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T-14主力戦車
基本情報
種類主力戦車(第3.5世代主力戦車)
運用者ソビエト連邦軍地上軍
製造期間T-14:2015年-2020年
T-14A:2020年~現在
製造ウラルヴァゴンザヴォード
性能
全長10.8(m)
全幅3.5(m)
全高3.3(m)
重量55(t)
懸架方式アクティブ・サスペンション
速度80~70(km/h)
主砲T-14:125mm滑腔砲2A82-1M×45発(内32発自動装填装置に格納)
T-14A:135mm滑腔砲2A06×40発(内22発自動装填装置に格納)
副武装T-14:12.7mmKord重機関銃×500発、7.62mmPKTM機関銃×2,000発
T-14A:12.7mmKord重機関銃×500発、7.62mmPKTM機関銃×3,000発
装甲複合装甲、爆発反応装甲、ケージ装甲(外装式モジュール)
エンジンT-14:(1,350~2,000馬力)液冷4ストロークX型12気筒ディーゼルエンジン
T-14A:(1,800馬力)液冷4ストローク水平対向ピストン型12気筒ディーゼルエンジン
乗員3名
配備数T-14/約2,300輌
T-14A/約720輌

概要

ソビエト連邦軍のアルマータ共通戦闘車両プラットフォームを構成する車輌の1つで、第3.5世代主力戦車に相当する。製造元によると、ソ連軍の戦車の中で西側主力戦車を圧倒可能な戦車とされている。
ソ連軍の旧式戦車T-72、T-80、T-90シリーズの代替品として開発された次世代型の主力戦車で、ソ連最新鋭の主力戦車である。
2015年の対独戦勝記念パレードで初めてその姿を現し、2016年に量産を始め、基本型は2020年までに2,300輌生産された。今の生産ラインは強化型のT-14Aに切り替わっており、こちらは2025年までに2,500台生産する予定である。T-14Bはバランス性の高い兵器・防御システムの搭載で、1,800輌程生産される予定である。輸出も既にされている。

特徴

T-14

攻撃力
かつてソ連の戦車の多くが採用していた「125mm滑腔砲2A46」シリーズに代わり、T-14の主砲に用いられた「125mm滑腔砲2A82-1M」は、西側の主力戦車の防御力向上を受け、これまでの125mm滑腔砲に代わり開発された戦車砲である。これは現代の最新主力戦車の装甲を破壊するに十分な攻撃力を有している。口径は125mmで、既存の全ての125mm砲弾を使用可能である。排煙器がないこと、発射速度が10~12発/分と高いこと、有効射程距離が8kmであることが特徴である。排煙器がないというのは、T-14は無人砲塔の為に、発射ガスの砲塔内への逆流による被害を考慮する必要が無いためである。

砲身の製造にあたっては、耐摩耗性と摩耗寿命を向上させることに注意を払っており、素材には高強度鋼を使用している。往来の滑腔砲より高水圧で自緊処理を施しており、最新のより強力な砲弾の使用を可能としている。薬室最大圧力は2A46M-5と比べて650メガパスカルから780メガパスカルと向上している。砲身内壁には耐腐食性を高める為に酸化チタン加工が施されている。よって、この砲身が新開発された125mm徹甲弾を使用し続けた場合の砲身寿命は約2100発である。砲身には発射ガスによる加熱と雨、雪、直射日光などの自然の影響で歪むのを防ぐため、グラスファイバーと断熱材によるサーマル・シールドで覆われており、砲身との間に空間を設け、放熱効果を高めるとともに、外気の影響を削減している。また、砲基部にはレーザー照射誘導装置が、砲身先端部右側には防護カバー付の砲口照合ミラーがあり、砲身の歪みを検出できる。閉鎖機には垂直鎖栓式でマルチラグ方式を採用しており、砲座部についても構造を再検討し最適化するなどしたことで、2A46M-5滑腔砲より約20%の軽量化に成功している。

2A82-1M滑腔砲の開発において、それに合わせて新規に開発された砲弾がある。2A82-1Mの開発と並行して新規に開発された砲弾は徹甲弾と破片効果榴弾と対戦車ミサイルが存在している。徹甲弾は3VBM24「ヴァキューム-1」APFSDSが用意されており、破片効果榴弾は3VBK28「テリンク」HEATがある。2A82-1MのAPFSDSとして開発された「ヴァキューム1」APFSDSは900mm長のタングステン合金製侵徹体、飛翔を安定させるセイボットで構成されており、射程2,000mからRHA換算で1000mm相当の貫徹力を有する。3VBK28「テリンク」HEATは爆発モードの切替が可能で、多目的に使用可能である。また、主砲発射型対戦車ミサイルとして2A82-1M専用に開発された3UBK21「スプリンター」は空中目標に対しても使用可能である。砲弾搭載総数は45発で、内32発を自動装填装置に格納できる。

