に頼っていた(T-84B以降ではベトロニクスも国産品となった)。就役から40年となる2023年現在もT-84C仕様に改修された多数の車両が現役として配備が継続されている。

開発経緯

T-84の開発開始は1973年に遡る。当時、人民解放軍は諜報活動によってアメリカにおいて新型戦車の開発計画が進行していることを察知しており、対抗上、新型戦車の採用が急務であるとの認識が広がっていた。同年には、暫定的にソビエト連邦からT-72主力戦車を導入することが決定されたが、当時のソビエト連邦最高指導者レオニード・ブレジネフはスターリン主義的な色彩の強い指導者であり、トロツキー主義を国家の中核的価値観に定める第四インターナショナル連邦共和国では1968年のプラハの春以降対ソ関係が冷え込み始めていたことから、ソビエト連邦が恒久的に信頼のおける安全保障上のパートナーたり得るかさえ疑問視する声が上がっていた。

このような情勢において1975年12月、T-72の独自改良型であるT-76の制式採用が決定されると同時に、T-76を上回り、開発中と噂されるアメリカやガルマニアの第3世代主力戦車にも対抗可能な主力戦車を単独で開発することが決定された。1970年代を通して、ソビエト連邦と第四インターナショナル連邦共和国の関係の冷え込みは予測されていたように著しく進行し、結果としてソビエト連邦はレーザー測距装置、微光増幅式暗視装置、複合装甲(多層式中空装甲)などの技術を提供することを拒否した。このため、1980年9月に試験が開始された試作1号車では従来通りのアクティブ式暗視装置とステレオ測距装置が搭載されていた。しかし1981年、第四インターナショナル連邦共和国は東欧諸国や西側諸国の各所における諜報活動によって、レーザー測距装置、微光増幅式暗視装置、複合装甲等の情報を入手しコピーすることに成功した。T-84の開発は厳重に秘匿されていたが、1983年9月に「国産第三世代主力戦車」としてついにその存在が公表され、翌1984年12月には最終試験において所定の性能を達成したとして制式採用が発表された。

能力

兵装

主砲
T-84の搭載する主砲「CT-80」は、仮想敵国が装備を開始した第3世代主力戦車に対抗するために開発された戦車砲で、T-76の後期型に搭載されていたものと同じ主砲である。口径125mmで48口径長の滑腔砲身を備えており、徹甲弾、成形炸薬弾、榴弾、さらには対戦車ミサイルなどの多種多様な弾薬の発射に対応している。

1974年にソビエト連邦の2A26滑腔砲を試験的に導入した人民解放軍であったが、「1.砲身の壁が必要よりも薄く設計されており、発砲時の砲身加熱、砂漠や熱帯雨林などの高温の環境などを要因として、容易に砲身が変形し精度が著しく低下すること」「2.砲架の設計がまずく、反動が不均一になり、精度が低下すること」「3.砲身命数が非常に短いこと」などが問題点として挙げられており、特に1と2は致命的な欠陥、3に関しても重大な欠陥だと指摘されていた。

「CT-80」では、砲身の設計を見直し、砲身厚を増して内部にクロムメッキを施すなどした他、砲架の設計もソビエト連邦の新型滑腔砲である2A46などを参考に改良、さらに薬室の構造にも大胆な設計変更を行った。また、ごく初期のロットを除く量産車では、着脱可能なサーマルスリーブが装備された。サーマルスリーブはアルミ合金の2重層の中間にヒートパイプを通して製造されており、発砲時の熱を均一に分散することができる。これらの改良により、砲身命数は350発から1200発に、薬室最大圧力は510MPaから650MPaに向上、さらに具体的な数値は明かされていないものの、精度の問題も大幅に改善したとされる。

1996年から配備が始まった改修型T-84Cでは、レーザー式の砲口照合装置が追加された。これは、砲基部からレーザーを照射し、主砲先端部側面に取り付けられたミラーに反射させ、砲身の歪みを検出する装置である。第四インターナショナル連邦共和国では、T-96で初めて採用された。T-84開発当初、第四インターナショナル連邦共和国では、レーザーとコリメーターを組み合わせた砲口照合装置を開発していたが、検出した砲身の歪みを補正するプログラムの開発が難航、最終的に「砲身の歪みの問題は、サーマル・スリーブの装備で十分解決した」と判断されて開発が凍結された経緯があった。

主砲は上下左右ともに電気式2軸安定化を受けているため、目標を追尾し続けることができる。後述する射撃管制システムと組み合わさって、従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦車と比較すると、遠距離の目標に対する射撃能力や、走行間射撃能力などの点で大幅に優越している。ただし、シルエットを小さくし被発見率を下げる設計思想に基づき、砲塔の高さは低減されているため、砲の俯仰角は15~-6度までに制限されており、これはT-75と同等で、稜線射撃で不利であるといった弱点は解消されていない。
砲弾
T-84は、戦車等の目標に使用するAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)、バンカーや装甲車等の目標に使用するHEAT-MP(多目的対戦車榴弾)、歩兵支援に使用するHE(榴弾)、そして大遠距離の目標に対して使用するATGM(対戦車ミサイル)の4種類の砲弾を主用する。

T-84向けの新型徹甲弾としては、「PB-84」APFSDSが開発された。当時の第四インターナショナル連邦共和国は、アメリカやガルマニアが装備する第3世代主力戦車の正面装甲の厚みを均質圧延装甲(RHA)換算500mm程度と見積もっていたため、「PB-84」の開発に際しては、2000m先で均質圧延装甲500mm以上を貫徹という性能が要求された。第3世代主力戦車の装甲はセラミックなどを組み込んだ複合装甲であることが予測されており、従来の「PB-76」APFSDSのような鋼鉄弾芯では、複合装甲に含まれるセラミックなどの硬い素材によって弾芯が破砕されてしまい、貫徹が困難であることが懸念された。そこで、弾芯の素材には、硬度が高く密度も大きいタングステンを採用することが決定された。「PB-84」の弾芯は重量3.9kg、直径24mm、全長630mm、L:D比は約26で、7.3kgの装薬によって3.5kgのアルミ合金製サボットと共に初速1680m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲520mmを貫徹することができた。

T-84開発当時の第四インターナショナル連邦共和国の技術力では、劣化ウランの加工は困難であったが、1980年代後半から1990年代前半にかけてソビエト連邦から加工技術がもたらされた。そこで1994年、「PB-84」の弾芯をさらに小直径化、T-84の自動装填装置で対応できる最大の長さまで延長してL:D比を増すと共に、弾芯の素材を劣化ウラン合金(劣化ウラン-ニッケル-亜鉛合金と推定されている)に変更して貫通力を強化した「PB-91」APFSDSが開発された。「PB-91」の弾芯は、重量4kg、直径22mm、全長680mm、L:D比は約31で、7.1kgの装薬によって3.5kgのアルミ合金製サボットと共に初速1680m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲620mmを貫徹することができた。

1996年、T-96向けに開発された「PB-96」APFSDSが就役したが、「PB-96」は設計当初よりT-84への搭載を考慮しておらず、比較的拡張の自由度の高いT-96の砲塔後部バスルに搭載することを想定し弾芯長は735mmとなっていた。このため、当然T-84への搭載は不可能だった。この問題を解決すべく、1996年から2013年にかけてT-84C仕様に近代化改修された車両では、「PB-96」の運用を可能とするため自動装填装置の改修を行っており、「PB-96」の運用を可能としている。「PB-96」の弾芯は重量4.9kg、直径24mm、全長735mm、L:D比は約31で、弾芯は約3.1kgのケブラー製サボットと共に、7.6kgの装薬によって毎秒1690m/sで発射され、2000m先の均質圧延装甲680mmを貫通することができた。なお、2004年にT-96向けに開発された「PB-04」APFSDSは、弾芯長が870mmと「PB-96」よりもさらに延長されており、このためT-84C仕様に近代化改修された車両であっても運用は不可能である。

T-84向けのHEAT-MPとしては、「APEA-84」HEAT-MPが開発された。「APEA-84」は、第3世代主力戦車を除く、旧式戦車や歩兵戦闘車などの装甲戦闘車両や、敵の歩兵が立て籠るバンカー等の目標を撃破可能な貫徹能力と、ある程度のソフトスキン殺傷能力を兼ね備えることを目的とした砲弾である。HEAT-MPとは多目的対戦車榴弾を意味しており、従来の成形炸薬弾では爆発のエネルギーの7割以上がメタルジェット形成に使われずに拡散していることを逆手に取り、メタルジェット形成を阻害しない位置にペレット等を配置、爆発と同時に周囲に破片を飛散させることで、貫徹力とソフトスキン殺傷力を両立できる。これによって戦車が搭載する弾薬の種類を減らし、補給の効率も高めることができるとされていた。人民解放軍では、「APEA-84」のソフトスキン殺傷能力は、後述する125mm戦車砲用の破片効果榴弾「APE-84」よりは劣り、100mm戦車砲の破片効果榴弾などとほぼ同等と評価されていた。なお、「APEA-84」の装甲貫徹能力は、距離に関わらず垂直な均質圧延装甲500mmを貫通することができた。

「APEA-84」の改良型としては、1991年に「APEA-91」HEAT-MPが開発された。「APEA-91」の最大の特徴は、タンデム成形炸薬弾頭を備えることである。これは、主弾頭の前に比較的小さな先駆弾頭を備えた形式の成形炸薬弾であり、まず先駆弾頭が敵の装甲に着弾することで、敵の一重の空間装甲や爆発反応装甲を無力化、その後主弾頭の突入により敵の主装甲を貫通することができる、という仕組みのものであった。これにより装甲貫徹能力も若干向上しており、距離に関わらず垂直な均質圧延装甲約650mmを貫通することができた。

T-84向けの榴弾としては、「APE-84」破片効果榴弾が開発された。これはソフトスキンとの交戦を想定したもので、歩兵支援や対戦車班の排除を目的としていた。着発信管のみならず時限信管も備えるのが特徴で、この時限信管はレーザー測距装置と連動しており、目標までの距離を測定するとその地点に到達するまでかかる時間が自動で計算・入力され、これにより目標上空で自爆して曳火射撃を行うことができる機能を備えていた。改良型の「APE-93」破片効果榴弾では、新たにレーザー式の近接信管が導入され、これによって、対戦車ヘリコプターなどに対する自衛兵装として使用することも可能になった。