目標捕捉能力は光学照準器を用いた昼間で5km以内、熱画像装置を用いた夜間で3.5km程とされる。砲手用光学照準器は倍率4〜12倍の切替が可能であり、レーザー測距儀の有効射程は7.5kmとされる。これらのシステムは重複して搭載されており、その他に乗員の車外視察用に全周高解像度カメラが用意されている。

T-14はこれまでのソ連製戦車同様、自動装填装置を搭載しており、往来のカルーセル式を採用している。自動装填装置のマガジンは砲塔底部にあり、ここには32発が搭載可能である。この他、車体には砲弾13発分を搭載可能なスペースがある。乗員の生存性向上のため弾薬庫と乗員居住スペースは隔離されている。自動装填装置は毎分10~12発という高い速度で砲弾を発射することができる。自動装填装置と弾薬搭載スペースは誘爆を防ぐため、弾薬収納部上面への弾片防止ライナーを装備、また引火を防ぐため、自動消火装置も搭載されている。また、トップアタック方式の対戦車兵器への対策として、アクティブ防護システムの増強も図っている。

T-14の副武装には12.7mmKord重機関銃と7.62mmPKTM機関銃がある。弾数はそれぞれ500発と2,000発が装填される。また再装填用に7.62mm弾1,000発が搭載される。12.7mm重機関銃は砲塔上右寄りに、車長用サイトと統合したリモートウェポンステーションに装備されており、主砲同軸に7.62mm機関銃が装備される。タレット上部には車長用サイトがあり、後述するような、可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置の機能を統合して装備している。必要に応じてタレットの動きを車長用サイトに同調させ、車長用サイトにより照準しながらタレットに搭載された武装で射撃することが可能である。これは「アフガニト」アクティブ防護システムと連携を有し、レーザー照射やミリ波レーダーを検知した際は威嚇攻撃を行い、敵の攻撃を検知した際は自動的に迎撃する。
機動力
T-14では水冷式ディーゼルエンジン「A-85-3A」を使用している。A-85-3Aは排気量約21.2LのX型12気筒4ストロークディーゼルエンジンで、エンジン出力は可変馬力で1,350馬力~2,000馬力、最大エンジン回転数は2,800rpmに達する。このエンジンの出力により、出力重量比は27.5に達し、整地では80km/h、不整地では65km/hで走行できる。エンジンは-50℃から104℃までの温度範囲で正常に動作し、また3重のエアフィルターにより99%を超える粒子を除去することが出来るため、凍てつく寒さの地域から灼熱の砂塵の多い地域まで使用可能である。燃料消費率は210g/kwhとされており、燃費は整地で50km/hで走行した場合、1Lあたり238m、不整地で25km/hで走行した場合、1Lあたり119mである。燃料は車内に2100Lまで搭載でき、最大航続距離は350kmとされる。また、車体後部に外部燃料タンク(300L入り/最大2個)を搭載すれば、最大航続距離は500kmに増加する。

変速機は、油圧機械式オートマチックトランスミッションを使用している。トランスミッションは自動化されており、12段階の変速でスムーズな加速を実現する。後退速度も45km/hと高く、制動能力も高く50km/hでブレーキを行ってから数m以内に停止する。懸架方式はハイドロニューマチック・サスペンションを採用しており、高い悪路走破性能を持つ。

変速機とエンジンはパワーパックとして一体化されており、野戦下でも30分程度でパワーパックを交換することが出来る。
防御力
乗員は車長、操縦手、砲手の3名である。車体前方中央に操縦手、車体前方右側に車長、車体前方左側に砲手となっている。被弾時に乗員が一挙に全滅することを防ぐための配置であるとされている。車体前方に用意され、複合装甲で構築された装甲カプセルには全乗員が搭乗している。乗員区画には与圧式NBC防護装置や冷暖房装置が装備されており、浄化された適切な温度の空気が常時供給される。各乗員スペースには携帯式トイレが用意されており、リスクの高い車外に出ること無く排泄を行える。

T-14の装甲は砲塔前面と車体前面に複合装甲を採用している。車体前面、車体側面、砲塔前面、砲塔側面、砲塔上面、サイドスカートは外装式モジュール装甲である。任務の性質や輸送時の重量制限などに応じて、装甲を着脱できる柔軟性がある。また、新型装甲が開発された場合や、被弾して装甲が損傷した場合にも容易に交換することが可能である。
砲塔・車体前面に装備される複合装甲モジュールには防弾鋼板、拘束セラミック、炭化ホウ素などが織り込まれている。複合装甲は、後に解説する爆発反応装甲との相乗効果により、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で1,000~1,100mmの防御力を有し、化学エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で1,200~1,400mmの防御力を有する。
砲塔・車体側面の乗員区画周辺には拘束セラミック装甲を織り込んだモジュールが装備されており、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で350mmの防御力を有し、化学エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で500~600mmの防御力を有している。それ以外の砲塔・車体側面には、多重空間装甲が挿入されている。多重空間装甲は防弾鋼、チタン合金、ケブラー、合成ゴムなどからなり、機関砲弾や対戦車ミサイルなどへの防御を目指したものであるが、運動エネルギー弾に対しても、侵徹体に複数方向から力を反射させて破砕させたり、侵徹方向を逸らしたりすることで防御効果を発揮する。多重空間装甲の装備により、運動エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で200mm、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で400mmの防御力を有している。
砲塔上部には、それ以上の高車高化を避けるべく簡易的な防弾鋼とケブラーを織り込んだ複合装甲モジュールを挿入することで解決した。この装甲はクラスター弾や自爆ドローンの直撃に抗堪できるが、ジャベリンやアンヴィル、NLAWといったトップアタック型の対戦車ミサイルの攻撃には抗堪する防御力がない。そこはアクティブ防護システムの防衛に頼ることになる。
サイドスカートは、ゴム製スカートが装着されている。軽量なサイドスカートで、走行中に加熱した転輪を覆い隠し赤外線に対するステルス性能を高める効果も有する。さらに、サイドスカートの内側では排気と冷気が排出され、赤外線画像誘導装置を用いる対戦車兵器の照準を不安定にさせる効果がある。
防弾鋼板は新開発された「44S-SV-SH」と呼ばれるものが使用されており、これは極低温下でも性能が劣化しない特徴があり、凍てつく寒さの地域から灼熱の砂塵の多い地域まで使用可能である。しかも高い防御力を維持しながら約15%の軽量化に成功したもので、これらは車体・砲塔共に全溶接構造となっている。
車体後部には外部燃料タンク2個が装備可能で、これらは空間装甲として利用することが出来る。

T-14では新たに車体前面、砲塔前面、砲塔側面、砲塔上面、サイドスカートに対する劣化ウランを織り込んだ重装増加装甲パッケージ、拘束セラミックを織り込んだ軽装増加装甲パッケージ、爆発反応装甲、ケージ装甲の提供がされている。これらの追加装備は装甲厚の増加と防御性能の向上を図るべく、車体や砲塔に装着されていた。これらの追加装備を装着する場合、拘束セラミック装甲の場合約10t程、劣化ウラン装甲の場合約16t近く重量が増大する。劣化ウラン装甲を装着した場合は、130mm砲を搭載した主力戦車でも貫徹が非常に厳しくなるものの、重量増加による機動力低下は避けられない。

爆発反応装甲はモジュール式の第4世代爆発反応装甲「マラヒート」を用意している。爆発反応装甲対策に二重弾頭を備えている対戦車兵器に対抗するため、爆発反応装甲自体が二重構造となっているのが特徴的である。「マラヒート」はモジュールの爆発を直接的に電子制御しており、APFSDS弾や対戦車ミサイルの接近は、モジュール周辺の磁場強度の急激な変化に基づいて、内蔵コイルによってモジュール装甲カバーを打ち出す為の先制爆発が実行される。その動作は非常に速く、モジュール付近の砲弾の飛翔によって誘導される起電力は、モジュール周囲に巻かれた600ターンの内蔵コイルで約1ボルトの電圧、その内蔵コイルから生じる電流は、モジュールと接触する約40cm前でモジュール装甲カバーを打ち出す先制爆発を引き起こす為のコマンドとして機能する。砲弾は打ち出されたモジュールの装甲カバーにより接触できずに破壊され、対戦車ミサイルはたとえ累積発射体を発射しても、爆発反応装甲の二重構造による次の金属板が先制爆発により打ち出され、飛翔中のミサイルは損傷して、照準が合わずに装甲には接触できないとされる。この二重爆発の技術は運動エネルギー弾、化学エネルギー弾どちらにも防御効果を発揮する爆発反応装甲で、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で800mmの防御力を発揮し、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で750mmの防御力を発揮する。また、複合装甲や空間装甲との相乗効果でこれらの防御力は強化されており、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で1,200~1,400mmの防御力を発揮し、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で1,000~1,100mmの防御力を発揮することができる。
車体側面後部に装備されているケージ装甲は対戦車ミサイルへの対応を目的としており、対戦車ミサイルの弾頭を粉砕して爆発の影響を低減させる、または、起爆装置を損傷させて爆発を阻止することができる。しかし、ただの硬いスラット状の金属格子で100%の防御を提供することはできない。精々50%の防御効果を提供でき、ケージの間隔が接近する対戦車ミサイル・ロケット弾の間隔より小さい場合は効果が増加する。