T-84は当初、高価で高性能な戦車として精鋭部隊に優先配備されており、歩兵支援は主任務ではなかったため、「APE-84」はほとんど支給されず、ソフトスキンとの交戦の必要がある場合は「APEA-84」を使用することとされていた。このため、「APE-84」の主な支給先は、80年代後半以降に近代化改修を受け、「APE-84」の運用に対応したT-75が中心であった。しかし、2000年代になると、精鋭部隊向け戦車としてはより高性能なT-96の配備が進み、T-84も歩兵支援任務で運用されるようになった。「APEA-84」や「APEA-91」のような多目的対戦車榴弾の榴弾威力が歩兵支援に不十分とされたこともあり、以降はT-84にも「APE-84」や「APE-93」のような純粋な榴弾が多数搭載されるようになった。

T-84向けの対戦車ミサイルとしては、「MGAT-87」砲発射ミサイルが開発された。これは遠距離砲戦性能で優越する仮想敵国の第3世代主力戦車に対抗するための切り札として、ソビエト連邦の9M112や9M119の構造を参考として開発された。誘導方式としてはレーザービームライディング方式を採用しており、レーザー測距装置のYAG(イットリウム・アルミ・ガーネット)レーザーによって誘導することができる。最大飛翔速度はおよそ300m/s、最大射程はおよそ5000mとされており、主砲から発射される関係上、発射時の噴射炎が小さく、敵戦車を遠距離から迎え撃つような戦闘局面ではかなり有効な兵装となる他、対戦車ヘリコプターなどに向けて使用することも可能とされた。一重の空間装甲や爆発反応装甲を無力化するためタンデムHEAT弾頭を採用しており、最大装甲貫徹力は800~900mmにも達し、これは仮想敵国の第3世代主力戦車の砲塔正面装甲を貫通しうるほどの数値であった。ただし、やはり飛翔速度の遅さと高価さが欠点とされており、T-96向けに開発された高性能な徹甲弾がT-84向けにも普及したこと、近代化改修でT-84の弾道計算機や各種センサーの性能が大幅に向上し遠距離砲戦能力が劇的に改善したこと、対戦車ヘリコプターなどに対する自衛兵装としては近接信管を内蔵した「APE-93」破片効果榴弾の配備が進んだことなどの影響を受け、90年代後半以降、この種類の対戦車ミサイルはほとんど搭載されなくなった。
自動装填装置
T-84は砲塔底部に回転式のドラムマガジンを備えており、ここに22発の即応弾を搭載しておくことが可能となっていた。加えて車体側にも20発の砲弾を搭載するスペースがあるため、合計で42発の125mm砲弾を携行することができた。弾種の内訳は年代ごとに変動していたが、就役当初のT-84を例にとると、ドラムマガジン内に即応弾として14発のAPFSDSと8発のHEAT-MPが、車体に予備弾薬として12発のAPFSDS、4発のHEAT-MP、4発のATGMが搭載されていた。自動装填装置のマガジンと弾薬搭載スペースは誘爆を防ぐため、弾片防止ライナーを装備している他、引火を防ぐため、高感度火災検知器と自動消火装置が装備されている。これにより、同様の構造のT-75と比較すると、被弾時の生存性は著しく向上している。ただし、この種の自動装填装置は、構造上、弾芯長を増した新型APFSDSへの対応がしにくいという弱点を抱えていたため、T-96以降の第四インターナショナル連邦共和国の戦車では砲塔後部バスルにベルトコンベア式の自動装填装置を備えるように変更された。

当初、T-84の自動装填装置は、全長680mmまでのカートリッジにしか対応しておらず、T-84への搭載を考慮して徹甲弾を開発する場合、弾芯の長さはこの数字以下に制限されていた。1996年から2013年にかけて近代化改修を受け、T-84C仕様にアップグレードされたT-84では、「PB-96」APFSDSの搭載に対応するため、自動装填装置の改修が行われ、これにより全長740mmまでのカートリッジに対応するように変更された。
その他の武装
当初T-84では、砲塔上部には12.7x99mm弾を使用するAme-40重機関銃(アメリカのM2重機関銃のコピー品)、主砲同軸には6.98x57mm弾を使用するAme-73汎用機関銃を搭載していた。それぞれ装弾数は300発と1500発だった。

その後近代化改修を受けたT-84では、砲塔上部にユニバーサルタレットシステムという名称で開発されたRWS(リモートウェポンステーション)を搭載した。通常、ここには12.7×99mm弾を使用するAme-98重機関銃または40×55mm弾を使用するLGA-96グレネードランチャーが搭載されることとなっていた。近代化改修を受けたT-84のRWSは車長用サイトと統合されていたため、照準には後述する高解像度可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置を利用できた。

ベトロニクス

索敵能力
従来のT-75は、初期型のT-72の輸出型をベースとしており、索敵能力に不安があった。特に、暗視装置が旧態依然としたアクティブ式のままであることは、深刻な問題と受け止められていた。T-84の開発に当たっては、西側諸国とソ連の両方から技術を導入し、索敵能力を大幅に向上させ、仮想敵国の第3世代主力戦車に夜間戦闘でも対抗可能とすることが要求された。