アクティブ防護システムとして砲塔に「アフガニト」と呼ばれるハードキル型のアクティブ防護システムを装備しており、砲塔側面下部に固定式の発射機がある。これは15〜20mの距離で対戦車擲弾の他、1,700m/s以内であればAPFSDS弾も迎撃可能である。将来的に「ザスロン」アクティブ防護システムを搭載予定で、これにより迎撃可能速度は2,500m〜3,000m/sまで増加する。しかし、徹甲弾を迎撃する能力はない。これらとは別に、砲塔上部左右にソフトキル型の「シュトーラ2」アクティブ防護システムがあり、これは煙幕を展開して敵の赤外線誘導装置を妨害する働きがある。
ベトロニクス
T-14に搭載される電子機器は全て国産であり、-40℃から104℃の環境に耐えられるよう設計されている。また、T-95と比べて性能が向上しており、射撃精度の向上、C4Iシステムやデータリンク端末の充実が見られる。

1A46-1M「カリーナ」射撃統制システムが搭載されており、デジタル弾道コンピュータを中核に、レーザー測距装置、傾斜測定装置、砲口照合装置、風向・風圧計、気温・気圧計、装薬温度計、「YeSU-TZ」データリンク端末など各種機能が接続して構築される。これらの入力諸元から弾道コンピュータは命中させるための各種要素の計算を行い、砲安定装置に入力して主砲を向ける。照準の際は、高解像度カメラによる目標の分析とデータベースからの情報を元に、目標の弱点部位に照準を定めることが出来る。照準後は自動追尾機能により、照準を常時修正して走行中も主砲の照準を目標に指向し続ける。また、発射後も弾薬データリンクを利用して砲弾の正確な着弾地点を計測し、効果判定を行う。砲安定装置と併用することで、走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃などが可能である。弾道コンピュータのソフトウェアはプログラマブルのものを利用しているため、将来的にアップデートをすることが容易である。今後、サポート人工知能を搭載する可能性があり、これらの工程をより速やかに演算することができるとされる。

砲安定装置とは、移動により車体が揺れる時でも照準を安定させるための装置である。この装置の働きにより、高い命中精度を維持したまま走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃を行うことが出来る。主砲は砲安定装置により、ジャイロスコープとサーボモータによって高低及び水平、二軸安定化がされている。砲塔の旋回や主砲の仰俯角は完全電動式で、砲塔の軽量化と火災発生のリスク低減に成功している。しかし、完全な電動であっても現代の主砲は重すぎて、高速な揺れには対処出来ない場合がある。将来的な135mm滑腔砲の搭載を見据えてることもあり、これに付随して照準装置を安定させてリンクした砲を隷属させるという方式を導入し、発射を準備した主砲位置と照準位置が合った場合に自動的に発射するようプログラミングすることで、主砲の射撃精度を安定、維持できるとされる。

T-14は「YeSU-TZ」データリンク装置を搭載している。データリンクは圧倒的な物量で押し寄せるソ連軍にとって非常に重要なもので、本車が接続するC4Iシステムは作戦級の近接戦闘指揮統制システム(3CCS)、戦術級の機甲戦力指揮統制システム(ATCCS)の二種類がある。