T-84の初期型T-84Aが搭載していた砲手用サイトは、照準眼鏡、暗視装置、レーザー測距装置を統合したものとなっていた。照準眼鏡の倍率は12倍で固定となっており、主に昼間戦闘での射撃時に使用された。暗視装置としては、ソ連製の微光増幅式パッシブ暗視装置をコピーしたものが採用された。装甲戦闘車両に対する検出範囲(「何か」が存在すると判明する範囲)は600~700m、識別範囲(「何か」が装甲戦闘車両であると識別できる範囲)は400~500mとされていた。防盾側面に取り付けられた赤外線サーチライトを使用した場合、検出範囲は1200〜1300m、識別範囲は800〜900mに広がった。レーザー測距装置は500~4000mまでの範囲内の目標に対し、誤差10m以内の精度で距離を測定することができた。砲手用サイトは3つのジャイロスコープで2軸安定化されており、主砲の俯仰角や砲塔の旋回を制御するサーボモーターとも連動し、車体が揺れ動いていても目標を捕捉し続けて射撃することを可能とした。加えて、砲手席前方に、砲手用サイト故障時に備えて倍率12倍の直接照準眼鏡が用意されていた。
一方、T-84Aが搭載していた車長用サイトは、倍率2倍と8倍の切り替え式、俯仰角は20~-13度、360度全周旋回可能で、砲手用サイトと同様に2軸安定化されていた。これにより、砲手が目標を照準している間、車長が周囲を警戒して次の目標の位置等の情報を砲手に引き渡すことが可能となり、第四インターナショナル連邦共和国の戦車として初めてハンターキラー能力を備えることとなった。ただし、T-84Aでは、車長用サイトに暗視装置が統合されていなかったため、この能力は昼間戦闘でしか発揮することができなかった。
T-84Aでは、砲手用サイト、車長用サイト共に接眼式であったが、車長席には、砲手用サイトの映像を見るためのディスプレイも設置されていた。

1989年から生産が開始されたT-84Bでは、夜間戦闘能力のさらなる向上を目的とし、砲手用サイトの暗視装置が微光増幅式パッシブ暗視装置から熱線映像装置(サーマルイメージャー)に変更された。これにより、戦車大サイズの目標に対する検出範囲は2500m、識別範囲は1500m程度にまで向上した。熱線映像装置は、倍率3倍、倍率12倍の切り替え式となっており、通常は倍率3倍の状態で索敵、目標を発見次第、倍率を12倍に切り替えて照準することとされていた。この熱線映像装置を搭載したT-84Bは、第四インターナショナル連邦共和国にとって、仮想敵国の第3世代戦車に対して夜間戦闘能力で引けを取らない初めての戦車となった。

1996年から配備が始まった改修型T-84Cでは、砲手用サイト、車長用サイトの性能が向上し、さらに表示方式がディスプレイ方式に変更された。また、車長用サイトにもレーザー測距装置と熱線映像装置が統合された。車長用サイト及び砲手用サイトの熱線映像装置の戦車大サイズの目標に対する検出範囲は3500m、識別範囲は2500m程度だった。車長用サイトの熱線映像装置は倍率2倍と8倍を、砲手用サイトの熱線映像装置は倍率4倍と16倍を切り替えることができた。これにより、T-84Cでは全天候下においてハンターキラー能力を発揮することが可能となった。さらに、T-84Cでは、車長用サイトにオーバーライド照準能力が追加された。これは、砲手が目標を照準している間に、車長がより排除の優先度が高い別の目標を発見した場合などに、車長用サイトで捉えた目標を照準させる機能で、以降の第四インターナショナル連邦共和国の主力戦車にも標準的に実装される機能となった。他の改良点としては、砲手用サイトと車長用サイトの両方に、目標を自動ロックオンする機能が追加されたことも挙げられる。これは熱源集中部に対する自動追尾を行うことで、目標を自動追尾する機能であり、T-96のサイトで実装されたのと同様の機能であった。

2008年から配備が始まった改修型T-84C2では、砲手用サイトと車長用サイトが換装され、レーザー測距装置と熱線映像装置が大幅に改良された。これにより、レーザー測距装置は最大10000mまでの測距に対応、熱線映像装置も装甲戦闘車両に対する検出範囲は5000m、識別範囲は3500mまで拡大するなど、大幅な性能向上が達成された。さらに、自動ロックオン機能についても性能向上が行われた。追尾目標として熱源集中部のみならず、可視光カメラによる車両形状の識別を併用、その上で追尾点のばらつきが小さい方を適宜選択し続けることで、従来よりも高い追尾能力を確保した。さらに、新たに操縦手用に車体前後に熱線映像装置が追加され、夜間においても安全な操縦が可能となった。
射撃管制システム
T-84の初期型T-84Aの射撃管制システムは、アナログ弾道計算コンピュータを中心として構成されていた。このアナログ弾道計算コンピュータには、砲手用サイトから目標までの距離、目標の方位角や角速度が自動入力され、その他にも速度計、砲耳軸傾斜計、風向・風速センサー、温度計、気圧計などの各種センサーが連接されており、前述した2軸安定化された砲塔旋回装置などと合わせることで、従来の第四インターナショナル連邦共和国の主力戦車を遥かに凌駕する遠距離砲戦性能を発揮可能とした。

1989年から生産が開始されたT-84Bでは、射撃能力向上のため、アナログ弾道計算コンピュータの代わりに、8ビットのデジタル弾道計算コンピュータが備え付けられた。これにより演算能力がかなり向上し、より正確な射撃を行うことが可能となった。試験においては、時速30kmで走行しながら、1500m先の目標に対し複数回に渡って射撃を行い、命中率は80%以上であった。