T-14A

攻撃力
基本型が採用していた「125mm滑腔砲2A82-1M」に代わり、T-14Aの主砲に用いられた「135mm滑腔砲2A06」は、西側の主力戦車の防御力向上を受け、これまでの125mm滑腔砲に代わり開発された戦車砲である。これはM1エイブラムスやレオパルト2A7の装甲を破壊するに十分な攻撃力を有している。プラズマインジェクタによる点火を採用したことで、寒冷地における命中精度を向上させている。口径は135mmで、プラズマインジェクタによる点火を採用したことから専用の135mm砲弾のみ使用できる。排煙器がないこと、発射速度が10~12発/分と高いこと、有効射程距離が8kmであることが特徴である。排煙器がないというのは、T-14Aは無人砲塔の為に、発射ガスの砲塔内への逆流による被害を考慮する必要が無いためである。

砲身の製造にあたっては、耐摩耗性と摩耗寿命を向上させることに注意を払っており、素材には高強度鋼を使用している。往来の滑腔砲より高水圧で自緊処理を施しており、最新のより強力な砲弾の使用を可能としている。薬室最大圧力は2A82-1Mと比べて780メガパスカルから850メガパスカルと向上している。砲身内壁には耐腐食性を高める為に酸化チタン加工が施されている。よって、この砲身が新開発された1その135mm徹甲弾を使用し続けた場合の砲身寿命は約1400発である。砲身には発射ガスによる加熱と雨、雪、直射日光などの自然の影響で歪むのを防ぐため、グラスファイバーと断熱材によるサーマル・シールドで覆われており、砲身との間に空間を設け、放熱効果を高めるとともに、外気の影響を削減している。また、砲基部にはレーザー照射誘導装置が、砲身先端部右側には防護カバー付の砲口照合ミラーがあり、砲身の歪みを検出できる。閉鎖機には垂直鎖栓式でマルチラグ方式を採用しており、砲座部についても構造を再検討し最適化するなどした。

2A06滑腔砲の開発において、それに合わせて新規に開発された砲弾がある。2A06の開発と並行して新規に開発された砲弾は徹甲弾と破片効果榴弾と対戦車ミサイルが存在している。徹甲弾は3VBM24「ヴァキューム-X」APFSDSが用意されており、破片効果榴弾は3VBK28「チェルノ」HEATがある。2A06のAPFSDSとして開発された「ヴァキュームX」APFSDSは1000mm長のタングステン合金製侵徹体、飛翔を安定させるセイボットで構成されており、射程2,000mからRHA換算で1500mm相当の貫徹力を有する。3VBK28「テリンク」HEATは爆発モードの切替が可能で、多目的に使用可能である。また、主砲発射型対戦車ミサイルとして2A06専用に開発された3UBK21「ドリフ」は空中目標に対しても使用可能である。砲弾搭載総数は40発で、内22発を自動装填装置に格納できる。

目標捕捉能力は光学照準器を用いた昼間で5km以内、熱画像装置を用いた夜間で3.5km程とされる。砲手用の光学照準器は倍率4〜15倍の切替が可能であり、レーザー測距装置の有効射程は8.2kmとされる。これらのシステムは重複して搭載されており、その他に乗員の車外視察用に360度視察可能な高解像度カメラが用意されている。第三世代サーマルビジョンを統合した全周旋回式車長用・砲手用サイトが砲塔上部左右に設置され、さらに操縦手の視野を拡張する為全周に監視カメラを設置し、乗員はヘッドマウントディスプレイを通じて周囲の状況を確認できる。

T-14Aはこれまでのソ連製戦車同様、自動装填装置を搭載しており、ベルトコンベア式を採用している。自動装填装置のマガジンは砲塔後部にあり、ここには22発が搭載可能である。この他、車体には砲弾18発分を搭載可能なスペースがある。乗員の生存性向上のため弾薬庫と乗員居住スペースは隔離されており、砲塔後部のマガジンにはブローオフパネルが設けられている。これにより誘爆時に爆風を外に逃がすことで乗員に被害が及ばないようにする。自動装填装置は毎分12発という高い速度で砲弾を発射することができる。自動装填装置と弾薬搭載スペースは誘爆を防ぐため、弾薬収納部上面への弾片防止ライナーを装備、また引火を防ぐため、自動消火装置も搭載されている。また、トップアタック方式の対戦車兵器による誘爆への対策として、アクティブ防護システムの増強も図っている。

T-14の副武装には12.7mmKord重機関銃と7.62mmPKTM機関銃がある。弾数はそれぞれ500発と3,000発が装填される。また再装填用に7.62mm弾1,000発が搭載される。12.7mm重機関銃は砲塔上右寄りに、車長用サイトと統合したリモートウェポンステーションに装備されており、主砲同軸に7.62mm機関銃が装備される。タレット上部には車長用サイトがあり、後述するような、可視光カメラ、熱線映像装置、レーザー測距装置の機能を統合して装備している。必要に応じてタレットの動きを車長用サイトに同調させ、車長用サイトにより照準しながらタレットに搭載された武装で射撃することが可能である。これは「ザスロン」アクティブ防護システムと連携を有し、レーザー照射やミリ波レーダーを検知した際は威嚇攻撃を行い、敵の攻撃を検知した際は自動的に迎撃する。
機動力
T-14Aでは水冷式ディーゼルエンジン「A-85-3A」を使用している。A-85-3Aは排気量約17.1Lの水平対向ピストン型12気筒4ストロークディーゼルエンジンで、電子制御式のコモンレール式燃料噴射装置を搭載している。ハイブリッド推進方式で、最大エンジン出力は1,800馬力、最大エンジン回転数は2,800rpmに達する。このエンジンの出力により、出力重量比は32.7に達し、整地では72km/h、不整地では65km/hで走行できる。エンジンは-50℃から104℃までの温度範囲で正常に動作し、また3重のエアフィルターにより99%を超える粒子を除去することが出来るため、凍てつく寒さの地域から灼熱の砂塵の多い地域まで使用可能である。燃料消費率は210g/kwhとされており、燃費は整地で50km/hで走行した場合、1Lあたり724m、不整地で25km/hで走行した場合、1Lあたり357mである。燃料は車内に1700Lまで搭載でき、最大航続距離は500kmとされる。また、車体後部に外部燃料タンク(300L入り/最大2個)を搭載すれば、最大航続距離は800kmに増加する。

変速機は、油圧機械式オートマチックトランスミッションを使用している。トランスミッションは自動化されており、12段階の変速でスムーズな加速を実現する。後退速度も45km/hと高く、制動能力も高く50km/hでブレーキを行ってから数m以内に停止する。懸架方式はハイドロニューマチック・サスペンションを採用しており、高い悪路走破性能を持つ。

変速機とエンジンはパワーパックとして一体化されており、野戦下でも30分程度でパワーパックを交換することが出来る。
防御力
乗員は車長、操縦手、砲手の3名である。車体前方中央に操縦手、車体前方右側に車長、車体前方左側に砲手となっている。被弾時に乗員が一挙に全滅することを防ぐための配置であるとされている。車体前方に用意され、複合装甲で構築された装甲カプセルには全乗員が搭乗している。乗員区画には与圧式NBC防護装置や冷暖房装置が装備されており、浄化された適切な温度の空気が常時供給される。各乗員スペースには携帯式トイレが用意されており、リスクの高い車外に出ること無く排泄を行える。

T-14Aの装甲は砲塔前面と車体前面に複合装甲を採用している。車体前面、車体側面、砲塔前面、砲塔側面、砲塔上面、サイドスカートは外装式モジュール装甲である。任務の性質や輸送時の重量制限などに応じて、装甲を着脱できる柔軟性がある。また、新型装甲が開発された場合や、被弾して装甲が損傷した場合にも容易に交換することが可能である。
砲塔・車体前面に装備される複合装甲モジュールには防弾鋼板、チタン合金、炭化ホウ素などが織り込まれている。複合装甲は、後に解説する爆発反応装甲との相乗効果により、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で1,200mmの防御力を有し、化学エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で1,500mmの防御力を有する。
砲塔・車体側面の乗員区画周辺にはチタン合金装甲を織り込んだモジュールが装備されており、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で500mmの防御力を有し、化学エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で800mmの防御力を有している。それ以外の砲塔・車体側面には、多重空間装甲が挿入されている。多重空間装甲は防弾鋼、チタン合金、ケブラー、合成ゴムなどからなり、機関砲弾や対戦車ミサイルなどへの防御を目指したものであるが、運動エネルギー弾に対しても、侵徹体に複数方向から力を反射させて破砕させたり、侵徹方向を逸らしたりすることで防御効果を発揮する。多重空間装甲の装備により、運動エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で350mm、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で550mmの防御力を有している。
砲塔上部には、それ以上の高車高化を避けるべく簡易的な防弾鋼とケブラーを織り込んだ複合装甲モジュールを挿入することで解決した。この装甲はクラスター弾や自爆ドローンの直撃に抗堪できるが、ジャベリンやアンヴィル、NLAWといったトップアタック型の対戦車ミサイルの攻撃には抗堪する防御力がない。そこはアクティブ防護システムの防衛に頼ることになる。
サイドスカートは、ゴム製スカートが装着されている。軽量なサイドスカートで、走行中に加熱した転輪を覆い隠し赤外線に対するステルス性能を高める効果も有する。さらに、サイドスカートの内側では排気と冷気が排出され、赤外線画像誘導装置を用いる対戦車兵器の照準を不安定にさせる効果がある。
防弾鋼板は新開発された「44S-SV-SH」と呼ばれるものが使用されており、これは極低温下でも性能が劣化しない特徴があり、凍てつく寒さの地域から灼熱の砂塵の多い地域まで使用可能である。しかも高い防御力を維持しながら約15%の軽量化に成功したもので、これらは車体・砲塔共に全溶接構造となっている。
車体後部には外部燃料タンク2個が装備可能で、これらは空間装甲として利用することが出来る。