1993年から生産が開始したT-84B2では、弾道計算コンピュータの性能向上が図られ、プロセッサが8ビットから16ビットとなり演算能力が強化された。

1996年から配備が始まった改修型T-84Cでは、弾道計算コンピュータのさらなる性能向上が図られ、プロセッサが16ビットから32ビットとなり演算能力が強化された。
データリンクシステム
1980年代の第四インターナショナル連邦共和国では、戦車中隊内での通信はVHF無線で行い、他の中隊や大隊本部との通信はHF無線で行うこととされていた。このため、初期型のT-84Aや改修型であるT-84Bでは、通常の車両はVHF無線機のみ、中隊長車・副隊長車のみHF無線機を追加搭載することとされていた。その後1990年代後半に、世界各地の紛争の戦訓などから、同士討ちを防ぎ効率的に敵を撃破するためには、より高性能なC4I・データリンクシステムを実装することが必要であるという見解が軍内で主流となると、T-84に対しても改修でC4I・データリンクシステムの運用を可能にすることが検討された。

1996年から配備が始まった改修型のT-84Cは、T-84系列で最初にC4I・データリンクシステムを装備した車両となった。T-84Cでは、T-96と同様の「SIIV」というC4I・データリンクシステムが導入された。「SIIV」は、「"S"istema de "I"nformación "I"nter"v"ehicular」を縮めたもので、これはスペイン語で「車両間情報システム」を意味する。「SIIV」の運用のため、T-84Cでは専用の無線機、衛星測位端末、大型のカラーディスプレイなどが追加搭載され、これらベトロニクスによる発電所要増大にも対応できるようにするためにAPU(補助動力装置)も追加された。「SIIV」は大隊以下の階梯で利用されるシステムであり、大隊に所属する全ての車両は自己位置と敵の位置を共通戦術状況図上で共有することが可能となった。

2008年から配備が始まった改修型のT-84C2は、より発展的なC4I・データリンクシステムを装備した車両となった。T-84C2では、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」と呼ばれるソフトウェア無線機を搭載している。「SRTC(統合戦術無線システム)」は、地上軍が従来利用してきた戦略階梯、作戦階梯、戦術階梯のあらゆる無線機をまとめて代替するために開発されたもので、HF、VHF、UHFでの通信に対応している。また「SRTC-PV」は音声通信とデータ通信の両方の機能を同時に使用することも可能となっている。「SRTC-PV」を搭載したT-84では、近距離射撃指揮システム、火力戦闘指揮システム、旅団戦闘指揮統制システムなどの各種サービスにアクセスできる。従来のT-84Cが搭載していた「SIIV」では、データリンクシステムで目標情報などを共有するには車長が戦術共通状況図に手動で位置情報や種別を入力する必要があったが、「SRTC-PV」を搭載し、またFCSを対応する機種に換装したT-84C2では、敵車両の発見と同時にボタンを押すだけでその位置が自動で入力されるようになっている。

近距離射撃指揮システムは、中隊以下の階梯で利用される共通射撃指揮図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。主力戦車や歩兵戦闘車を装備した中隊において、中隊内の全ての他の車両との間で、各車両のセンサー情報等を射撃管制に使用可能なサブ秒単位での精度を保ったまま共有することができる。共有できる情報には、友軍車両の位置、判明している敵の種別、敵の位置・移動方向・移動速度、各車両の視認している範囲、詳細が判明していない敵に関する警戒情報、敵に対して使用した弾種と射撃の効果判定などの様々な情報が含まれている。このシステムを利用することで、エキスパートシステムの補助に基づく部隊指揮官による個々の目標の脅威度評価と部隊内への認識の共有、部隊内の各車両への自動での攻撃目標割り当て、部隊指揮官によるオーバーライド照準やオーバーライド射撃、部隊内の僚車同士で援護しながらの戦闘機動などに利用することが可能である。これにより無線連絡等による従来方式よりも格段に高速で交戦中の部隊内における意思の統一と認識の共有を可能とし、また効率的な索敵と目標撃破を可能とする。

火力戦闘指揮システムは、各階梯において効果的な火力支援を実現することを目的としたC4I・データリンクシステムである。各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯が存在)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の観測班、無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(センサー)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、対戦車ミサイルなどの各種攻撃手段(シューター)を結合する。高い防御力による優れた生存性に加え、高度なベトロニクスによる非常に優れた索敵能力および通信能力を持つT-84は、当該システムにおいて優秀なセンサーとして働くことができる。「SRTC-PV」が導入された戦車中隊、装甲擲弾兵中隊、機動歩兵中隊などにおいては、全ての車両で当該システムにアクセスすることが可能となったため、従来各中隊に1両配属されていた専任の前進観測車は廃止された。