T-14Aでは新たに車体前面、砲塔前面、砲塔側面、砲塔上面、サイドスカートに対する劣化ウランを織り込んだ重装増加装甲パッケージ、拘束セラミックを織り込んだ軽装増加装甲パッケージ、爆発反応装甲、ケージ装甲の提供がされている。これらの追加装備は装甲厚の増加と防御性能の向上を図るべく、車体や砲塔に装着されていた。これらの追加装備を装着する場合、拘束セラミック装甲の場合約10t程、劣化ウラン装甲の場合約16t近く重量が増大する。劣化ウラン装甲を装着した場合は、130mm砲を搭載した主力戦車でも貫徹が非常に厳しくなるものの、重量増加による機動力低下は避けられない。

爆発反応装甲はモジュール式の第4世代爆発反応装甲「マラヒート」を用意している。爆発反応装甲対策に二重弾頭を備えている対戦車兵器に対抗するため、爆発反応装甲自体が二重構造となっているのが特徴的である。「マラヒート」はモジュールの爆発を直接的に電子制御しており、APFSDS弾や対戦車ミサイルの接近は、モジュール周辺の磁場強度の急激な変化に基づいて、内蔵コイルによってモジュール装甲カバーを打ち出す為の先制爆発が実行される。その動作は非常に速く、モジュール付近の砲弾の飛翔によって誘導される起電力は、モジュール周囲に巻かれた600ターンの内蔵コイルで約1ボルトの電圧、その内蔵コイルから生じる電流は、モジュールと接触する約40cm前でモジュール装甲カバーを打ち出す先制爆発を引き起こす為のコマンドとして機能する。砲弾は打ち出されたモジュールの装甲カバーにより接触できずに破壊され、対戦車ミサイルはたとえ累積発射体を発射しても、爆発反応装甲の二重構造による次の金属板が先制爆発により打ち出され、飛翔中のミサイルは損傷して、照準が合わずに装甲には接触できないとされる。この二重爆発の技術は運動エネルギー弾、化学エネルギー弾どちらにも防御効果を発揮する爆発反応装甲で、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で800mmの防御力を発揮し、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で750mmの防御力を発揮する。また、複合装甲や空間装甲との相乗効果でこれらの防御力は強化されており、化学エネルギー弾に対して均質圧延装甲換算で1,500mmの防御力を発揮し、運動エネルギー弾に対しては均質圧延装甲換算で1,200mmの防御力を発揮することができる。
車体側面後部に装備されているケージ装甲は対戦車ミサイルへの対応を目的としており、対戦車ミサイルの弾頭を粉砕して爆発の影響を低減させる、または、起爆装置を損傷させて爆発を阻止することができる。しかし、ただの硬いスラット状の金属格子で100%の防御を提供することはできない。精々50%の防御効果を提供でき、ケージの間隔が接近する対戦車ミサイル・ロケット弾の間隔より小さい場合は効果が増加する。

アクティブ防護システムとして砲塔に「ザスロン」と呼ばれるハードキル型のアクティブ防護システムを装備しており、砲塔側面下部に固定式の発射機がある。これは15〜20mの距離で対戦車擲弾の他、2,500m/s以内であればAPFSDSも迎撃可能である。これらとは別に、砲塔上部左右にソフトキル型の「シュトーラ2」アクティブ防護システムがあり、これは煙幕を展開して敵の赤外線誘導装置を妨害する働きがある。
ベトロニクス
T-14Aに搭載される電子機器は全て国産であり、-40℃から104℃の環境に耐えられるよう設計されている。また、T-95と比べて性能が向上しており、射撃精度の向上、C4Iシステムやデータリンク端末の充実が見られる。