旅団戦闘指揮システムは、旅団以下の階梯で利用される共通戦術状況図の生成を目的としたC4I・データリンクシステムである。索敵システムと連接され、中隊以下の部隊が所持する携帯端末、中隊以上の司令部に配備されるラップトップ端末、大隊司令部及び旅団司令部に配備される大型スクリーン及び情報処理装置を用い、敵味方の各部隊や車両などの位置を共通戦術状況図でニア・リアルタイムに共有することができる。基本的には自動車化狙撃部隊と戦車部隊で運用され、友軍車両や部隊の位置、判明している敵の種別と位置と脅威度、判明していない敵に関する警戒情報などについて、秒単位で情報が更新されて表示される。下車戦闘中の歩兵ならば分隊単位、戦闘車両については1両単位、無人機や回転翼機などの航空ユニットについては1機単位で表示される。指揮官は共通戦術状況図に表示された各部隊の情報および彼我の位置関係や戦力差に基づき、エキスパートシステムの支援を受けて戦闘計画を立案し、このシステムを通じて隷下の部隊に企図を伝達する。

防御力

装甲
T-84シリーズでは、第四インターナショナル連邦共和国の戦車として初めてモジュール式装甲システムが採用された。車体正面と砲塔正面の装甲は、筐体内にモジュールが格納される形で実装されており、改修による装甲強化が容易となっていた。

T-84Aでは、車体正面装甲と砲塔正面装甲で、複数の硬度や密度の異なる金属や耐火ゴムなどの素材を使用した、多層式中空装甲を採用していた。この装甲はT-72Bなどのソ連の戦車でも採用された形式の複合装甲で、主に運動エネルギー弾に対する防御を意識したものである。敵のAPFSDSの弾芯が装甲材に突入すると、異なる硬度と密度の鋼板の間で衝撃が反復して弾芯に伝わり、弾芯先端部の向きが変わって本来の方向に侵徹しなくなったり、弾芯が衝撃で破砕されたりして、装甲貫徹力を損なわせることができた。成形炸薬弾などの化学エネルギー弾に対しても、耐火ゴムの膨張を利用してメタルジェットを攪乱することである程度の防御効果を発揮可能とされていたが、後にこれが不十分であったことが発覚したため、1986年に配備が始まったT-84A2以降の改良型では爆発反応装甲が装備されるようになった。T-84Aの砲塔正面装甲は、均質圧延装甲換算で運動エネルギー弾に対し550mm、化学エネルギー弾に対し650mmの防御力を発揮した。車体正面装甲は、均質圧延装甲換算で運動エネルギー弾に対し500mm、化学エネルギー弾に対し600mmの防御力を発揮した。

1989年から生産が開始されたT-84Bでは、正面装甲の厚みが増強された他、多層式中空装甲に対する研究の成果を反映し各部の素材が変更された。これにより、T-84Bの砲塔正面装甲は、均質圧延装甲換算で運動エネルギー弾に対し650mm、化学エネルギー弾に対し770mmの防御力を発揮した。また車体正面装甲は、運動エネルギー弾に対し600mm、化学エネルギー弾に対し720mmの防御力を発揮した。さらに、T-84Bでは、放射線強化型戦術核の中性子線や敵徹甲弾直撃時の破片から乗員の命を守るため、新規設計の内張が追加された。これは、ソ連の「ポドボイ」を参考に、鉛およびホウ素を浸透させた合成樹脂で製造されており、中性子線やガンマ線から乗員を防護する他、敵の砲弾が自車の装甲を貫通した場合に破片が車内に飛散するのを抑えて生存性を高めるスポールライナーの役割も果たすとされていた。

1993年より既存のT-84Bを改修して配備されたT-84B3や、1996年から既存のT-84AやT-84Bを改修して配備されたT-84Cでは、多層式中空装甲のうちいくつかの層をタングステン合金に置き換える改良が施され、これにより、受動装甲の防御力が大幅に向上する一方、重量も5t前後増加し、やや機動性が悪化することとなった。砲塔正面装甲は、均質圧延装甲換算で運動エネルギー弾に対し850mm、化学エネルギー弾に対し1220mmの防御力を発揮した。車体正面装甲は、均質圧延装甲換算で運動エネルギー弾に対し800mm、化学エネルギー弾に対し1120mmの防御力を発揮した。
追加装甲
T-84では、改良型のT-84A2より追加装甲として爆発反応装甲の取り付けが可能となった。

1986年から配備が行われたT-84A2では、ソ連の「コンタークト-1」を元に第四インターナショナル連邦共和国が独自開発した「BR-87」爆発反応装甲が取り付けられるようになった。「BR-87」の基本的な構造は「コンタークト-1」とほとんど同等で、化学エネルギー弾に対し、均質圧延装甲換算250mm相当の防御力を発揮することが可能とされた。通常、前方を中心に227基が取り付けられ、取り付けた場合は1.5t重量が増加した。これを装備したT-84A2では、化学エネルギー弾に対し、均質圧延装甲換算で砲塔正面装甲は900mm以上、車体正面装甲も850mm以上の防御力を発揮できた。T-84Bでも当初は「BR-87」が搭載されていた。T-84Bは、受動装甲が強化されていることもあって、「BR-87」を装着した場合、化学エネルギー弾に対し、均質圧延装甲換算で砲塔正面装甲は1000mm以上、車体正面装甲も950mm以上の防御力を発揮できた。

1993年から配備が行われたT-84B2では、ソ連の「コンタークト-5」を元に第四インターナショナル連邦共和国が独自開発した「BR-92」爆発反応装甲が取り付けられるようになった。「BR-92」は15mm厚の丈夫な鋼板で爆薬をサンドイッチした構造となっており、敵の砲弾が着弾すると起爆、化学エネルギー弾に対してメタルジェットを拡散させて防御するのみならず、運動エネルギー弾に対して弾芯を破砕して侵徹力を大幅に減退させる効果があった。これにより、「BR-92」は、運動エネルギー弾に対し均質圧延装甲換算で250mm、化学エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で600mm相当の防御力を発揮可能とされた。これを搭載したT-84B2では、均質圧延装甲換算で、砲塔正面装甲は運動エネルギー弾に対し900mm、化学エネルギー弾に対し1370mm、車体正面装甲は運動エネルギー弾に対し850mm、化学エネルギー弾に対し1320mmの防御力を発揮可能とされた。受動装甲のさらなる強化が行われたT-84B3以降の車両にも「BR-92」を搭載することが可能であった。T-84B3やT-84Cに「BR-92」を搭載した場合、均質圧延装甲換算で、砲塔正面装甲は運動エネルギー弾に対し1100mm、化学エネルギー弾に対し1820mm、車体正面装甲は運動エネルギー弾に対し1050mm、化学エネルギー弾に対し1720mmの防御力を発揮可能とされた。
乗員配置・乗員防護
T-84ではT-75と同様、車長、砲手、操縦手の3名の乗員を有している。乗員配置も従来の戦車と同様で、砲塔に車長と砲手が、車体に操縦手が搭乗する。車体および砲塔は完全な与圧式CBRNE防護装置を備え、NBC兵器によって汚染された環境下でも行動可能である。

機動力

エンジン・変速機
初期型T-84AとT-84A2では、1984年に開発された「MD-84」多燃料対応ディーゼルエンジンが搭載された。「MD-84」はT-76が装備していた「MD-75」の改良型であり、その基本的な構造は、伝説的なソ連の中戦車であるT-34に搭載されていたV-2ディーゼルエンジンの系譜上にあり、V型12気筒4ストロークの液冷エンジンとなっている。「MD-84」では、原型となった「MD-75」と比較して、空気と燃料の噴射システムが改良されており、これによりエンジンの最大出力が「MD-75」では800馬力であったのに対し、「MD-84」では900馬力に強化された。出力重量比はT-84Aでは19.6、T-84A2では18.9で、これにより、整地であれば時速60km、不整地であれば時速35kmで走行できた。T-65以降の第四インターナショナル連邦共和国の主力戦車同様、主変速機と独立した逆転機を持つ構成の変速システムによって、前進速度と同じ速度で後退することも可能だった。

T-84B系列の車両では、T-84Aのパワーパックのうち、エンジンのみが新型となった。エンジンとしては、「MD-84」に代わって、1988年に開発された「MD-88」多燃料対応ディーゼルエンジンが搭載された。これは「MD-84」にターボチャージャーを取り付けて出力を向上させる改修を行ったものであった。ターボチャージャーの取り付けによって、「MD-88」の最大出力は1050馬力に向上、これにより、T-84A系列より重量がかなり増加したのにも関わらず、出力重量比はT-84Bでは21.2、T-84B2では20とむしろ機動性は若干向上した。ただし、セラミックよりも低コストで比較的高い防御力を発揮させるためにタングステン合金を装甲材に取り入れたT-84B3では、重量が57tにまで増加しており、出力重量比は18.5で、整地ですら時速55kmを出すのがやっとであり、機動力が著しく不足していることが指摘された。

これを受けて、T-84Cでは、パワーパックがT-96主力戦車向けに開発されたパワーパックへと変更された。これはソビエト連邦の6TDエンジンに着想を得て開発された第四インターナショナル連邦共和国の国産水平対向型12気筒4ストローク液冷ディーゼルエンジンで、従来のT-76やT-84で搭載されていたV-2ディーゼルエンジンの系譜から決別し、コンパクトさと大出力を両立している。メキシコの高原などでも運用可能とするためにツインターボチャージャーを備え、通常は最大で1250馬力の出力を発揮可能である。T-84Cでは重量が58tにまで増加したのにも関わらず、出力重量比はT-84Cでは21.6でT-84B初期型を上回った。トランスミッションも、T-96と共通の前進5段、後進5段の新型オートマチックトランスミッションに変更され、動力の伝達効率が大幅に改善された。これにより、整地であれば時速65km、不整地でも時速45kmで走行できるようになった。このように、T-84B系列と比較して、総合的に機動性が大幅に強化された。

燃料搭載量は、T-84B3までは通常車内に1200L、必要に応じて200L入りのドラム缶を車体後部に2個追加搭載して最大1600Lとなっていた。航続距離は、各型車内燃料のみで450km、車外に搭載したドラム缶で航続距離を延伸した場合は600kmとなっていた。T-84C以降ではエンジンが小型化されたことから余剰スペースに300Lの燃料タンクが搭載され、航続距離は車内燃料のみで600km、車外に搭載したドラム缶で航続距離を延伸した場合は750kmとなっていた。
転輪・懸架方式・履帯
足回りは、起動輪1輪、誘導輪1輪、走行転輪6輪、上部支持輪4輪から構成されている。T-84は従来の第四インターナショナル連邦共和国の戦車と同様、リアドライブ式を採用しているため、起動輪が車体後方、誘導輪が車体前方に配置されている。起動輪、誘導輪、走行転輪、上部支持輪は全て鋼鉄製で、焼結によって製造されており、軽量ながら高い耐久性を誇る。起動輪、誘導輪、走行転輪、上部支持輪は全て、摩耗や騒音を防ぐ目的で外周にゴムが装着されている。