1A46-1M「カリーナ」射撃統制システムが搭載されており、デジタル弾道コンピュータを中核に、レーザー測距装置、傾斜測定装置、砲口照合装置、風向・風圧計、気温・気圧計、装薬温度計、「YeSU-TZ」データリンク端末など各種機能が接続して構築される。これらの入力諸元から弾道コンピュータは命中させるための各種要素の計算を行い、砲安定装置に入力して主砲を向ける。照準の際は、高解像度カメラによる目標の分析とデータベースからの情報を元に、目標の弱点部位に照準を定めることが出来る。照準後は自動追尾機能により、照準を常時修正して走行中も主砲の照準を目標に指向し続ける。また、発射後も弾薬データリンクを利用して砲弾の正確な着弾地点を計測し、効果判定を行う。砲安定装置と併用することで、走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃などが可能である。弾道コンピュータのソフトウェアはプログラマブルのものを利用しているため、将来的にアップデートをすることが容易である。今後、サポート人工知能を搭載する可能性があり、これらの工程をより速やかに演算することができるとされる。

砲安定装置とは、移動により車体が揺れる時でも照準を安定させるための装置である。この装置の働きにより、高い命中精度を維持したまま走行間射撃、後退間射撃、スラローム射撃を行うことが出来る。主砲は砲安定装置により、ジャイロスコープとサーボモータによって高低及び水平、二軸安定化がされている。砲塔の旋回や主砲の仰俯角は完全電動式で、砲塔の軽量化と火災発生のリスク低減に成功している。しかし、完全な電動であっても現代の主砲は重すぎて、高速な揺れには対処出来ない場合がある。将来的な135mm滑腔砲の搭載を見据えてることもあり、これに付随して照準装置を安定させてリンクした砲を隷属させるという方式を導入し、発射を準備した主砲位置と照準位置が合った場合に自動的に発射するようプログラミングすることで、主砲の射撃精度を安定、維持できるとされる。

T-14Aは「YeSU-TZ」データリンク装置を搭載している。データリンクは圧倒的な物量で押し寄せるソ連軍にとって非常に重要なもので、本車が接続するC4Iシステムは作戦級の近接戦闘指揮統制システム(3CCS)、戦術級の機甲戦力指揮統制システム(ATCCS)の二種類がある。

輸出

往来ではモンキーモデルを海外に輸出することで相手が自国より強い戦車を持たないようにしていたが、アフリカにてM1エイブラムスにT-72が撃破されたことをうけ、ソ連の武器市場における信用が損なわれたことがある。それによりソ連は武器市場における信頼獲得と大量輸出を目指して輸出向けの性能の良い戦車の開発に挑んでいる。

バリエーション

  • T-14
基本型。2015年~2020年まで合計約2,300輌が製造された。ソ連地上軍には現在約2,300輌が配備されている。
  • T-14K
指揮戦車
  • T-14AC
試験型。車高の低下でAESAレーダーやZaslonアクティブ防護システムの搭載を目指す。
  • T-14A
主砲を135mm滑腔砲に改装し、プラズマインジェクタによる点火を採用することで寒冷地における命中率を向上させた。同軸機銃に12.7mm機銃を装備。
拘束セラミック、炭化ホウ素、チタン合金で複合装甲を構成。車体を小型化してシルエットを低減して軽量化し、その分が装甲の増強に使用された。
第三世代サーマルを統合した360度旋回の車長用・砲手用サイトを砲塔上部に搭載。さらには操縦手の視野を拡張する為全周にカメラを設置した。ハードキル用アクティブ防御システムを使用する。
エンジンは水平対向ピストンディーゼル+コモンレール式燃料噴射装置を使用し、1,800馬力に拡張された。ハイブリッド推進方式で燃費の向上、燃料搭載スペースの削減を行い、空いたスペースに装甲・弾薬が充てられた。基本型の生産が終了した2020年から製造され、現在の製造数は1,440輌である。
  • T-14AK
指揮戦車型
  • T-14B?
計画のみ存在。完全無人化とバランス性を重視した兵器防御システムの搭載を目指している。
  • T-14S?
輸出型。国外の紛争地帯は軍需産業にとって実験場であり、国内版よりさらなる性能の向上が図られた輸出向けの戦車である。

派生型

などなど、他に見出しを追加してもよい

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