懸架装置としては、全転輪でトーションバーサスペンションが採用されている。サスペンションのトラベル長は上限340mm、下限160mmの合計500mmと非常に大きく、全転輪で装備されるショックアブソーバーと合わさり、高い悪路走破性を発揮できる。

履帯は鋼製で、片側72枚、両側で合計144枚となっていた。履帯の構造は、T-75ではシングルピン方式の接続が採用されていたのに対し、T-84では新たにダブルピン方式の接続が採用された。また、長寿命化を目的としたピン内部にゴムブッシュの圧入されていた他、地面との摩擦や騒音を低減するためにゴムパッドの装着されていた。

型式

T-84系列の主力戦車は、1984年から1995年までの12年間で合計1200両あまりが生産された。第四インターナショナル連邦共和国の第3世代主力戦車の先駆けとなった本車は、2023年現在も、ほぼ全ての車両が近代化改修を受けて現役として運用継続されているが、2024年より順次T-10やT-15などの主力戦車によって代替されて退役が進み、2034年までに全ての車両が予備装備として現役を退く見込みである。

T-84A

T-84Aは1984年から1986年に生産された初期生産型。生産数はおよそ100両程度と少なく、1986年からはすぐに改良型であるT-84A2と同仕様に改修されたため、メキシコシティの地上軍戦車博物館に展示されている1両を除いて、生産当初の外観を保っている車両は存在していない。
T-84A2
T-84A2は、1987年から1989年に生産された前期生産型で、T-84Aの改良型にあたる。新規生産とT-84Aからの改修合わせておよそ500両が配備された。ソ連の「コンタークト-1」爆発反応装甲を参考にして開発された「BR-87」爆発反応装甲を装備しているのが外観上の特徴である。

T-84B

T-84Bは、1990年から1992年まで生産された中期生産型で、T-84Aの大幅改良型にあたる。およそ350両が生産されたが、大半がT-84B2仕様に改修された。微光増幅式暗視装置が熱線映像装置に変更されて夜間戦闘能力が向上、従来のアナログ弾道計算機よりも高性能なデジタル弾道計算機による砲撃の命中率改善、レーザー検知器と連動した発煙弾発射機による生存性の向上、改良型ディーゼルエンジンによる機動力の向上など、抜本的な能力向上が図られた。
T-84B2
T-84B2は、1993年から1995年まで生産された後期生産型で、T-84Bの改良型にあたる。およそ350両がT-84B2仕様で新規に生産され、さらに全ての既存のT-84AがT-84B2仕様に改修されたことにより、合計で850両あまりがこの型式で配備された。デジタル弾道計算機のプロセッサが16ビットとなって演算能力が強化された他、ソ連の「コンタークト-5」爆発反応装甲を参考にして開発された「BR-92」爆発反応装甲を装備したことで防御力や生存性が向上した。
T-84B3
T-84B3は、既存のT-84BにT-84B2に準じた改修を施した上で、多層式中空装甲の内部を変更して防御力を向上させたものである。多層式中空装甲内にタングステン合金層が追加されたことにより、運動エネルギー弾と化学エネルギー弾の両方に対してさらに大きな防御力を発揮可能となったが、車重が57tに膨れ上がり機動性が悪化した。このため、1993年から1995年までに改修を受けた車両は北部作戦管区の第5、6、7機械化軍団に配備されていた約350両のみにとどまった。

T-84C

T-84Cは、既存のT-84AやT-84Bの能力を大幅に向上させ、仮想敵国の第3.5世代主力戦車に対抗可能な性能を持たせることを目的に配備された改修型である。T-84B3と比較すると、新APFSDSに対応するための装填装置改良、砲口照合装置の追加による砲撃の精度向上、車長用サイトへの熱線映像装置導入とオーバーライド射撃能力の付与、デジタル弾道計算機のプロセッサの32ビット化による演算能力強化、「SIIV(シーヴ)」車間情報システムの導入、タングステン合金複合装甲による防御力向上、パワーパックとサスペンションの強化による重量増への対応と機動力向上、APU(補助動力装置)による電力供給能力の強化など、その改修項目は多岐にわたる。1996年から2013年までの18年間で1100両あまりがこの仕様に改修された。
T-84C2
T-84C2は、既存のT-84Cの能力を向上させ、仮想敵国の第3.5世代主力戦車に比肩する性能を持たせることを目的に配備された改修型である。砲手用サイトや車長用サイトへの新しい熱線映像装置の導入、操縦手用暗視装置の追加、「SRTC-PV(車両用統合戦術無線システム)」の搭載による発展的なC4I・データリンクシステムへの対応、新型爆発反応装甲の装備など、その改修項目は多岐にわたる。
T-84C3
T-84C3は、既存のT-84C2に対戦車擲弾や対戦車ミサイルといった非対称な兵器に対する経済的な防御手段として「SPA-10」アクティブ防護システムを搭載した改修型である。可視光/赤外線監視カメラ、紫外線監視カメラ、レーザー警報装置、レーダー警報装置、ミリ波レーダーの5種類のセンサーと、煙幕弾発射機、指向性妨害レーザー装置、迎撃体発射機の3種類の迎撃装置が砲塔を取り囲むように配置される。
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